NHK『おかえりモネ』第38回

律儀に年に1度のTシャツを着ることで世の恋人たちの逢瀬を応援しようと思ったのだけれど、しわくちゃになってるせいで今日は雨なんですねごめんなさいと言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第38回めの放送を見ましたよ。

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第8週『それでも海は』

行方不明になっていた及川新次(浅野忠信)が見つかった。津波で流された自宅跡に昨夜からひとりで座り込んでいたという。耕治(内野聖陽)たちが保護し、家につれてきた。

耕治と新次は幼なじみで、昔から助け合ってきた。

2011年10月のことだった。
津波で漁船を流された新次に対して、耕治は再度船を購入するよう勧めた。先の船を造るための借金1億2000万円のあることが問題だった。耕治はまず、雇われ漁師として稼ぎ、借金返済と船の購入資金の準備をすることを提案した。しかし、漁師としてのプライドを持つ新次は人に雇われることを良しとしなかった。
そこで耕治は、自分の務める銀行から借り入れをする手はずを整えた。
国からの補助金も申請すれば借入額を減らすことができる。また、耕治が手を尽くして、審査が通りやすいよう工作することを約束した。それは銀行内での耕治の立場が悪くする可能性もある。しかし耕治は新次のためならば一肌脱ぐつもりである。その決意は新次にもよくわかった。それで新次は銀行から借金することに決めた。

ところが、新次は銀行の審査に落ちた。
新次は、別の知人が飲食店を開業する際に共同経営者として名義貸しを行い、開店資金として1000万円の借金をしていたのだ。そのことを申告せず、銀行の調査によって暴かれてしまった。それは耕治にとっても寝耳に水だった。

耕治は他に助ける方法を模索した。自分の家に住まわせることで、少しでも負担を減らしてやれないかと家族に相談した。しかし、龍己(藤竜也)が強く反対した。銀行員である耕治には、漁師として生きている新次の意地がわかっていないと叱られた。彼のプライドを潰してしまうわけにはいかないと断固反対した。

こうして、新次へのそれ以上の援助はできなくなった。
それから5年、新次は仮設住宅で酒浸りの生活となった。

そのような顛末を思い出して、百音(清原果耶)は気象予報士試験の勉強が手につかなくなってしまった。
当時の耕治は「何もできない」と嘆いていた。それは、震災当日に何もできなかったと悔やんでいた自分の姿に重なった。そしてまた、朝岡(西島秀俊)から「何もできなかったと思っているのはあなただけではない」と言われたことも思い出された。

気象予報士試験に合格したからといって、すぐに誰かを助けられるわけではないのだと思い悩んでしまった。

そんな矢先、菅波(坂口健太郎)から電話がかかってきた。何も事情を知らない菅波は、自分のプレゼントした縄跳びについて一方的に話し始めた。1日3分運動しろと伝えてあったが、よく調べると縄跳びは5分間の運動が必要なのだという。
けれども、難の反応が無い百音のことを不審に思い、優しく話を聞いた。

百音は、全ての悩みを打ち明けたわけではないが、気象予報士になったからと言ってすぐに誰かを助けられるわけではないと話した。しかし、今は合格に向けて勉強するしかないと言った。
菅波は、自分からは何も助言できることはないが、話を聞くことはできると答えた。

その控えめな回答に百音は少し安心した。
縄跳びをすると言って電話を切った。

* * *

最後の百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)の電話のシーンが僕にはよくわかりませんでした。
百音は自分の悩みを全て打ち明けたんだろうか?どうも端切れが悪かったように思うのだけれど。まだ何か隠しているんだろうか。もしくは、本人にも根本的な問題がわからずにモヤモヤして言葉にできなかったんだろうか。
そして、菅波に「話を聞くことはできる」と言われて少し持ち直したのはなんでなんだろう。いつも口を出すばっかりでウザい菅波の態度が変わったのが新鮮だったから?自分には味方がいると思って安心したから?返事はなくても、何かしゃべることで自分の中で整理がついたから?
よくわかりませんでした。人の気持ちの機微がわからない僕でごめんなさい。

【今日の蒔田彩珠
新次(浅野忠信)が運び込まれてくる現在のシーンでも、5年前の新次をめぐる家族会議(実際には父と祖父の話を聞いてるだけ)の回想シーンでも、未知(蒔田彩珠)はずっと心配げにしているだけでした。
しかし、憂いのある顔が似合う、うん。

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