今日やっと、今田美桜さんは佐藤めぐみさんの若い頃に似ていることに気付いて、それで俺は萌えているんだなと気付いた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第60回めの放送を見ましたよ。
鮫島(菅原小春)のトレーニングに付き添った百音(清原果耶)は、朝岡(西島秀俊)が学生駅伝の選手だったことを話した。雨の予報を受けて対策したが、予報がはずれて熱中症でリタイアしたのだと教えた。それは鮫島がリオデジャネイロ・パラリンピックの代表選考会で失敗したのと全く同じことだった。朝岡が鮫島に肩入れする理由はそこにあると理解できた。
鮫島は、朝岡が自分だけではなく、チームメイトや大学の伝統まで潰してしまったことを悔いているのだろうと察した。駅伝は一人で行う競技ではないからだ。一方、鮫島が取り組んでいる車いすマラソンは個人競技である。だから、鮫島は他の人のことは気にせず、自分自身のためだけに走っている点が違うと話した。
けれども鮫島は、周囲の人々の協力が不可欠であることも痛感していた。そういった人々への感謝は忘れないし、必ず恩返しをしたいと考えているという。恩返しの方法としては、自分の頑張っている姿を見せることで、どこかの誰かを少しでも元気づけることだと話した。
百音はその考えに同意した。自分のために一生懸命やっていることが誰かのためになることは幸せなことである。
それはここ何日かの百音の悩みとも共通していた。人々を助けるという大義名分で災害予防を訴えている百音であるが、それは自己満足ではないかと神野(今田美桜)に指摘されてしまったのだ。今日の鮫島の言葉で、百音は少し気が楽になった。
鮫島を支援するスポーツ気象チームでは、鮫島の体質に関するデータ分析が不足していることが問題視された。一流アスリートには、専属ドクターによる体調管理が行われるケースが一般的である。しかし鮫島には専属ドクターがおらず、ましてやツテすらなかった。
百音は菅波(坂口健太郎)のことを思い出した。しかし、隔週で登米と東京を行き来している彼の負担のことを思うと簡単には頼めそうになかった。また、彼との関係を明日美(恒松祐里)にからかわれるのも避けたかった。
ずいぶんと逡巡した挙げ句、思い切って菅波にメールと電話で相談した。
しかし、菅波は素っ気なく断った。理由は百音が想像したとおり、登米との往復で時間がとれないというものだった。
そんなある日、仕事を終えた百音がシェアハウスに戻ると、そこには菅波がいた。いつものようにコインランドリーで洗濯していると、すっかり顔なじみになった菜津(マイコ)に留守番を頼まれたのだという。
菅波はあらためて鮫島の専属ドクターを引き受けることはできないと断った。百音もそれ以上は頼まなかった。
代わりに百音は、以前に菅波から言われた「『あなたのおかげで助かりました』という言葉は麻薬である」という言葉の意味を尋ねた。台風対策を事前に知らせたことで祖父・龍己(藤竜也)から感謝され、百音のおかげで助かったと言われたという。すごく嬉しかった反面、菅波の言葉を思い出して引っかかっているのだと説明した。
菅波によれば、その言葉は、自分に価値があると思わせてくれて気持ちのいいものだという。特に、百音のように自分は無力だと思っている人間にとってはこれ以上の快楽は無い。自分自身のためにその快楽を再び欲しくなり、周りが見えなくなるほど突っ走ってしまうのだと説いた。
そしてそれは、菅波自身の経験でもあるという。菅波はその快楽に溺れ、ある人の人生を奪ってしまったという。
菅波坂口健太郎)が以前からずっと百音(清原果耶)の勉強を手伝ったり、人生の悩みに助言を与えたりしてきたことは「自分に価値があると思わせてくれる麻薬」だったのか、そうじゃなかったのか。
麻薬じゃんねぇ。達観して偉そうなことを言ってる割には、実践できてないという。
いや、菅波が百音に終始よそよそしかったり、介入する時に躊躇する姿は繰り返し何度も描かれているので、頭ではわかってるんだろうね。
その逡巡する姿は『機動戦士Zガンダム』のときのシャア(aka クワトロ・バジーナ)みたいでかっこいいね。わかるやつだけわかればいい。
【今日の蒔田彩珠】
出番なし。
実家の龍己(藤竜也)の回想シーンがあったので、その背後に控えている未知(蒔田彩珠)を一瞬でも映してくれりゃいいものを。
『機動戦士ガンダム』でサイド6空域の戦闘中継を見ているテム・レイみたいな気分になりましたよ。わかるやつだけわかればいい。