雨で全く気分のアガらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第64回めの放送を見ましたよ。
暑さに弱い鮫島(菅原小春)に対して、スポーツ気象班はペース抑制と氷状ドリンク補給で体力を温存し、後半にスパートをかける作戦を立案した。しかし、鮫島の記録は思うように伸びなかった。
鮫島は、早い段階で向かい風を切り、先頭に立って逃げ切るのが得意なのだという。過去の戦績でも、実際に風の強いレースで勝っている。本人も風を切り裂くレースに喜びを感じているという。
百音(清原果耶)は、今のレース戦略では鮫島の持ち味を活かせないのではないかと思うようになった。そこで、スポーツ気象班で相談し、第2作戦を立案した。
選考会の3日前、鮫島を会社に呼んで第2案の説明をした。
当日の競技場付近の気象予報では、レース開始直後はほとんど風が吹かないという。周辺に南風は吹くものの、競技場の南側にあるスタンドによって遮られてしまうからだという。しかし、レース中に南西寄りに風向きが変化する可能性があると予測された。その方角には低いスタンドしか無く、競技場内に風が吹き込む。しかも、競技場周辺のビルの影響により、南西風はより強くなる。
もし風が吹けば、競技場のトラックの半分は追い風になり、もう半分は向かい風になる。追い風の場所では風にのって体力を温存し、向かい風の時に鮫島の持ち味を活かした全力疾走をするというのが第2作戦である。風の吹かない前半は従来の作戦通りペースを抑えて走り、予測通り風が吹けば切り替えるというのがスポーツ気象班の提案だった。
鮫島は風が吹くかどうか半信半疑だった。また、レースの3日前になって急に新しい戦略を提示されたことにも困惑した。
朝岡(西島秀俊)は、自分たちスポーツ気象班の役割は情報提供までであると話した。その情報を信頼し、従うかどうかの決断は鮫島に任せると話した。
そうして、選考会の日になった。
百音だけが会場に付き添い、各種観測機器やビデオカメラを設置した。そのデータは即座に会社に送られ、スポーツ気象班の他のメンバーたちが会社でリアルタイムの分析を行った。現場への指示は電話で行い、百音がトラック脇から鮫島に伝達することになった。
選考会は鮫島ひとりで行われた。トラック52周を55分20秒以内にゴールできれば強化選手に選出される。
前半は予想通り風が吹かなかった。しかし、第1作戦に従ってペースを抑えた走りでも良好なラップタイムであった。
けれども、終盤が近づくにつれてラップタイムが落ち始めた。このままではあと一歩のところで標準記録に届かない可能性がある。
残り14周(残り約25%)のとき、百音は上空の雲の流れが変化したことに気づいた。会社のメンバーに確認すると、確かに風向きの変わり目であった。ここが作戦の切り替え時である。百音は鮫島に指示を出した。
鮫島はその声を聞いた。しかし、従うかどうかは鮫島に一任されていた。
今日は鮫島(菅原小春)が走って、スポーツ気象班たちの風の予測が当たるかどうかって話だったわけで。
それはそれとして、ふと思ったことがあるので以下に書く。
朝岡(西島秀俊)は、テレビ局の高村デスク(高岡早紀)と親しい関係にあるようで。なら、彼女にはたらきかけて、鮫島のパラリンピック挑戦の密着取材とか頼めなかったのかねぇ。
鮫島にはカネがなくて、朝岡が肩代わりしたわけで。その費用をテレビ局から引き出すこともできただろうに。
鮫島には現在スポンサーが皆無なのだけれど、テレビに露出すれば支援者が見つかるかもしれないだろうに。
鮫島が強化選手に選ばれるかどうかは賭けだけれど、テレビ局も早い段階から密着取材していればそれなりの番組は作れただろうに。
朝岡は「スポーツ気象」なるものを広めていきたいと思っているらしいけれど、鮫島のドキュメンタリーの中でそれに触れてもらえば広報できただろうに。
一石四鳥くらい狙えたと思うのだけれど。