NHK『おかえりモネ』第80回

「僕のテレビは大雨で画期的な色になり、とても醜いヤマザキマリをとても魅力的なヤマザキマリに変えた」(注: 原詞になるべく忠実にしただけであり、彼女に対する敵意はありません。ていうか画期的な色にならなくても美人な部類だと思う)などと井上陽水『氷の世界』の替え歌を口ずさんでいる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第80回めの放送を見ましたよ。

* * *
第16週『若き者たち』

日曜の夕方、百音(清原果耶)の幼なじみたちは宮城へ帰っていった。
翌月曜、神野(今田美桜)たちから菅波(坂口健太郎)との関係を少々からかわれたこと以外は、百音も仕事で忙しい日常に戻りつつあった。

しかし、その日の夕方、百音がコインランドリーで佇んでいた、地元に帰った未知(蒔田彩珠)から送られてきた菅波とのツーショット写真をスマホで見ていた。未知からは「お似合いだ」というコメントが添えられていた。

そこに、本物の菅波が現れた。百音は慌ててスマホの画面を消してしまった。
百音は前日の約束をすっぽかしてしまったことを謝った。

その一方で、菅波が洗濯物を持っていないことを不審に思い尋ねた。
すると菅波は、洗濯をしにきたのではなく、百音に会うことが目的だったと答えた。未知や亮(永瀬廉)など、百音の地元の親しい人にあったことで動揺してしまし、居ても立っても居られなくなったのだという。ただし、それは亮に対する嫉妬ではないという。

菅波は、百音が未知から「津波を見ていない」となじられたというエピソードを思い出したのだと話した。津波の時に地元に居なかったという負い目が百音を苦しめているということはわかる。その苦しみを正確に理解できるとは思わないが、できる限り受け止めたいのだと話した。以前の菅波は、人それぞれの苦しみを理解しようとせず、一般的な正論で片付けていた。
ところが、登米で百音に出会ってから自分が変化してきたことを自覚しているのだという。百音に苦しいことがあれば自分を頼りにしてほしいと話した。

それだけ告げると、菅波は当直の時間が迫っていると述べ、立ち去ろうとした。
百音は瞬間的に菅波に帰って欲しくないと思った。しかし、その気持を素直に表す術を持たなかった。目の前にあった仙台土産のお菓子を手渡すというちぐはぐな行動をとってしまった。

その間を継いだ菅波は、大学病院を辞め、登米の診療所に専念することを考えていると打ち明けた。少し前からそう思っていて、折を見て百音に相談するつもりだったという。

百音は、菅波を引き止めるかのようにそっと彼の手に触れた。
しかし百音は、菅波の登米行きを止めたいのではないと弁解した。菅波がどこに行っても構わないし、どこにいようと菅波を応援する気持ちは変わらないという。

百音は、自分も菅波と同じように冷たい正論を述べる人間だと話した。亮から今だけでも助けてほしいと求められた時、それを正論で拒絶したことを打ち明けた。自分は亮を突き放したのに、自分が菅波と離れることが嫌だと思っている。その矛盾の折り合いがつかなくなった。

菅波は百音を抱きしめた。
先と同じよう、百音の痛みはまだわからないが、わかるようになりたいと話した。

* * *

亮(永瀬廉)や幼なじみたちには表情豊かでスラスラとしゃべる百音(清原果耶)なのだけれど、菅波(坂口健太郎)が相手ではなかなか本音を出せず言動がしどろもどろになる。その対比をちゃんと見せる演技も演出も素晴らしいなぁと思う回でした。

菅波は登米駐在のことを百音に相談したかったそうですが、それは週末のデート(デート?デートなのか!?)で言うつもりだったんでしょうねぇ。
ほんとうはそれも言いたくてコインランドリーに顔を出したんだけれど、いざ本人を目の前にすると言い出しにくくて、そそくさと帰ろうとしたのかな。しかし、引き止められて、つい言っちゃったってとこでしょうか。不器用な人間だから。

【今日の蒔田彩珠
みんなと一緒に宮城へ帰っていった未知(蒔田彩珠)ですが、仙台から気仙沼までの道中は亮(永瀬廉)と二人っきりだったはずです。そこで何があったのか、なかったのか、とても気になるところです。
帰った翌日、菅波と百音の写真を送ってきましたが、少なくともスマホ画面のアップで見える範囲には亮のことは何も書いてなかったようですし。

後日、「あの日のエピソード」みたいな感じで回想シーンとして描かれるんですかね。
ていうか、お調子者の三生(前田航基)のことだから「俺も久しぶりにオヤジの顔でも見に行くかな」とか言い出して同行し、ふたりっきりになれなかったというネタがあるんじゃないかと思ってる。

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