自分の姿が亜矢『戦場の華』のジャケットみたいになってて自嘲した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第84回めの放送を見ましたよ。
内田(清水尋也)がキャスターとしてのカメラテストを行った。高村デスク(高岡早紀)によれば、まだ決定ではなく、上層部によるオーディションを後日行ってから決めるという。
神野(今田美桜)はキャスターから降ろされるのだと思い、高村に食ってかかった。自分は外見だけが取り柄であり、笑顔でパペットと掛け合いをすることくらいしか役に立たない人材なのだと卑下した。深刻な場面には似つかわしくない人間だと周囲が思っている証拠だと喚き散らした。
高村はそんな神野をたしなめた。彼女自身も過去に同じ理由で降板させられたことがあるのだと話した。仕事に優劣をつけたり、自分を卑下するべきではないと注意した。高村は神野を見捨てるつもりはないが、その代わり、実力で勝負できるようになれと激励した。
後日、内田がオーディションで採用された。翌月(4月)から番組に出演することになった。
ただし、神野が即降板とはならず、ふたりが日替わりで担当することとなった。2日と3日の割り振りになるが、どちらが多い方を担当するかは様子を見て決めるという。早速、神野は休みだということにして、内田が試験的に出演した。
内田の試験出演は視聴率が良好だった。視聴者からの応援メッセージも神野より多いくらいだった。
それを知った神野は荒れた。興奮して炭酸飲料を振ってしまい、開栓した途端、百音とふたりで頭から浴びてしまった。
ふたりは、百音のシェアハウスの風呂で洗い流すことにした。
入浴後、神野は落ち込んでいた。
神野は、自分が周囲からもチヤホヤされ、なんの苦労もなく生きてきたせいだと話した。実力で勝負しろと言われても、自分には人生経験がなさすぎるのだと話した。挫折や傷ついた経験のある人間こそが強いのだと思っていた。
たとえば、百音は震災を経験して傷ついた。そのようなものが自分にはないのだという。
それをそばで聞いていた菜津(マイコ)は、震災の例を引いたり、傷ついた経験が必要などと軽々しく言うべきではないとたしなめた。
百音(清原果耶)はずっと聞き役のターン。主人公らしいこと何もしてねぇ。
本文では割愛しましたが、百音の地元の島と本州を結ぶ橋がついに完成したそうです。東日本大震災の時は船が使えなくなって1週間ほど帰宅が遅れましたが、この橋があればすぐに帰れただろうと思うのでした。それが、神野(今田美桜)の「傷ついた経験が必要」という語りへのフックになっていました。
ただし、百音は震災の時に帰れなかったということは胸に秘め、周囲には自分が生まれた日のことを笑いながら話していました。橋がなかったので、台風の日に船で本州に渡って生まれたと。そういう、本当に辛いことは口に出さないということが、百音の強さとされているんでしょう。
橋の完成は地元民たちの悲願でもありました。推進運動に耕治(内野聖陽)が深く関わっていたことは以前に語られていました。そんなこともあり、耕治にはめったに連絡をしない百音ですが(むしろ、電話がかかってきてもほとんど無視する)、珍しく父に自分から電話をかけて喜びを分かち合いました。
耕治との電話を切った後、菅波(坂口健太郎)にも電話をしようとしましたが、逡巡してやめました。
百音は、菅波にすら言いたい時に言いたいことが言えない状態になり始めているようです。
【今日の蒔田彩珠】
出番なし。