NHK『ブギウギ』第66回

昨日から頭の中で “Give Peace a Chance” の鳴り続けている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第66回めの放送を見ましたよ。

* * *
第14週『戦争とうた』

慰問公演のため、富山県高岡市の旅館に宿泊している鈴子(趣里)たち一行。

鈴子はそこで働く女中・静枝(曽我廼家いろは)と知り合った。彼女の夫は南方で戦死したという。静枝は夫の死を少しも悲しいと思っていないという。むしろ、命を投げ打って国のために奉仕した夫を誇りに思うと話した。鈴子たちの浮ついた様子に対しても、いささか忌避感を抱いているようだった。
鈴子は口にこそ出さなかったが、静枝が無理に強がっているように思えた。鈴子も弟・六郎(黒崎煌代)を同じように南方の戦場で亡くしているので、静枝の複雑な心境がわかるような気がした。自分の歌で彼女の気を楽にしてやりたいと思った。

翌朝、慰問会場へ出かける前に、鈴子は静枝に声をかけた。ぜひとも公演を見にきて欲しいと頼んだ。
しかし静枝は、鈴子に素っ気ない態度だった。仕事があるので行くことはできないと断った。
もう一度念押しして、鈴子は出かけた。けれども、公演が始まっても、やはり静枝の姿はなかった。

同じ頃、鹿児島の海軍きでは、茨田りつ子(菊地凛子)の慰問公演の本番が始まっていた。
指揮官・横井少佐(副島新五)から軍歌を歌えと命じられて一度は断ったものの、死の約束された若い特攻隊員たちの姿を目の当たりにし、彼らを見過ごすことができなくなってしまったのだ。自ら進んで軍歌は歌いたくないが、隊員たちからの要望があれば歌うと約束した。

舞台上のりつ子が募ると、特攻隊員は『別れのブルース』をリクエストした。初めは上官の目を気にして一人が小さな声で言っただけだったが、次第に他の隊員たちも同調し、全員の総意となった。指揮官・横井少佐は、聞こえないふりをして会場を出て行った。それを黙認の合図と受け取り、りつ子は『別れのブルース』を歌った。

特攻隊員たちは涙を浮かべながらそれを聞いた。りつ子が歌い終えると、特攻隊員たちは立ち上がり、口々に威勢よく礼を述べた。思い残すことがなくなった、勇気づけられた、晴々しく出撃できるなど、全員が死を受け入れたことは明らかだった。会場の外にいた横井少佐も、彼らとの根性での別れを思い、密かに泣いた。
特攻隊員たちの賛辞が止まぬ中、りつ子は舞台袖に急いで戻った。そこでりつ子は泣き崩れた。

富山県高岡市での鈴子の公演は、いよいよ残すところ1曲のみとなった。するとそこへ、静枝が現れた。
彼女を見つけると、鈴子は最後の歌『大空の弟』の紹介をした。南方で戦死した弟の歌であると説明し、客にも自分の大切な人のことを思いながら聞いて欲しいと頼んだ。
『大空の弟』は、戦地から手紙が届くという内容である。静枝も、戦地の夫から届いたハガキを肌身離さず持っていた。静枝はそれを取り出し、涙ぐみながら鈴子の歌を聞いた。

慰問公演を終えた鈴子たちは、旅館に戻って夕食をとっていた。
すると、前夜と同じように静枝の幼い娘・幸(眞邊麦)が入ってきて、鈴子に甘えた。前の晩は、客から食事をもらうと幸の癖になるといってやめさせた静枝であったが、今夜は何も言わなかった。

静枝は、鈴子の『大空の弟』の感想とともに、夫との思い出を語った。
夫は頻繁に手紙を書いてくれて、とても嬉しかったという。しかし、静枝は一度も返事を書いたことがない。なぜなら、夫の字は印刷物のようにきれいだったのに、静枝の字はとても下手だったからだ。夫は普段はめったに笑わないのだが、静枝の粗末な字を見た時だけは腹を抱えて笑ったという。それが悔しいやら恥ずかしいやらで、静江はついぞ夫に手紙を書かなかったという。

そのような内容を静枝は微笑みながら話した。
鈴子は、つい涙をこぼしてしまったが、つとめて笑顔を作った。彼女のために歌って、本当によかったと思った。

* * *

今日は、本作イチ泣いた。
鈴子(趣里)パートもりつ子(菊地凛子)パートも画面がぼやけて大変でした。
正月の放送休止のある週なので、あまり大きく話が動かないのはどの朝ドラでもそうなのだけれど、きっちりいい話を持ってきましたね。

本文では割愛しましたが、広島に原子爆弾が落ちました。鈴子は慰問公演の日に新聞で知りました。そろそろ戦争は終わりそうです。

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