現在ドラマの中では昭和41年であり、それは俗に言う丙午であり、出生数のグラフ(参考)を見ても驚くべきほど明らかに産み控えがあったわけだが、村井家はそういうことを気にしなかったのか、出生届をちょろまかしたりするのだろうか(年末に生まれたものを、年明けに生まれたかのように記載する)・・・なんて余計なことを考えている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第108回めの放送を見ましたよ。
布美枝(松下奈緒)は病院で帝王切開することになった。その日は、藍子(篠川桃音)の誕生日であり、クリスマスイブでもある。付き添いのいずみ(朝倉えりか)は病院から電話をかけ、茂(向井理)にお祝いの料理や藍子へのプレゼントの隠し場所などを指示し、あとのことを頼んだ。
しかし、茂は当日の締切りを2つも抱えており、プロダクション全員が徹夜体制であった。編集者・北村(加治将樹)が早くも原稿を取りに現れ、待ったなしの状態になってしまっていた。
その夜、布美枝は無事に女の子を出産した。
翌朝、いずみだけが病院から帰って来た。茂らは徹夜で仕事をし、全員疲れて仕事場で眠っていた。仕事部屋の狭い一角のテーブルには、ご馳走が無残にも食い散らかされていた。藍子も仕事部屋の椅子で眠っていた。藍子にはプレゼントも渡されていなかった。
いずみは、藍子の誕生日が台無しにされたことに立腹する。唯一目を覚ました倉田(窪田正孝)に不満をぶちまける。少しくらい時間を見つけて、茂本人が病院に顔を出したり、藍子の相手をしてやっても良かったのではないかとまくし立てた。
しかし、倉田も黙って聞いているわけではなかった。茂は極度の集中力で、命を削って漫画を描いている。少しでも集中が途絶えると、作品が台無しになる。そうなると読者や出版関係者など、多くの人々に迷惑がかかることがなぜわからないのか、と反論するのだった。
ふたりがちょっと目を離した隙に、藍子がストーブで手を火傷してしまった。その騒ぎを聞きつけた茂は、倉田と一緒に、自分の足で走って藍子を病院に連れていった。タクシーを呼ぶ時間ももどかしかったのだ。
徹夜明けで疲労の極限にあるはずの倉田だが、処置が終わるまで付き合ってくれた。いずみは自分の落ち度を悔やみ、落ち込んだ。夕方、村井家を去る倉田に苦しい心境を打ち明けた。朝の口論は忘れたかのように、倉田はいずみのことを慰めてくれた。
年が明けて、昭和42年1月。
布美枝が赤ん坊を連れて退院、帰宅した。
藍子の手の傷跡を初めて目にする布美枝に対して、いずみは深く謝る。しかし布美枝は意に介さず、むしろ、いずみの方に心配をかけて申し訳ないと逆に謝るのだった。そのことで、いずみは明るさを取り戻した。
以前から、布美枝は自動車が欲しいと茂に訴えていたが、彼は聞く耳を持たなかった。しかし、布美枝の退院は、いずみが自家用車を運転して迎えに来た。そのことを不思議に思う布美枝に対して、いずみは事情を説明した。
藍子が火傷を負ったとき、茂は反省したという。家族に何かあったとき、自動車があれば安心だ。その一件で車を買うことにしたという。藍子の誕生日の一件で、茂のことを悪く思ったいずみだが、心のなかではきちんと家族のことを考えているのだと見直したという。
その夜、布美枝は久しぶりに茂とふたりっきりで静かな夜を迎えることができた。茂が旧『悪魔くん』のラストに描いた予言の通り、本当に悪魔くんが復活したのが嬉しいと言う布美枝。しかし、茂は予言ははずれたという。予言では7年後に復活するはずだったのに、4年未満で復活してしまった。だから、思い通りではなかったと、茂は冗談を言うのだった。
次女の名前は、喜子(よしこ)に決まった。