「世の中には2つのタイプの人間しかいない.○○と××だ」
カッコつけ野郎が,よく使うフレーズですな.
たとえば
「世の中には2つのタイプの人間しかいない.努力するヤツと努力しないヤツだ」
とか
「世の中には2つのタイプの人間しかいない.女に貢がせるオトコと女に貢ぐオトコだ」
とか
「世の中には2つのタイプの人間しかいない.ニュータイプとオールドタイプだ.私,シャア・アズナブルは,人類の革新を信じている」
などなど.
そのノリで,ちょっと唱えておこう.
「世の中には2つのタイプの人間しかいない.自身に満ち溢れたヤツと自信のないヤツだ」
皆さん,ご自身はどちらですか?
当方,前者でございます.
最近「モテて,モテて,困っております.体が持ちません」な状態です.
今日も今日とて,東京某所で某女の子とお茶したり.お茶の席で,このせりふをぶっこいてみたり.
しかし,それに対する某女の子の返事が,
「へぇ~,そうなんですか.腰がガクガクでまともに立っていられないとか,そういう状態ですか?」
とのこと.
おいおい,それは,夕方のオフィス街の喫茶店で,かわいい女の子が言うせりふですか?こっちの方が恥ずかしくなってしまいました・・・.
つーか,声を大にして言うけれど,
腰なんて使ってねーし!
もし使ってたら,アナタも今頃は無事じゃすまねーっつーの!
まったく,「木公と書いて紳士と読む」と一部で噂されているような,自分で勝手に思い込んでいるような,かわいい子羊の俺様を捕まえて・・・.
つーか,ごめんなさい.
本当は,当方「自身のないヤツ」です.
正直に言うと,お茶に誘うまではいいけど,「じゃあ,しっぽりとホテルにでもしけこみますか?」と言いたくても,絶対に応じてもらえるわけがないと思ってしまい,そのせいで嫌われちゃったらいやだなぁと自信がなくて,そういうことが言えない訳で.チキン野郎なわけで.ハイ.
そんな人生です,僕の人生なんて.
それは,まぁ,どーでもよくて.
今日は,川上弘美著「センセイの鞄」を読んでみました.
いきさつは,某女の子が読書感想文を書いていたからです.
「いつも,ビジネス系のおカタイお話ばっかり書いてるのに,どないしてん?つーか,そんな雰囲気のblogにわざわざ書いたくらいだから,よっぽど面白かったんだろうなぁ」
と思って,読み始めたわけです.
まぁ,なんつーか,ほんとーに色気のねー話っつーか,年増女と偏屈じじぃの恋愛話.
センセイ(じじぃの方)は,もと教え子の年増女に言い寄られるんだけれど,知らん振りをしたり,はぐらかしたり,ずーっとそんな展開.
あー,もー,じれったい!
俺が許可する,ジジィでもいいから,やっちゃえっつーの!
そんなことを心の中で叫ばずにいられません.
しかし,イライラさせられながらも,グイグイと引き込まれて,途中で止めるに止められなくなるお話でした.
つーか,要するに,このジジィ「自信のないヤツ」なんだな.
自分の老い先短いことを悟っているし,一度結婚生活に失敗していることを気に病んでいるようだし,生物学的な「男」としてきちんと恋愛ができないのではないかと心配しているし.
そんなもんで,もと教え子と男女の仲になることに踏み出せないでいるんだな.
そういう自信のなさっつーのがあって,「紳士的」に接することが最大の愛情だと彼は思ってたんだろうな,きっと.
そういうの,俺的に「アリ」
えー話やないか.
ちなみに,一番印象に残っているのは,ある小島に二人っきりで旅行に行くところ.
現地で,亡くなった妻の墓参りだということがわかって,女性は憤慨するわけだ.まったく,センセイは女心がわかっていない,と思った.
しかし,そうすることでケジメを付けようとしたこと,そしてそのことを相手に理解して欲しかったというセンセイの気持ちは,僕的には「よくわかる」
いいじゃないですか.
当方,初老の男性にはほど遠い年齢ですが,こんな感想を抱きました.
こんにちは。
本、気に入ってもらえたみたいで良かったです。
ていうか感想文おもしろすぎです(笑)
小島旅行のくだりは、私も月子さんと同様に「ひどい」と憤慨して涙ぐんだのですが、そうかーオトコの心理はそうなのかーと、ご解説でとっても腑に落ちました。
私は、2人の展開をしみじみ味わいながら読んだので、ぜんぜんじれったくなかったんですが、そういう私も恋愛に関しては相当スロースターターなんでしょうね。
#Blogでこれまで恋愛ネタを避けていた理由は、うちのダンナがむちゃくちゃ嫉妬深いからです。加えて、「20代女の単身赴任、当然色々あるんでしょ」的な周りの好奇心の目がとってもイヤだったから。それを跳ね返すためにもストイックに来ていたのですが、もうダンナがこっちに来ちゃったので、肩肘張る必要がなくなりました(笑)
年増女って書いてあるから、
「へ~~~いくつくらいで、年増女なんだろ?」って思ったら・・・
アタシったら・・・
すみませんでした。
Tomomiちゃん:
ふふ,君はスロースターターなのね.
僕と一緒に,ロケットスタートしてみないかい?
当然色々あったりして,好奇の目にさらされるのも,実は悪くないかもよ.(。。)\ばき☆
しっぽりと,ススキノあたりで飲むってどうよ?:)
叫び声をあげている方:
小説に出てくる「ツキコさん」が年増なのは,実年齢というよりも,人付き合いをめんどくさがっている点や,一人で居酒屋でボソボソと飲食することに頓着しない点です.
僕のお見受けする限り,アナタはそこまではいってなさそうなので,全然OKかと.
えらい。良い本読みましたね。随所に出てくる酒のつまみが、かなり、旨そう。確かに、センセイは紳士だよね。もどかしい気持ちも良くわかる。やるせない、切ない小説です。ただ、私としては、川上テイストとしてはやはり「蛇を踏む」からはじまる、異形モノの方がタイプ。一番のお好み「おめでとう」だったか「竜宮」に入っている、別れた彼と再開して野球を観にいって、お互い途方にくれている、ってやつ。まあ、暇があったらよんでみるんだな。
姉さん:
そうそう.ツマミがすげぇ美味しそうなんですよね.ストーリーの中の季節の移り変わりに沿って,ツマミも変わるんですよね.端的なのが,湯豆腐と冷奴.読んでて楽しかったです.
野球の話,気になりますね.探してみます.
つーか,原田宗典の「別れた彼女がバイクをとりにくる」っていう話,未だに見つかりません.
姉ちゃん:
「別れた彼と再開して野球を観にいって、お互い途方にくれている、ってやつ」を発見しました.
「おめでとう」という短編集に収録されている『夜の子供』ですね.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101292329/almore-22
つーか,なんだよ,これ.
切ないじゃないか,ちょっと思い当たるところがあるじゃないか,読んでるこっちまで途方にくれてくるじゃないか.
こんなん紹介するなよー.秋の夜長に泣けてくるじゃねーか.
・・・文句は言ったけど,気分が揺り動かされて文句が言いたくなるほど,グッときた話でした.
紹介,サンクス.
>叫び声をあげている方:
>小説に出てくる「ツキコさん」が年増なのは,実年齢というよりも,人付き合いをめんどくさがっている点や,一人で居酒屋でボソボソと飲食することに頓着しない点です.
>僕のお見受けする限り,アナタはそこまではいってなさそうなので,全然OKかと.
自虐ネタ、マジで答えてくださってありがとう。
あなたったら、本当に真面目で優しい方なのね。(笑)
「パレード」川上弘美
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