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本屋で見つけたもの、見つけられたもの

ほとんど誰からも省みられていないことを知っているが、昨年の12月に「2007年度 alm-ore お薦め本ベスト10」という記事を書いた。

そこで、3位に取り上げている『獄窓記』(山本譲司)が文庫になって販売されているのを本屋の棚を眺めていて知った。
文庫化に当たっての著者のあとがきと、精神医学者のなんとかさんの解説が付いたようだ。

なお、前回の紹介文はこんな感じ。

元衆議院議員の著者は、秘書給与の不正利用によって起訴され実刑判決を受ける。つまり、刑務所に入れられた。
腹黒い政治家なら、自分の罪の弁解するために本を書いたりテレビに出たり、講演会をしたりするかもしれない。しかし、山本氏は自分の罪を潔く認め、しっかり反省の弁を述べている。実際、釈放後も選挙に出るでもなく、政治生命を自ら絶っている。そういう意味で、本書は色眼鏡で見る必要は一切無い。
しかし、本書は単なる懺悔書に終わっているわけではない。彼は刑務所の中で障害者ばかりが収容されている部署の担当を任される。その中で、「シャバではどこにも雇ってもらえない。刑務所でしか生活できない」と訴える人々の存在を知ることになる。この経験を元に、彼は福祉政策のためのボランティアとなっていく。
両方ハードカバーで重たいが、ぜひ続編の「累犯障害者」とセットで読みたい。

ハードカバーなのがネックだったのだが、今回の文庫化で安くなったし、持ち運びもラクチンになったのでますますお勧めです。


そのほか、本屋の棚で『本は10冊同時に読め!』(成毛眞)というのを見かけた。

10冊同時読みというのは、家のあちこち(リビングやトイレ等)のほかにオフィスなど、自分が行き来するところにそれぞれ本を置いておいて、空き時間にそれぞれパラパラと読みましょうというやり方。別にジャンルはなんでもいいとか書いてあった。
それ以外は、著者(成毛さんって、昔、日本マイクロソフトの社長とかやってたよね)の読書体験とかのエッセイ。

3分くらいパラパラと立ち読みして、棚に戻してしまったので、買ってないし、ほとんど読んでない。
前書きがかなりアグレッシブで「現在は格差社会だ。本を読まない奴は年収200万未満の下流層になる。だから、本を読め。ただし、ハリポタとか恋空とか、ナンパな本を読んでも全然ダメだ」みたいなことが書いてある。
あと、「”貧乏父さん、金持ち父さん”見たいなやつとか、”年収1500万への投資法”みたいなサクセス本もダメ。そんなのを読もうと思う人間は、そもそも大成しない」みたいなことも前書きに書いてあった。

根拠のよく分からないアジテーションやら、読者を選民幻想にいざなうような書き出しの本だったというのが、パスした最大の理由かもしれない。
でも、彼がどんな本を読んできたかということには興味があるので、どこかの待合室とかに置いてあったら、通しで読みたいかも。

で、そんな感じでフラフラと本を物色していると、ケータイにメール着信。

車イガミすぎです (笑)
という文章とともに、写真が添付されてた。

うげっ。本屋の駐車場の僕の車だ。
確かに、ものすごく曲がって駐車してる。
でも、ちゃんとロットの中に納まってるから、勘弁して~。

メールを送ってきてくれた人の奥様は近鉄・奈良駅すぐそばにご実家があるにもかかわらず、『鹿男あをによし』を未読ということなので、店内でお薦めしておいた。
この本、「2007年度 alm-ore お薦め本ベスト10」で堂々の一位だし。
今、ドラマをやっているおかげで、本屋にたくさん置いてあるし。

こんな感じで、本屋で見つけたり、見つけられたりした日曜の夕方。

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