田代まさしが収監された黒羽刑務所

覚せい剤所持で逮捕・投獄され、今年6月に出所した田代まさしのインタビュー記事があった。

田代まさし「獄中で見た景色、あのころの家族の夢」 : 日刊サイゾー

平日は朝6時半に起床して、朝食後に工場へ出かけて作業をしていました。僕が入った工場は、障害者や老人や政治家などが入るような所だったんです。どうやら、目立たないように、と気を使ってもらえたらしくて。でも、障害者が多かったので、仕事が単純作業で辛かった。紐を通したり、袋を折ったりを延々と繰り返すだけで、時間が過ぎるのが本当に遅く感じました。

障害者が多くて、政治家などが送られる工場というのは、元衆議院議員の山本譲司が派遣されたのと同じ工場ではないか。山本譲司は、秘書給与の不正な流用で実刑判決を受け、控訴することなく刑に服した元民主党議員。彼が障害者向け工場で働いた様子と、そこで目の当たりにした障害者の境遇については『獄窓記』に詳しく記されている。
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本屋で見つけたもの、見つけられたもの

ほとんど誰からも省みられていないことを知っているが、昨年の12月に「2007年度 alm-ore お薦め本ベスト10」という記事を書いた。

そこで、3位に取り上げている『獄窓記』(山本譲司)が文庫になって販売されているのを本屋の棚を眺めていて知った。
文庫化に当たっての著者のあとがきと、精神医学者のなんとかさんの解説が付いたようだ。

なお、前回の紹介文はこんな感じ。

元衆議院議員の著者は、秘書給与の不正利用によって起訴され実刑判決を受ける。つまり、刑務所に入れられた。
腹黒い政治家なら、自分の罪の弁解するために本を書いたりテレビに出たり、講演会をしたりするかもしれない。しかし、山本氏は自分の罪を潔く認め、しっかり反省の弁を述べている。実際、釈放後も選挙に出るでもなく、政治生命を自ら絶っている。そういう意味で、本書は色眼鏡で見る必要は一切無い。
しかし、本書は単なる懺悔書に終わっているわけではない。彼は刑務所の中で障害者ばかりが収容されている部署の担当を任される。その中で、「シャバではどこにも雇ってもらえない。刑務所でしか生活できない」と訴える人々の存在を知ることになる。この経験を元に、彼は福祉政策のためのボランティアとなっていく。
両方ハードカバーで重たいが、ぜひ続編の「累犯障害者」とセットで読みたい。

ハードカバーなのがネックだったのだが、今回の文庫化で安くなったし、持ち運びもラクチンになったのでますますお勧めです。

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