忘れてしまいたい事や
どうしようもない寂しさに
包まれた時に男は酒を飲むのでしょう
とある。
当方にももちろん、どうしようもない寂しさや忘れてしまいたい事があったり、なかったりするわけである。そういうモヤモヤした思いを抱えて、ならまち方面へ車を向けた。
なら工藝館という施設の正面に、ツタの絡まる古い建物があった。
そこは、ラクダのロゴが特徴的なTEN.TEN.CAFEという、地元ではちょっと名の知れたカフェらしい。
普通におしゃれでイイ感じの店であるのだが、それよりも、故・河島英五の細君が経営していることで有名。
もともとは、大阪ミナミにあったのだが、2003年の法善寺横町の火災事故の際に全焼。その時、すでに河島英五は亡くなっていた(2001年死去)が、彼が大好きだったというならまちに移転して現在に至るそうだ。
そんなわけで、この店の名物メニューが河島英五のヒット曲をもじった「酒と泪と男とぜんざい」。
店の入り口に提灯も出ている。
忘れてしまいたい事や寂しさがあった当方であるが、さすがに車で酒はヤバいので(しかも、昼間だし)、ぜんざいで平和に忘れてみることにした。
店内は1階(禁煙)に20脚のほか、2階席(喫煙)がある模様。すでにタバコをやめてしまった当方なので、2階席がどんな様子なのかはわからなかった。
1階では、初老の女性2人組みや、同じく初老の夫婦がのんびりとお茶をしていた。
いまどきの若い人たちは河島英五なんて知らんだろうし(僕だって、かなりあやふやだ)、それほどキャピキャピした雰囲気はなかった。ゆっくり落ち着くにはいい感じか。
大きく取られた明り取りのガラス窓からは、中庭も見える(このあたりの建物って、こういうつくりになってるところが多い)。
壁にはめられているラクダなどの墨絵は、河島英五が描いたものらしい。法善寺横町の店に飾られていたものだが、奇跡的に焼け残り、現在の店に運び込んだそうだ。
さて、いよいよ、忘れてしまいたい事を忘れるための「酒と泪と男とぜんざい」である。
番茶と塩昆布がついて、650円。ラクダの焼印の入ったモナカの皮みたいなヤツ(なんていうんだろう?)のしたには白玉が3つ隠されてた。
程よい甘さで、上品なぜんざいでした。
おかげさまで、何を忘れようとしていたのか忘れてしまったわけで、結果オーライなのである。
なお、車で行く場合、駐車場が非常にわかりにくく、少々距離があるので気をつけたほうがいい。
場所は、店から西に50mくらい行って、道路の反対側の月極め駐車場の1区画。
あと、ドラマ『鹿男あをによし』の出演者の何人かのサインが店に飾られてた。ここでロケも行われたとのこと。
【お店データ】
Webサイト: TEN.TEN.CAFE
住所: 奈良市脇戸町19
TEL/FAX: 0742-26-6770
営業時間: 11:30 – 18:00
定休日: 年中無休(不定休あり)
駐車場: 店から西に50m、道路の反対側。1台(コインパーキングもある)
「モナカの皮」ではなく、その皮みたいなやつのことをモナカと呼ぶのだと思う。
Wikipediaが正しいならば
>餅から作った皮で餡を包んだ和菓子の一種
がモナカであるようなので「モナカの皮」で合ってるように思いまっす
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%B8%AD
広辞苑にも同様の記述がありました。中身も含めて最中。う~ん、そうだったのか…。