連続テレビ小説「だんだん」 第8回

ここ数日、「深読みしたり、粗探ししたりせずに、純粋かつ単純にドラマを楽しめばいいのに」と自嘲しながらも、どうしても単純に楽しむことができないでいる当方が「だんだん」の8回目の放送を見ましたよ。

一度は歌を諦め、看護師になることを決意した松江のめぐみ(三倉茉奈)ですが、周囲の軽いジャブに揉まれ、少々気持ちがぐらついているところです。また、彼女の継母(鈴木砂羽)は、めぐみは一人っ子だと信じて生きてきました。事実を打ち明けていない父(吉田栄作)らとの間でのひと悶着を予感させる展開となっております。一方、京都の のぞみ(三倉佳奈)は自分だけがめぐみの連絡先を知っており、出生の秘密問題に関するイニシアチブを持っていることを自覚しています。そのせいなのか、もともとの才能が乏しいせいなのか、舞の稽古に身が入らず、師匠に叱責されたりします。

そして、連絡することを逡巡していたのぞみが、ついにめぐみに電話をかけます。しかし、(ドラマ的に)絶妙のタイミングで邪魔が入り、後でかけ直すことを約束します。

話の内容は何だろうと視聴者をドキドキさせて、次の放送に引っ張ります。
素直に考えれば
「いよいよ出生の秘密を打ち明けるのか?」
と思うところです。


ところが、そんな重要な話を切り出す人間にしては、のぞみの表情がニコニコと楽しそうだったのが気になりました。その話は彼女ら自身にとっては人生を揺るがす重要な事です。その割には、話の切り出し方に深刻さが見られないのです。
「コイツ、深刻な表情を芝居で表現できないのか?」
と、軽く三倉佳奈の演技力に不安を覚えたり、覚えなかったり。

しかし、ビデオでよく見直してみると、あえて浮ついた演技をしているように見えました。では、なぜそのような演技をする必要があったのでしょうか。シナリオの裏を読んでみましょう。

この後のぞみが電話をかけ直す時、出生の秘密には触れないのではないでしょうか。そもそも、そんなことを打ち明ける気がないとも考えられます。重い話をするつもりがないとするなら、あの演技も頷けます。

では、出生の秘密ではないとするなら、どんな用事で電話をかけたのかが問題になります。それは、のぞみが芸事に悩んでいることを相談するという内容ではないかと予想しています。今日の放送の中で、舞の稽古中にのぞみが激しく叱責されるシーンがありました。彼女は舞が苦手であるということもこれまでに語られており、悩み事の1つでした。そのことを「エンターティンメント仲間」であり、松江でストリート・ミュージシャンをやっているめぐみに相談するという筋書きではないかと予想するものであります。

つまり、視聴者には「いよいよ、出生の秘密を打ち明けるのか!?」と期待を持たせたのと裏腹に、明日の放送で肩透かしを食らわせる。それでもって話を引っ張ろうという魂胆があるのではないか。あとで “期待させておいてあんまりだ” と文句が出た時に、「電話をかけた時に比較的気軽な表情をしていたことで、登場人物の心情と整合性が取れる」と言い抜けることができるように、三倉佳奈のあの演技ではないか、と。

自分の予想が的を得ているかどうか、明日の放送が楽しみです。

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