『見仏記: ゴールデンガイド』 いとうせいこう・みうらじゅん

当方の見仏趣味を啓いてくれた、いとうせいこう・みうらじゅんの最新作『見仏記: ゴールデンガイド』が発売になった。
前作「見仏記: 海外篇」からは7年ぶりだそうだ。

2003年から1年間、web KADOKAWAに連載されていたものをまとめてある。いとうせいこうのあとがきによれば、連載末期にみうらじゅんがやる気をなくしてイラストが未完成のまま放置同然だったらしい。それを今回みうらじゅんがイラストを描く気を起こして、本書が完成したとのこと。

今回のテーマ「ゴールデンガイド」とは、

マニアックは不可、メジャーどころにしぼって紹介。

p.207

だそうだ。

確かにスタートは奈良で花がたくさんあって有名な長谷寺だったり、3話目では京都で一二を争う有名どころの清水寺に出かけたり、4話目では同じく京都で桜の有名な醍醐寺を紹介したりと、「ゴールデンガイド」に恥じないラインナップだった。
#ちなみに、ここに挙げたものは京都移住後一度も行ったことがないので、行きたいと思ってる。


ところが、どこかゆる~い雰囲気の みうらじゅん と いとうせいこう のやることなので、当初の「ゴールデンガイド」という目的はいつの間にか脇に追いやられ、むしろマイナーな寺や仏を集中的に巡りだす始末。
そういう意味では、看板に偽りあり。

しかし、今回取り上げられている仏像は、観光の手垢にまみれた仏ではなく、地域の信仰に根ざしたものだった。マイナーではあるけれど、地元では愛されている仏像を目の当たりにして、仏友のふたりが仏像への新しい接し方を徐々に見出していく過程は、それなりに読み応えがある。
最終的にメジャー巡りという目的は達成されなかったわけだが、新しい仏像の見方を提案しているという展では「ゴールデンガイド」という看板に恥じない内容ではないかと思う。

また、前作「海外篇」では、韓国~中国~インドと仏教伝来コースを逆流するという興味深く壮大な旅であった。しかし、その壮大さゆえに、「俺もちょっと行ってみよう」という気持ちを湧き立たせることは難しかったように感じた。さすがに、インドの山奥は行けね~よ。
それに比べると、今回は日本国内だし、奈良、京都、和歌山、兵庫、福島と、大都市圏から割りと行きやすい(新幹線や特急で1-2時間)地域なので、気軽に後追い旅行ができそうな感じが良かった。
#ただし、福島は鉄道の便があまりよくなくて、苦労しがちだといことも読んでいてわかった。
#そして、福島編は「戊辰戦争で負けた方の末路」という裏テーマがあって興味深かった。

そんなわけで、連休前に読んじゃったし、いくつか仏像めぐりをしたくなっちゃうね。

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