NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』第5回

正直なところ、「妖怪アニメさえ出なければ最高に面白いのになぁ」と思っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第5回めの放送を見ましたよ。

農家の息子との見合いを拒否し続けるユキエ(足立梨花)に業を煮やし、父(大杉漣)は独断でユキエの学校に乗り込み、校長に仕事を辞めさせると告げた。職を失えば、嫁に行くしかないだろうと考えたからだ。

ユキエはますます父への反抗を強め、家出を決意する。夜中に布美枝(佐藤未来)を自室に呼び出し、安来の叔母の所へ身を寄せ、父が態度を改めればすぐに帰ってくることを約束した。
そして、布美枝が寝床でユキエの身代わりとなり、朝まで時間稼ぎをするよう頼んで家を出た。

ユキエがおとなしくしているか見回りに来た父は、布団に入っている布美枝のことをユキエだと思って、娘の幸せを願っているという胸の内を明かす。農家へ嫁げば食料の心配はないし、ユキエは誰よりも自分の気性を受け継いでいるからどこへ行っても要領よくやれるだろうから幸せになれる、そう告げるのであった。

しかし、すぐに布美枝が身代わりを演じていることが露呈する。布美枝は自分が叱られたことよりも、父とユキエの仲直りが遠のいたことをますます思い悩むのであった。

数日後、布美枝の家の前に横山(石田法嗣)と名乗る若い軍人が現れる。彼は以前に布美枝と衝突し、割れてしまった卵を交換してくれた青年だった。話を聞くと、彼はユキエの見合い相手であり、なかなか見合いの日程が決まらないことに業を煮やし、食料物資を持参して懐柔しようというのであった。

布美枝は、見合いを諦めるよう懇願した。その甲斐あって、その日のうちに横山家から見合いの断りの連絡があった。
横山は布美枝の関与を秘密にしてくれていたようであるが、彼の優しそうな姿を思い出すと、少し心が痛むのであった。


次女・ユキエが軸となるストーリーが進展。
彼女が男関係の素行不良(以前に、裁縫の稽古と偽って逢引したり、盆踊りでも男に目配せしていたりした)でトラブルを起こすのかと思っていたら、父が強引にトラブルに巻き込むという展開に。僕に取っては意外であったが、いずれにせよ父娘の対立が激化し、板挟みとなる布美枝が困るという状況に持ち込んで、話はストンとはまった感じ。

初登場ではなぜか都合よく卵を持っていたキャラの横山も、実は布美枝の家に食料を届ける途中であったという説明がなされ、すこしアクロバチックではあるがきちんと繋がった感じはある。
太平洋戦争が激化し、国内の物資状況が悪化しているということは、数日前の放送から丹念に描かれている(ナレーションや記録映像による説明のほか、布美枝の家業がコロコロ変わっていく様子)ので自然だといえる。

さてさて、幼少期の経験はその後の主人公の生き方や価値観の礎となるというのが、この手のドラマの王道手法ではあるが。今回のヒロインに対して何がどのように影響を与えるという落しどころなのか。
父に感化されれば「女の幸せは、早く結婚して幸せな家庭を築く」という路線になるはずだが、布美枝はこの後29歳まで独身であることがわかっており、不整合だ。
ユキエに感化されれば「女が家に縛られる時代は終わった。自由に生きるべきだ」ということになるはずだが、これまた布美枝は29歳まで家にいたままであることがわかっている。

今週はあと1日。明日、どのようなオチが待っているのか楽しみである。

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