NHK『ゲゲゲの女房』第76回

 10日以上続いた水便がやっと収まって、ほっとした当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第76回めの放送を見ましたよ。

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「初めての里帰り」

 調布の村井家に、はるこ(南明奈)がパチンコ景品の缶詰を差し入れに来た。布美枝(松下奈緒)が帰省したと聞き、荒れるに任せた家の状態を見て、勝手に家事を始めてしまう。茂(向井理)は遠慮するが、仕事がはかどるので、つい任せてしまった。しばらくすると浦木(杉浦太陽)が様子を見に現れた。案の定、はるこが茂と親密になりそうなのを見つけ、立ち去るように説得する。その騒ぎに立腹した茂は、ふたり揃って追い出すのであった。

 安来の喫茶店では、布美枝が弟・貴司(星野源)からじっくりと話を聞いていた。恋人・満智子(長澤奈央)の家は裁縫機器の販売代理店を営んでいる。彼女は一人娘でもあり、婿養子をとって店を続けなければならない。貴司の父(大杉漣)は、すっかり自分に見合いをさせて、家業の酒屋を継がせる気になっている。彼女と父との間で板挟みになってしまっているのだった。

 ふたりが家に帰ると、父が妹・いずみ(朝倉えりか)を怒鳴りつけていた。彼女が内緒で東京の会社に就職活動をしていたことがバレてしまったのだ。父は、いずみを地元の小学校の先生にさせるつもりなのだ。自分の人生を親に決められることに反発するいずみ。
 立場上、貴司は仕方無しにいずみのことをたしなめる。彼が味方をしてくれなかったことでますます激昂したいずみは、みんなの前で貴司の秘密をばらしてしまった。家族の中にいくつものしこりが残った。

 夜、布美枝はいずみと向き合った。布美枝から見ると、彼女の東京への憧れは一時の気の迷いのようにも見える。東京の暮らしは必ずしも良いことばかりではないし、地元・安来の方がよっぽど良い所だと話す。それは理解するものの、いずみは若いうちに一度は東京を見てみたいのだ。そして何よりも、親に勝手に人生を決められることへの不満で渦巻いているのだった。

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 今週のトラブルは弟の恋人の件だけかと思いきや、妹も親に反発。週の後半になって、いろいろ盛りこんできますね。
 しかし、親に一方的に人生を決められて反抗するというのは、過去に姉・ユキエの時にも扱われたテーマ。「またかよ」と呆れる思いになるやら、「人のやることって変わらないんだね」と人生を達観するやら、「家父長権が強いという設定がぶれてない」と作りの細やかさに感心するやら、複雑な思いをもちました。

 ちなみに、親に人生のレールを敷かれたユキエ姉ちゃんも布美枝(多分、東京の暁子姉ちゃんもそうなんだろうな)も、ドラマの中ではその後うまくやっとりますよ。
 今回の2人のきょうだいも、「親の言いつけ通りですが、最終的には幸せになりました」というこれまでのパターンを踏襲するのか、「時代が変わり、個人の自由が尊重されるようになりました」と日本の家族形態の転換を描いていくのか、今後に注目です。

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