喜子役の荒井萌が駿台予備校の今年のキャンペーンガールだと知って、劇中の喜子も無事に高校卒業後の進路が決まればいいのにと思った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第145回めの放送を見ましたよ。
修平(風間杜夫)が死んでから一月が経った。直後はしょんぼりしていた絹代(竹下景子)だが、最近は元気を取り戻し、長男夫婦の所へ身を寄せ彼らを振り回しているようだ。
布美枝(松下奈緒)の両親からハガキが届いた。弔問のために調布へ出てくるつもりだという。布美枝の母(古手川祐子)は古風な女性で、生涯で安来を離れたことがほとんど無い。そんな彼女が旅行に出て、会いに来てくれるということで、布美枝も嬉しくなった。
藍子(青谷優衣)の元へ教員採用の合格通知が届いた。
有頂天で両親に報告する藍子であったが、茂(向井理)は目の前で心底がっかりと残念がるのだった。茂は、藍子を水木プロの職員にしたいと考えており、藍子が教員になることには猛反対なのだ。どうせ合格するはずがないとタカをくくっていたのだが、アテがはずれてしまった。
茂の気持ちがわかる布美枝も、思わず藍子の合格に困ったような顔をした。それが決め手となって、藍子は完全にいじけてしまった。後から帰宅した喜子(荒井萌)も意外だという声をあげた。家族の誰からも祝福してもらえず、藍子の怒りには拍車がかかった。
茂は、藍子を水木プロの跡取りにしたいのだ。現在のマネージャーの光男(永岡佑)は茂と2つしか年が変わらない。若い人材として藍子を活用したいと考えていた。
表向きはそういうことになっていたが、布美枝には茂の本音も分かっていた。茂は娘が離れていくのを寂しがっているのだ。いつまでも娘を手元に置いておきたいという男親の心境もあるのだ。
茂は、藍子に合格辞退させることを思いついた。そのことを布美枝に話しているところを藍子に聞かれてしまった。自分の人生を父に勝手に左右されそうになっていることに、藍子は猛反発した。茂は、常々「好きなことをして生きるのが一番」と言っているのに、どうして藍子がそうすることを許してくれないのだと、くってかかるのだった。
布美枝は、藍子が一人になったところを見計らい、取り成しに行った。茂の本心は藍子と離れたくないという事だと教え、時間をかけてゆっくりと平和に話し合うよう勧める。
しかし、藍子は聞く耳を持たない。昔から茂に夢を潰されてばかりだという。漫画家になりたいと言えば、地味な点描ばかりイジメのようにやらされた。アニメーターになりたいと言えば、アニメ会社が倒産した話を聞かされた。父に進路の相談はしたくないという。
それに、自分は父の元を離れたいのだと訴える。地元にいては、自分は常に「水木しげるの娘」と見られる。周りから特別視されるような生活は送りたくないのだという。「村井藍子」という独立した個人として生きてみたいのだという。それが、家を離れて教師として自立したい理由なのだ。
布美枝は、茂の気持ちも藍子の気持ちもよくわかった。それだけに、ますますどうしていいかわからなくなってしまった。
父が娘の進路に介入するという話は、布美枝の父(大杉漣)の十八番でした。まるで彼が茂に乗り移ったかのような展開。既視感満載。
ていうか、布美枝の両親が状況してくるという事なので、布美枝の父が藍子の進路問題について何か解決策をもたらすという展開なんだろうな、と想像できる。「あああ、あんなに頑固だった源兵衛さんが、そんなに立派なことを言うなんて!」と思わされるんだろうな、土曜日あたりに。