[alm-ore] AL-Mailユーザーだった俺の独り言

　学会関係で広島方面に来ています。宿は東広島市の西条。
　西条には日本酒の蔵元がたくさんあり、酒飲みには夢の街らしい（参考: 日本の西条酒）。僕は日本酒は全然わからないけれど、たとえば賀茂鶴という銘柄くらいは聞いたことがある。

　西条には、名物料理として「美酒鍋」というのがあるそうだ。
　美酒鍋と書いて「びしょなべ」と読む。元々は、蔵の働き手のまかない料理だったらしい。多様な肉・野菜を塩コショウだけで味付けしたシンプルな鍋。最大の特徴は、水やだし汁は一切使わないこと。そのかわりに、日本酒をドボドボ入れて、それで煮立てる。

　野菜がクタクタになるまでよく煮こんであり、酒に浸っているのに味はあさっりさっぱり。始めて食べるものですが、どこか懐かしい味がしました。
　蔵人の賄い食であることは先に書きましたが、彼らの舌がバカになって利酒に影響が出ないように、シンプルな味付けにしてあるそうです。それでも味わい深く、美味しく、スイスイと食べてしまいました。

　昨夜、21時に西条に到着。
　ホテルのフロントで「美酒鍋を食べたい」と相談したところ、即座に仏蘭西屋（ふらんすや）と、欅（けやき）を紹介されました。この2件は、事前に得ていた情報とピタリ一致しており、間違いがないな、と思いました。

　ただし、西条の夜は早かった。
　21時半頃、仏蘭西屋に向かったところ「ラストオーダーは21時」と言われて入店できなかった。即座に欅へ電話して確認すると、22時ラストオーダーなのでまだ間に合うと返事を得た。そこで、欅に向かった。

　欅は、旧・山陽道沿いにあった。西条駅から徒歩5分ほど。西条駅から出て、東横インの横を奥に進むと飲み屋の並ぶ、自動車1台分くらいの細い道がある。そこが旧・山陽道。その道を西にしばらく歩く（駅から見れば右）と、道の右手に欅はある。
　途中、ピンクっぽいお店があったり、客引きが経っていたりするので、ちょっと緊張するルート。

　欅の店の人は気さくで親切だった。美酒鍋は店の人が目の前で作ってくれるのだが、作りながらいろいろ説明してくれた。
　最初に、豚肉（たぶん、バラ肉）と鳥の砂ずりスライス、鶏肉、ニンニクスライスを鉄鍋で炒める。それらに火が通ったら、各種野菜を投入。ネギ、ニンジン、白菜、玉ねぎ、コンニャク、豆腐があっただろうか。具をいれるたびに、都度、塩コショウで味付け。
　全体がシナシナになってきたら、いよいよ日本酒投入。この店では、白牡丹を使うことになっているそうだ（2人前で250mlくらい投入していた）。おちょこ3杯分くらい残った分は、僕らに飲ませてくれた。

　僕は腹ペコで出かけたので、2人前のうち約1.5人分をバクバク食べた。残りの0.5人分は、事前に広島風お好み焼きを腹いっぱい食べた女の子2人が食べた。彼女らは、お腹がいっぱいだと言いながらも、美酒鍋は別腹っつーか、その美味しさに手が止まらないっつーか、「えー、もう食べれませんよー」と言っていたわりには、よく食べていた。そんくらい美味い。

　ちなみに、女の子2人にはホテルに着いた時点で電話をかけ、食事は済ませたと言っていたが、呑むのに付き合ってよと言って、強引に連れ出した。店に向かう途中、某おっさんから電話がかかってきて、呑みに誘われたのだけれど、
　「えー、僕はこれから女の子ふたりと美酒鍋食べにいくんですよー」
と断った。
　すると彼は、
　「ふーん、そう・・・。木公くんは、僕よりも女の子2人を選ぶ・・・と。よーくわかった。じゃ。」
と言って、電話を切った。
　アンタは既婚だからいいかもしんないけれど、俺は独身なんだよ。婚活くらいさせろよ、と心の中で毒づいたことをここに報告しておく。
　ただし、女の子2人はどちらも可愛かったので、どちらかを選べと言われたら甲乙つけがたく、迷いに迷った末、板挟みの心痛で死んでしまうよ、ぼかぁ。

　そして、びじょと一緒に食べるびしょなべはとても美味しかったので、おっさんを断って本当に良かったと思う。
　新幹線の止まる、いわゆる「広島駅」からは電車で約30分。広島に来たら、西条まで足を伸ばしても損はないと思う。

【欅】
住所: 広島県東広島市西条岡町1-16
Tel: TEL 082-421-3005
営業時間: 17:00-23:00 (ラストオーダー 22:00)
定休日: 日曜日
客席: 座卓15人、カウンター6人ほど

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