NHKオンデマンドで『ちりとてちん』の配信が始まり、同ドラマで取り上げられた落語を一流の噺家がやっている映像も一緒にリストされていると知った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第148回めの放送を見ましたよ。
夕食後、怒りの収まらない藍子(青谷優衣)は部屋に閉じこもってしまった。
喜子(荒井萌)によれば、藍子の頑固なところや物事に一生懸命打ち込むところは、茂(向井理)にそっくりだという。特に、夜遅くまで机に向かう背中の様子が父の生き写しだという。藍子が陰ながら努力していることは、布美枝(松下奈緒)もきちんと把握していなかった。どうして彼女に目を向けて、頑張りを褒めてやれなかったのだろうと、反省するのだった。
布美枝の母・ミヤコ(古手川祐子)は、絹代(竹下景子)の部屋で茶を飲んでいた。絹代は、修平(風間杜夫)が居なくなった寂しさをとつとつと話した。心臓の悪い自分の方が先に死ぬと思い、修平に口うるさく家事を仕込んだ。好きな芝居や映画の時間を制限してやらせたのに、皮肉な結果になったことを後悔している。
そして何よりも絹代に取って予想外だったことは、親が勝手に決めた結婚相手であり、赤の他人であったはずの修平への愛着だという。血を分けた息子や孫でさえ、自分の空虚さを埋めることはできないと言って、涙を流すのだった。
藍子を怒らせた張本人である茂(向井理)と源兵衛(大杉漣)は、居間で碁を打っていた。古いふたりの約束が、ついに果たされたのだ。
楽しく興じながらも、ふたりは藍子への対処を碁の戦術になぞらえている。たとえば、良いと思って打った手が裏目に出ることもあるのだ、といった具合に。
碁のルールは何もわからないミヤコがそばにやってきて、碁に口出しをした。源兵衛が悪手を打って待ったをかけた瞬間に、無理に押すととうまく行くはずのものも失敗してしまう、と告げるのだった。茂と源兵衛はその一言にはっとさせられるのだった。藍子のことは無理強いするのではなく、もう少し様子をみるということになった。
翌日、源兵衛らが安来に帰る直前、茂以外の家族とともに深大寺へ出かけた。
ミヤコは、藍子に虎の話をした。言い伝えによると、虎は自分の子供の為に1日に千里の道を往復するという。源兵衛もその虎のように、娘たちのことを心配していると説明した。布美枝や長女・暁子(飯沼千恵子)に会いたいと思っても、虎のようには長い道を行き来することができない。だから、遠くはなれていても安心できるように、立派な夫を見つけてやったのだ。そして、その目論見はうまくいって、布美枝も暁子も不自由なく幸せに暮らしている。
きっと茂も同じ気持なのだろう、とミヤコは付け足した。意地を張って謝ることのできない源兵衛に代わって、ミヤコが藍子に謝った。
藍子は、前夜のミヤコの一言のことも喜子から聞いていた。さらに今日のミヤコの言葉もあって、完全に元の明るさを取り戻した。源兵衛に対する怒りもすっかり消え、また遊びに来て欲しいと言って、安来に送り出すのだった。
藍子と喜子は、ミヤコの控えめな人心掌握術にすっかり感心してしまった。そして、その性格は布美枝にも引き継がれていると言って、ふたりで母のことを褒めたり、からかったりするのだった。
昭和60年4月。
藍子は念願の教師になることができた。3年生のクラス担任で、熱意を持って楽しく仕事に打ち込んでいる。幸いにして、赴任校は実家から通える場所であり、全てが丸く収まっていた。
喜子は短大1年生になった。彼女は短大に進学したものの、自分が本当にやりたいことをまだ見つけられずにいた。
藍子の件は、源兵衛が何かを悟って解決に導くと予想していたのですが、完全に外れ。ダークホース・ミヤコの存在を僕は完全に無視していました。不覚。
茂と布美枝の両親は、ミヤコを除いて全員濃いキャラであり、どうしてもミヤコの影が薄くなりがちだったのですが、ここに来てオイシイところをちゃんと持って行きましたね。
映画『細雪』(原作: 谷崎潤一郎、監督: 市川崑、1983年)では、自由奔放でトラブルメーカーの四女を演じ、萌え萌えな入浴シーンもあったりして(肩から上しか写っていないが、細身の身体に似つかわしくない、意外に豊満そうなバストが凄かったです)僕のハートをがっちりキャッチしていた古手川祐子ですが、再びがっしりと心を鷲掴みにされました。
今日って本当に147回?
ご指摘ありがとうございます。正しくは148回目でした。修正しました。
「いつか、やるだろうなぁ」と思いつつ、これまではミスなくやってきたのに、残り8回でこれは痛恨!