昨日、平宗の柿の葉寿司の海老を食べたせいか、ものすごく元気なアレで目の覚めた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第149回めの放送を見ましたよ。
プロダクションのマネージメントを一手に引き受けている光男(永岡佑)がぎっくり腰で出社できなくなった。締め切り直前で、編集者との打ち合わせや取材など、その日は忙しく茂(向井理)らは困ってしまった。布美枝(松下奈緒)も町内会の清掃活動に出かけなければならず、手伝うことができない。
そこで、喜子(荒井萌)が短大を休んで手伝いをすると言い出した。
しかし、喜子は失敗ばかりだった。電話の応対の言葉遣いが幼稚、茶をこぼして打ち合わせ資料を台無しにする、菅井(柄本佑)に急に声をかけて手元を狂わせる、画材の購入数を間違える、など。
簡単な仕事もできず、自分には一つもいいところがないと喜子は激しく落ち込んでしまった。
そんな喜子を、布美枝と絹代(竹下景子)は慰めてやった。絹代は喜子の良い所として、人を押しのけない優しさのある点と、自分を飾らない自然体である点とをあげた。半分は方便であることを見抜きつつも、喜子は随分と気分が晴れた。
その時、茂がやって来た。茂は古い怪奇短編を再版する予定なのだが、そのリストを見た喜子が勝手に収録作品案を作った。それがよくできていたと言って、茂は喜子を褒めた。茂がすっかり忘れていた作品を喜子が追加したのだ。茂の作品を知り尽くした喜子のことを、茂は心の底から頼もしいと思っているのだ。
茂が人を褒めることは珍しく、喜子はそのおかげで持ち前の明るさをすっかり取り戻した。
藍子(青谷優衣)は夜遅くまでかかって、学級通信を準備していた。教員生活が楽しく、家での残業もまったく苦ではなかった。学級通信には「エースくん」というコーナーがあり、勉強やスポーツで目立たない子の良い点を取り上げて紹介している。取り上げられた子供はクラスの中で友達ができるなど、うまくいっていると言う。
早く教員を辞めてくれれば良いと思っている茂は少々面白くない様子を示したが、布美枝は仕事に一生懸命取り組む藍子のことを頼もしく思い、娘の成長を嬉しく思うのだった。
しかし、5月の終り頃から藍子の様子がおかしくなった。元気なく出勤する姿を布美枝は何度か見かけるようになった。
そして、6月半ばの雨の日。藍子は傘もささずにびしょ濡れで帰って来た。玄関で出迎える布美枝の前で、藍子は泣き崩れてしまった。
話を聞いてみると、学級通信の「エースくん」が問題になっているという。子供たちは紹介されるように頑張るのだが、誰を載せるかは藍子の一存である。それが子供たちに不公平感を抱かせてしまった。もっとひどいことには、「エースくん」に取り上げられた子供が藍子からえこ贔屓されているという理由で仲間はずれになってしまった。
藍子が良かれと思ってやったことが、仇となったかたちである。子供たちばかりではなく、親たちからも新米教師の軽率な行動だと槍玉に挙げられているという。同僚の教員たちからも冷ややかに応じられてしまい、孤立無援になってしまっているという。
布美枝は、藍子のトラブルを茂に全て報告した。
今日は、コントラストが見事な回。
竹下景子の小ささよ。年をとってヨボヨボになった絹代が、とても小さい。共演の松下奈緒や荒井萌が比較的大柄というせいもあるだろうが、彼女らに挟まれた絹代が本当に小さい。ヨボヨボばぁさんの見た目が完全に再現されている。女優ってスゲェと思った。
そして、そんな小さなばあさんが、孫を勇気づける大きな言葉を投げかけるというコントラストが良かった。
そして、何よりも、放送前半のドタバタぶりと後半のシリアスさとのコントラスト。
放送開始直後は、今日は本当にダメだと思った。コントさながらの喜子の失敗シーンの連続で、単なる賑やかしの回かと思った。頭空っぽにして、笑う分にはいいんだけれど。
藍子が有頂天になっているのも、物事がうまく行き過ぎるなんて、単純なシナリオだなぁと思っていた。
ところが、後半になって、いきなり藍子の転落。びしょびしょになって帰ってくるシーンに、おっさんの当方も胸がキュンと苦しくなってしまいました。
前半のアゲアゲ展開との落差に、本当にやられた。油断して弛緩して見ていたところに、いきなり強調感あるシーンが持ってこられるので、思っくそ感情が掻き立てられる。
ほんと、やられた。