NHK『おひさま』第59回

JR奈良駅前のスクランブル交差点を尾崎豊になったつもりで見おろしていた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第59回目の放送を見ましたよ。

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第10週「今日だけの花嫁」

陽子(井上真央)の新生活の1日目、そしてまた、和成(高良健吾)が出征した日の夜。

徳子(樋口可南子)は、自分と陽子は良い組み合わせなのだという。徳子は娘を亡くした母親であり、陽子は母親を亡くした娘である。それぞれが失ったものを補いあう、良い関係なのだというのだ。
徳子は、陽子のことを実の娘のように扱うと宣告した。娘に対しては遠慮も気遣いもしないし、怒ることもあれば、八つ当たりすることもあるだろうと予告した。陽子の方も、新しい生活、新しい母子関係にワクワクしており、それを喜ぶのだった。

突如、空襲警戒警報が鳴った。
安曇野では経験したことのなかった陽子は、慌てふためいてしまった。大事なものを持って避難しろと言われたものの、何を持ち出せばいいかわからなくなってしまった。

やっとの思いで防空壕に逃げ込むが、恐ろしさのあまり、陽子は震えていた。
しかし、周囲の様子を眺めていると、陽子の緊張感とは対照的に、呑気で日常的な風景が広がっていた。近所の人々は、自分が持ち出してきたものを冗談めかしながら互いに披露していた。砂糖、そば粉、酒、位牌、へそくり・・・。

やっと陽子が説明してもらったところによると、これは訓練なのだという。近所の隣組では、「警戒」警報が発令されたときは、避難訓練をすることに決めていたのだ。だから今夜も訓練だったのだ。

陽子がほっと安堵していると、いい機会だからと、近所に紹介された。かわいい嫁だと言って、みんなからちやほやされた。陽子も悪い気がしなかった。

みんなの視線は、陽子が持って逃げてきた品物に集まった。それは、一部の欠けた、みすぼらしい茶碗だった。人々は、陽子がよっぽど慌てて無意味なものを持って逃げたのだろうと笑うのだった。

陽子も笑ってごまかしていたが、それはとても大切な茶碗だった。というのも、祝言の夜に一度だけ和成と一緒に茶を飲んだ時、彼が使っていた愛用の茶碗だったのだ。部屋では和成の肖像写真の横に置かれており、陽子にとっては大切な和成の象徴だったのだ。

翌朝、陽子の日常が再開した。

義理の父(串田和美)は、とても美味しい弁当を持たせてくれた。実の娘のように扱われ、それはそれは嬉しかった。

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その他、プチエピソードとして、近所のケチなおばさん(吉村実子)に「かわいい嫁だ」などと言われていい気になっている間に配給の物資を誤魔化されて減らされるという話などがあった。

陽子は相手に対して怒るでもなく、以後は注意深く手元を凝視して、誤魔化されないように気をつけるようになったというお話。
たったそれだけの1分くらいのエピソード。

だからどうした、と突っ込まざるをえない内容。
「私はもうダマされないわよ!」みたいなドヤ顔で相手を見返すというだけの展開。
なにか心温まるようなやり取りがあって、相手のオバサンが改心し、以後は全ての人に対して公正になったなどというエピソードでもあれば良かったものの、「単に陽子は注意深くなりました」だけではクソつまらんだろーよ。

しっかりしろよ、おい。

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