本日めでたくも、連載回数が『おひさま』の64回を超える当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第65回目の放送を見ましたよ。
糸子(尾野真千子)が幼い時から慕っていた泰蔵(須賀貴匡)が出征することになった。彼の一家とは、糸子が引き起こしたトラブルで絶交状態だったが、八重子(田丸麻紀)を介して和解し、糸子も出征の見送りに行くことになった。
泰蔵のことをよく知る善作(小林薫)も見送りに行くことになった。
善作は周囲が止めるのも聞かず、杖をついて自分の足で歩いて行くことにした。若者達が戦地で命がけで戦っている時に、自分だけが手厚く世話されているのをよしと思わないのだ。自分の不注意で大やけどを負ったことも恥ずかしく、ますますけが人面したくないのだった。
泰蔵の壮行会は簡素に行われた。泰蔵の母・玉枝(濱田マリ)と弟・勘助(尾上寛之)は、調子が良くないのか、最後まで姿を表さなかった。4年前に勘助を送り出すときにはあれほど派手だったのに、今では出征の見送りは重苦しい雰囲気である。
糸子は、奈津(栗山千明)の来ているのに気づいた。奈津は物陰からそっと見守り、涙を流していた。糸子には、夫を送り出す八重子の気持ちがわかるのと同様、初恋の人が戦地に向かう奈津の気持ちもよくわかるのだった。
泰蔵の去り際、善作が率先して万歳を唱えた。
しかし、泰蔵の姿が見えなくなると、善作は突然倒れてしまった。無理な外出が体に障ったのだ。木之元(甲本雅裕)に背負われて帰宅し、以前にもまして体調が悪くなった。回復の兆しが見えていたのに、寝床から出ることができなくなってしまった。
あまりに状態が悪いため、リヤカーで運んで医者(江口直彌)に診せた。すると、体の抵抗力が落ちたせいで皮膚の感染症にかかっていることが分かった。岸和田の病院では手の施しようがなく、一番近くても心斎橋まで行かなくては専門医がいないという。
心斎橋に善作を連れていくのは容易ではなく、その日は家に帰ってきた。
糸子は、すっかり小さくなってしまった善作を見て寂しくなった。自分がしっかりと世話をして、以前のように元気で、周囲に怒鳴り散らしていた善作を取り戻そうと決意するのだった。
しかし、看病、育児、家事、商売の全てを完璧にこなすことは、糸子の能力を超えていた。周りにあれこれと指示を出しても、必ずしもうまくいくとは限らなかった。糸子は頭を抱えた。
そんな時、八重子が訪ねてきてくれた。
彼女は、以前作った女性ファッションのスクラップブックを持参していた。それは、糸子が心斎橋百貨店の制服を作った頃に、よく参考にしていたスクラップブックだった。
ふたりは、懐かしく思いながらそれを眺めた。そして、日本にもこのように華やかな洋服を着ていた時代があったのに、今ではまるで別の国のようだと寂しく思うのだった。
泰蔵の旅立ちに関して、周囲の人々の感情を交えてみっしりと描くのかと思ったら、意外にあっさりした内容で肩透かし。奈津もちらっと出てきて、一人で泣いてるだけで、特に重要な絡みはありませんでした。あのくだりが、どういう位置づけになるのかよーわからん。単に、奈津の初恋に落とし前を付けただけって感じです。
泰蔵の出征があっさりとした印象なのは、やはり善作がぶっ倒れたからですね。
体が弱っているせいで、疥癬という皮膚病にかかったそうです。wikipediaで調べると、ダニの寄生が原因だそうです。医者からは心斎橋の専門医でしっかり直せと言われますが、リアカーでないと運べないような状態の善作なので、そう簡単には通えそうにないです。とりあえず、寝間着や寝具の消毒をしっかり行うという対策がとられることになりました。
とにかく、何もかもが上手く行かなくなっているという展開で、いろいろ不穏です。