NHK『カーネーション』第81回

公式サイトの人物相関図(第15週から第17週)の「松田恵(六角精児)」の説明文に中村春太郎(小泉孝太郎)のことが書かれているのを見つけ、思わず小躍りした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第81回目の放送を見ましたよ。

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第15週「愛する力」

1946年(昭和21年)3月。糸子(尾野真千子)は33歳になっていた。

長らく休刊していた婦人ファッション雑誌が復刊した。アメリカの最先端のファッションが大きく取り上げられていた。かつての敵国だったアメリカが、今では人々の憧れの的になっているのだ。
闇市でもアメリカからの輸入品は大人気だった。

糸子は闇市で素敵な生地を見つけた。青地に大きな白水玉のプリントされた布地だった。糸子は早速それを買い求め、新規入荷分を全て買い取る約束を取り付けた。

糸子は親友のサエ(黒谷友香)を呼び出して、その生地を見せた。二人はその生地に新しい時代の到来を実感し、興奮した。このような大胆な模様の洋服を着て街を歩いたら、きっと自分が生まれ変わったような気分になるだろうと、嬉しそうに話し合った。

糸子は、その生地を使った記念すべき1着目はサエのために誂えてやりたいと思った。戦争で傷ついたサエの心が、洋服1着で晴れるのなら、そんなに嬉しいことはないと思うのだ。
はたして、思った通りの斬新で素敵なワンピースが完成した。

完成したワンピースを見た静子(柳生みゆ)は、思いつめた表情で糸子に相談を持ちかけた。完成したワンピースを1日だけ着させて欲しいというのだ。
30歳になる静子には、出征した恋人がいた。彼が生きて帰ってきたら結婚する約束をしていたのだという。その恋人が、今日、岸和田に帰ってくるという連絡が入ったのだ。静子はきれいに着飾って恋人を迎えたいと打ち明けたのだった。

静子に恋人がいたなどということは、糸子にとって寝耳に水だった。静子が黙っていた理由は、糸子が勝(駿河太郎)と死別したことに遠慮してのことだという。
糸子は自分のことなど何も気にしなかった。むしろ、妹の慶事を喜んだ。すぐにワンピースを貸してやることを決めた。急いで寸法を直したため必ずしも静子の体に合っていたわけではないが、それを来た静子はこれまでで一番きれいに見えた。

静子の恋人(濱口秀二)は、まっすぐに小原家にやってきた。道で待っていた静子は、彼の姿を見るや、胸に飛び込んだ。ふたりは、家族や近所の人が見ているのも気にせず、道の真中でひしと抱き合った。
人目もはばからず抱き合うふたりは、男女関係における新しい時代を感じさせるものであった。

その後、糸子の作る水玉のワンピースは大人気となった。客は殺到するものの、生地の入荷が遅れた。そのため、客は3週間ほど待たねばならなかった。それでも、ワンピースは飛ぶように売れた。

それから2ヶ月ほど経った5月。静子が結婚することになった。
静子は、糸子の結婚式で糸子が家に忘れて行ったために着れなかった、あの花嫁衣裳を着た。
家族全員に見送られて家を出るのだが、体を悪くしたハル(正司照枝)だけは寝床から出ることができなかった。静子は、ハルの枕元でこれまで育ててもらった礼を述べた。ハルは寝ながらも、静子のことを口も達者に祝福した。

表に出た静子は、自分の生まれ育った家を振り返った。いつまでも悲しそうな表情で、立ち去りがたかった。糸子に助けられて、ハルが二階の寝室から顔を出した。その様子を見ると、静子はますます去ることができなくなった。

糸子は、自分の結婚式で大遅刻したことを引き合いに出し、花婿を待たせない様に早く行けと急かした。その時のハルの怒りようはなかったと言うのだ。その冗談に一同は湧いた。それをきっかけに静子も満面の笑顔を浮かべ、式場へ向かった。

ひと月後の6月11日、ハルは息を引き取った。

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笑わせた後、にわかに悲しい話を入れるのはズルいってば!

静子に遅刻すなと言って笑わせた直後、ハルの死去が告げられるなんて悲しすぎるだろ。今さっきまで笑ってた反動で、涙がボロボロ出て止まらなくなるんだってば!!
幸せそうに見送るハルの背中を映しつつ、尾野真千子の湿っぽいナレーションで死去の事実だけを淡々と告げるという演出もヤバイ。泣ける。

そしてまた、正司照枝の芝居がうまかった。3ヶ月前の放送開始時は髪が黒々として元気なおばあちゃんだった。それが、今日の放送では、髪の毛が真っ白でしゃべるのもしんどそうだった。その演じ分けが良かったなぁ。

あと、ハルの退場も衝撃だったが、静子がすでに30歳というのも軽い衝撃でしたね。

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