NHK『カーネーション』第90回

昨日のまとめ記事において、二日目に周防に会った糸子の顔が赤くなっていたことについて、本ブログでは「周防に会って上気した」旨を書きましたが、実際には「糸子は正気を取り戻すため、自分で自分の頬を叩いた。そのために赤くなった」が正しいようです、とお詫びして訂正する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第90回目の放送を見ましたよ。

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第16週「揺れる心」

周防(綾野剛)が、糸子(尾野真千子)に会えると思って工場監督の仕事を引き受けたと言った。仕事の帰り道、糸子は放心状態で帰宅した。
家に入る前、井戸で水の水で顔を洗った。そして、周防は女としての糸子に会いたかったわけではない、職人として認めてくれているだけだと自分に言い聞かせ、自らを落ち着かせた。

次に工場へ出向いた時、糸子はドアの前で何度も自分の頬を叩いた。そうやって周防への思いを追い出し、自分を落ち着かせようとしたのだ。工場でその音に気づいた周防がドアを開けた。変なところを見られてしまった糸子は、その場を取り繕った。

工場に入ると周防が試作品を完成させていた。
同色のブラウスとスカートを合わせて着るとワンピースのように見えるデザインであった。同じ型の色違いのスカートを合わせてもお洒落に見える。できの良さに糸子は大喜びした。スカートに大量に付けられたギャザーも今風で決まっていた。
ただし、問題はギャザーや丈の長さを確保するために大量の生地を必要とすることだった。

遅れてやって来た北村(ほっしゃん。)は、やはり生地の使用料に文句を言った。予定価格に対して原価が高すぎるというのだ。このままではほとんど儲けが出ない。かと言って、価格を上げれば売れなくなってしまって元も子もない。
北村は、ギャザーを減らして、丈も短くすることを強硬に指示した。

糸子は猛烈に反発した。今の流行は丈が長くてギャザーの多いものである。そのデザインを否定してしまったら、どんなに安くても売れるはずがないというのだ。それに、開店直後は大いに無理をして客に奉仕し、良い店だと評判を打ち立てることが重要だと主張した。
糸子と北村は完全に対立し、睨み合った。

埒があかないと思った糸子は北村の襟首を掴み、オハラ洋裁店に引きずっていった。店の一日を見学させて、婦人服商売について勉強しろというのだ。

店での糸子は、客のことを第一に考えていた。
太っているのが目立つのでベルトの無い洋服が欲しいと言っている客には、太いベルトを使えばかえって腰回りの太さが目立たなくなると提案し、客を納得させていた。逆に痩せている客が、以前に作った洋服を着ると貧相に見えると相談に来た。彼女にはすぐに洋服を持ってくることを指示し、胸のボリュームが増すように手直しすることを約束した。
その日は、サエ(黒谷友香)も新しい洋服を作りに来た。彼女は生地代がいくらかかってもよいから、ギャザーのたっぷりはいったフワリとしたスカートが欲しいと騒ぎ立てた。糸子は、その様子を北村にこれ見よがしに見せつけた。

そうして、1日が終わった。
糸子は北村に感想を尋ねるが、彼の答えは糸子をがっかりさせるものだった。北村は、女はアホだ、中身が不細工なのを棚にあげて、洋服にばかり文句を言う、女相手の商売がバカバカしくなったなどとまくし立てた。糸子は呆れてものが言えなくなり、北村に協力する気も失せた。

その時、夕食の準備ができたと言って千代(麻生祐未)が声をかけた。北村にも食事を食べさせるつもりで準備をしたという。糸子と関係の悪くなった北村は一刻も早く家に帰りたかった。糸子も北村を追い返したかった。
しかし、千代と昌子(玄覺悠子)が強引に北村を食卓に座らせた。

あんなに嫌がっていた北村であったが、酒が入ると上機嫌になった。糸子は相変わらずむっつりしているが、他の女たちと北村はすっかり打ち解けてしまった。
千代も北村の飲みっぷりを気に入った。善作(小林薫)が酒飲みだったことを思い出し、男が家で酒を飲んでくれるのが嬉しいと言うのだった。

そして千代は、驚くべきことを言い出した。
独身の北村に対して、糸子との再婚を考えてはくれまいかと言うのだ。さすがに糸子も北村も異口同音にそれを否定した。話はそこまでになったが、千代は残念がった。

それでも北村は気を悪くすることがなかった。むしろ、ますます愉快に饒舌になるのだった。
北村の育った家は、父と男兄弟6人で女は一人もいなかったという。糸子の家は女ばかりで、北村にしてみれば異国のようで楽しいという。そして、酔っ払った北村は、家に女がいるのは良いものだといって涙ぐむのだった。

翌朝、北村は気づくと糸子の店で雑魚寝していた。
台所からは女たちが朝食の準備をしている音が聞こえてきた。ただし、北村を起こさないようにと、気を使っている様子がわかった。幸せな朝の音を心地よく聞きながら、北村はいつまでも寝たふりをしていた。

そして、ふたりはそろって工場に出かけた。
二日酔いで調子が悪い北村は、女も洋服もわからない。全てを糸子に任せると小さな声で言った。それだけ言うと、すぐに帰ってしまった。

突然しおらしくなった北村を見て、周防は不思議がった。
糸子は、千代が北村の毒気を抜いたとだけ説明した。周防はますます訳がわからなかった。

* * *

小原家の朝っていいなぁ。

酔いつぶれて店で眠ってしまい、物音で目が覚める人は3人目ですね。
最初は善作。呉服屋を閉めることを決めて、近所の連中と宴会。そのよく朝のことでした。
次が糸子。組合の会合に初めて出席して酔いつぶれ、周防に背負われて帰ってきた翌朝。
そして今回、北村。

全て、ほぼ同じポーズで、同じような構図、演出だったのが意味深。
周防じゃなくて、北村がそこに寝ていたのが意味深。
千代のからみも意味深。
まさかの、糸子、周防、北村の三角関係フラグでしょうか?

それから、もう一つの見所。
本文からは割愛しましたが、娘3人が糸子の帰りを待っています。糸子が帰宅するやいなや、3人揃って床に手をつき、頭を下げながらピアノを買って欲しいと頼み込みます。
その姿を見た糸子は自分の娘時代を思い出します。学校を辞めて、パッチ屋で働くことを同じように善作に願い出たのでした(第10回)。
そんな自分を思い出しつつも、娘の願いを即座に拒絶する糸子。笑った。

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