NHK『カーネーション』第136回

今日はアノ日だから、みんなで山親爺のCMソングを歌おう!と呼びかける当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第136回目の放送を見ましたよ。

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第24週「宣言」

糸子(夏木マリ)は逡巡していた。
糸子はベッドに寝ながらも、デザイン画を描く仕事だけは続けていた。しかし、自分のブランドを立ち上げることを考え始めると、途端に仕事が手につかなくなった。
「攻撃は最大の防御」という、河瀬(川岡大次郎)の言葉を反芻し、ついに糸子は一歩を踏み出す事を決意した。自分のブランドを立ち上げることにした。すぐに、河瀬ら関係者を家に呼び寄せ、計画を練り始めた。

糸子の一存で、ブランド発表の日は半年後の7月20日と決めた。準備期間が異例の短さである上、糸子の怪我もあるので周囲は驚く。けれども、糸子は自信満々だった。のんびりしていても始まらないので、早急に集中して行ないたいと言うのだ。娘たちのブランド設立の手伝いもしたことがあるので勝手がわかるし、怪我だって仕事さえしていればむしろ早く治ると豪語した。それで計画は本格的に動き始めた。

その話を聞きつけた優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)が岸和田に揃って駆けつけた。ふたりは、糸子がブランドを作るという話に猛反対した。曰く、プレタポルテは一度始めると休むことなく続けなくてはならない、糸子の年齢では負担が大きすぎる、先日は引退を勧めたのになぜ反対のことをするのか、などなど。

もちろん、言い出したら聞かない糸子である。
糸子もどれだけ大変かは理解しているという。しかし、ブランドを作ると決まってから、ヒヤヒヤしたりソワソワしており、そんな状況が面白くて仕方がないというのだ。寝る間も惜しいほど仕事に熱中するのは長らく忘れていた気持ちだ。元気が沸き起こり、生きている実感を得ると言うのだ。
それ以上反論できなくなったふたりの娘を見て、糸子は高笑いした。

東京への帰りがけ、優子が里香(小島藤子)に声をかけた。優子は、里香が糸子のそばにいて、世話をしていることを大いにねぎらった。一方で、優子が高校へも行かずに岸和田に居続けることが心配だとも話した。今は糸子の怪我もあるので仕方ないが、糸子もきっと里香が今のような生活を続けることは望んでいないだろうと諭した。
里香は口をつぐんだままだったが、糸子と優子から同じ事を言われたことに揺れていた。

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放送の冒頭で、自分のブランドを始めるかどうか悩む糸子の姿が描かれました。
昔なら、安岡のおばちゃん(濱田マリ)や八重子(田丸麻紀)の元へ駆けて行って相談したことでしょう。しかし、今や、糸子が頼りにする人々は皆死んでしまっているのです。全てを自分で決断しなくてはなりません。
糸子は孤独なのです。

・・・って、糸子の孤独感をもっとちゃんと描けばいいのに、なんだか中途半端に終わりました。
同年代の経営者として河瀬譲の父(佐川満男)が登場して、彼との交流が何らかのターニングポイントをもたらすのかと思ったのですが、それもありませんでした。時間の無駄にしか思えませんでした(糸子が男やもめをもてなす会にもちゃっかりいた)。
佐川満男はNHK大阪の朝ドラには割りと常連らしく(『だんだん』でタンバリンくんの父親とかやってなかったっけ?)、「ああ、そうか、義理出場か」と白けることしきり。

でもって、何がどう糸子に変化を与えたのかよくわからないうちに、ブランド立ち上げを決意してしまいました。あほぼんたちの熱意なんでしょうか?よーわからん。

糸子のブランド設立の話を聞いて、優子と直子が一緒に岸和田に来ます。
優子は「プレタポルテを始めると、仕事に追われるばかりだ。時間の自由が全く効かない」みたいなことを言います。仕事をほっぽり出して、直子と一緒に岸和田に駆けつけたあなたが言っても説得力ねーっつーの!バラバラに来るならまだしも、時間を合わせたなんて、スケジュール調整がかなりフレキシブルってことじゃねーか。
東京で書類に目を通しながら、電話で説教するとか言うなら、もっと説得力のあるシーンになっただろうに。

もう、1回の放送でどれだけ突っ込めるか、そういう味わい方のみを楽しむドラマに成り果てました。3月に入ってからのこの激変ぶりは、ある意味歴史に残る朝ドラとなっております。非常に味わい深い。

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