本ドラマの先週(第13週)のサブタイトルは「おら、奈落に落ちる」だったわけだが、それをもじって「おれ、奈良に落ち着く」(本当は奈良のすぐそばの京都府だけど)とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第79回めの放送を見ましたよ。
アキ(能年玲奈)は憧れの鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と会うことができて有頂天になった。しかし、水口(松田龍平)によれば、そのことはあまり口外しない方がいいという。なぜなら、社長の荒巻(古田新太)と鈴鹿ひろ美は過去に何事かあったらしいからだという。
アキはユイ(橋本愛)に電話をかけるが、いつも留守電に繋がってしまう。それでも、電話をかけるたびにメールで返事だけは返してくれた。
ところが、ヒロシ(小池徹平)と電話で話したところ、ユイは学校に行っていないという。父・功(平泉成)の看病で学校を長期で休んだせいで、なんとなく登校しにくくなったのだという。この間、第2回ミス北鉄コンテストでユイが再度グランプリに選ばれた。しかし、ユイは授賞式も欠席したという。なまじ有名人になり、上京するはずができなくなってしまい、ユイは表舞台に出たくないと思っているのだ。以前は街でファンに声をかけられれば愛想よく応じていたのだが、今では無視したり怯えて逃げまわったりするようになってしまった。
そんなユイの姿を見て、駅長・大吉(杉本哲太)や副駅長・吉田(荒川良々)は、ユイの元気が出るように何かをしてやろうと考え始めた。しかし、春子(小泉今日子)はそんなふたりを叱った。こういう時は、介入しないでそっとしておくのが一番なのだ。
ヒロシから話を聞いて、アキはユイのことが心配になり始めた。話を聞いてもらうために、上野で屋台を開いている安部(片桐はいり)を訪ねた。するとそこへ、安部のまめぶ汁の常連客となった種市(福士蒼汰)も現れた。アキと種市は、劇場近くの無頼鮨へ場所を移してゆっくりと話をすることにした。
アキは、ユイからもらったメールを種市に見せた。ヒロシの話だとユイはふさぎ込んでいるとのことだが、アキに送られてきたメールの文面は元気なので矛盾しているというのだ。そのメールを見た種市は、すぐに不審な点を見つけた。短い文面の中に4回も「(私は)大丈夫」と書いてあるのだ。尋常な精神状態で書いたものではないというのが種市の見立てだった。種市もユイのことを心配し始めるのだった。
アキは、ユイのことがつくづく素晴らしいと思った。そこにユイがいなくても、みんながユイのことを気にかけるからだ。彼女と遠距離恋愛中の種市は当然としても、事務所でもみんながユイに期待を寄せている。ユイこそスターの素質を持ち、表舞台に立つべき人間だと思うのだった。
種市は、自分が仕事を辞めたことを告白した。ユイのことも気になるし、来週にでも田舎に帰り、新しい仕事を始めるつもりだという。種市は羽田空港の滑走路拡張工事の潜水夫として建設会社に就職した。しかし、その会社は東京スカイツリーの工事も請け負っており、種市は配置転換でスカイツリーの現場に回されたという。潜水の仕事ができなくなっただけではなく、強度の高所恐怖症である種市は仕事のやる気をすっかり失ってしまった。それで会社を辞めたのだという。
アキは内心で種市に失望した。何事にも熱くて真っ直ぐだった種市はもういないと思うのだった。
その時、無頼鮨へ荒巻と鈴鹿ひろ美がふたり揃って入ってきた。ふたりがただならぬ仲だと水口から釘を差されていたアキは、思わずこそこそと隠れるのだった。
今日の最大の見所は、荒巻を演じる古田新太に「下北沢・・・、演劇なんてダサい!大嫌いっ!!」と言わせたところでしょうか。それを言った古田新太も、それを言わせる脚本を書いた宮藤官九郎も演劇で活躍した人たちだけに、とてもおもしろい台詞でした。東京EDOシアターを上野に開設した理由について、渋谷やお台場、秋葉原など他の地域を時代遅れだと豪語するインタビューの回送シーンでのことです。
あとは、種市(福士蒼汰)とユイ(橋本愛)の遠距離恋愛関係に拗ねるアキ(能年玲奈)のあぐらのシーンでしょうか。太ももが画面に大写しになって眼福でございました。
『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)