NHK『あまちゃん』第89回

アキ(能年玲奈)の誕生日は11月23日で、国民投票が12月12日だから、アキはいつの間にか18歳になっていたんだねと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第89回めの放送を見ましたよ。

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第15週「おらの仁義なき戦い」

アキ(能年玲奈)はたいそう落ち込んでいた。初めてのドラマ撮影で40回もNGを出してしまい、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)から見放されてしまった。そして、国民投票では42位にとなり、規定により解雇となってしまう。

その上、徳島出身の宮下アユミ(山下リオ)が29位と健闘したにも関わらず、事務所を辞めると言い出したのだという。アキはその報せにたいそう驚いた。

アユミは、水口(松田龍平)とチーフマネージャー河島(マギー)から別室で問い詰められていた。それというのも、アユミが男と親しげにしている写真が事務所に送りつけられてきたのだ。アメ横女学園では恋愛が禁止されており、それはGMTにも適用される。

アユミは、自分に恋人がいることをあっさりと認めた。そして、事務所を辞めることも即決した。アユミは恋人のことを深く愛しており、芸能活動に未練はないというのだ。その上、ほとんど無名であるアユミがパパラッチにマークされていたということも不可解だった。アユミは、事務所内部に自分を陥れようとする人物がいるに違いないと思うのだ。そのような足の引っ張り合いにほとほと嫌気がさしてしまったのだ。

アユミはGMTのメンバーにも別れを告げた。その中でアユミは、埼玉出身でリーダー格の入間しおり(松岡茉優)に対してよそよそしかった。アユミが辞めれば、その分だけ国民投票の結果は繰り上げられる。41位だったしおりは、繰り上がって40位になれば解雇を免れることができるのだ。アユミは、自分に恋人がいることをしおりにだけ打ち明けていた。だから、しおりがアユミの恋愛事情を事務所にリークしたと思い込んでいるのだ。

しかし、しおりはアユミが事務所を辞めることに対して感情を爆発させた。アユミを突き飛ばし、同情されるなどまっぴらだし、情けをかけてもらおうと思ってアユミと付き合ってきたわけではないとまくし立てた。その様子からしおりの本心がありありと分かった。彼女が写真を撮ったとはとうてい思えなかった。アユミは仲間を疑ってしまったことを恥じた。

それでも、芸能活動を辞めるというアユミの意思は変わらなかった。恋人は居酒屋でバイトをしている調理師だが、結婚したいと考えている。将来は故郷の徳島に帰って、一緒に店を開きたいとも考えている。アユミも21歳で、他のメンバーよりも歳をとっており、そろそろ潮時だとずっと考えていたのだ。

すると、そこへ荒巻(古田新太)が現れた。国民投票の結果発表はニューヨークから中継で行なっていると言っていたが、実は合成であり、ずっと上野にいたのだという。荒巻は恋愛禁止のルールは絶対だと告げた。若い女の子が恋をしたい気持ちはわかるが、その感情を抑えて、ストイックに仕事に打ち込むことを考えさせる機会として設けているのだという。恋愛とステージを天秤にかけ、ステージを選んだものだけを必要とするのだ。アユミは、ステージよりも恋愛を選んぶと宣言した。

荒巻は、GMT全員に反省を求めた。特にアキについては、その日ドラマ撮影で40回もNGを出したことがすでに伝わっていた。これからのアキには良い事など一つもないし、アキを必要とする人間はここにはいないと言い切った。42位で解雇の決まっていたアキは、ますます落ち込んだ。

国民投票が終わり、GMTメンバーの生活はそれぞれ少しずつ変わった。アユミは宣言通り事務所を辞め、恋人と一緒に暮らし始めた。合宿所を出る日、しおりと熱い抱擁を交わし去っていった。国民投票で20位に大躍進した仙台・小野寺薫子(優希美青)はレギュラーメンバーとしてステージに上る事ができるようになった。しかし、春に母親(石田ひかり)が上京するまでは、今までどおりGMTの合宿所で暮らしている。佐賀・遠藤真奈(大野いと)は補欠であったが、年越しライブに出演できることとなった。

アキは解雇されるはずだったが、結局順位が一つ繰り上がった。国民投票で奈落に落ちたことで消えた者がいたので、それに代わってギリギリ奈落組に入れてもらえたのだ。

大晦日の日、仕事の無い入間しおりは埼玉の実家に帰った。沖縄の喜屋武エレン(蔵下穂波)はアキに付き合うように合宿所に残った。アキは東京の父・正宗(尾美としのり)のところに行くわけにもいかず合宿所に滞在し続けていたのだ。

エレンとふたりで大掃除を終えると、種市(福士蒼汰)が鮨を持ってきてくれた。無頼鮨の大将・梅頭(ピエール瀧)からの差し入れだという。種市は仕事が忙しくて北三陸市には帰省しないという。アキが落ち込んでいることを知っている種市は、今田舎に帰ったら負けだと言ってアキを励ました。同郷の者として、東京で頑張ろうと言うのだ。

夜になって、アキとエレンは鮨をほうばりながら、アメ横女学園の年越しライブの中継を見ていた。はじめは機嫌よく踊っていたアキであるが、だんだんと気分が落ち込んできた。ステージに出ることができず、合宿所でそれを見ているだけの自分が惨めに思えてきたのだ。

その様子を見て取ったエレンは、自分の寿司桶の中から、アキの大好物のウニを分けてくれた。

その日のウニは、アキには特別身にしみた。夏(宮本信子)から初めてウニを食べさせてもらった日のこと、自分が初めてウニを獲った日のこと、夏が海岸から旗を振って見送ってくれたこと、春子(小泉今日子)からアキは地元のみんなに好かれたと褒めてくれたことなどを思い出し、故郷が懐かしくなった。一方で、ドラマ撮影で大失敗して鈴鹿ひろ美に見捨てられたことや、荒巻のアキに対する態度が特に冷たいことなども思い出された。

アキは突然故郷に帰りたくなった。まだ電車は間に合う時間だといって、大急ぎで合宿所を出ることにした。

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今日は女の子たちの暑苦しい友情がとてもよかったです。あのうざったらしい友情をどうまとめようかと思ったのですが、力不足の僕にはどうにもまとめきれませんでした。悔しい。時間ばっかりかかって、うまく書ききれなかった。くそう。

宮下アユミ(山下リオ)は入間しおり(松岡茉優)が写真を撮ったと思っていたのですが、誤解が解けてよかったです。

「じゃあ、誰が撮ったんだ?」という疑問は残るわけですが。つーか、各人の順位も操作されていて、全ては荒巻(古田新太)が仕組んだんじゃないかっつー疑惑もあるわけだし。ニューヨークにいると嘘をついてたり、いろいろときな臭いわけで。

他のメンバーに比べて、あんまりかわいくはないんだけれど、沖縄の喜屋武エレン(蔵下穂波)がいい子ですねぇ。以前から失敗してもあまり気にしないポジティブ試行なキャラで、見ていて和みます。失敗しても気にしていないので、要するに空気の読めないヤツなのかと思ったら、実はとてもよく気のつく人だったみたいで。大晦日に行き場のないアキに付き合って合宿所に残ったり(彼女も沖縄では家族が待ってるだろうに)、アキが落ち込んでいたら大好物のウニを分けてやったり(「私はかっぱ巻きの方が好きだ」とかなんとか口実まで作っていた)。ええ子や。

さて、わがままアキちゃんはいきなり北三陸に帰ると言い出しました。
明日は90話。僕が渋谷のスタジオで撮影風景を見学したところですね。僕が見たのはスナック梨明日のシーンでしたが、みんながおせちをつついていました。潜水土木科の磯野先生(皆川猿時)が何やら慌てて店に入ってきたり、功(平泉成)が杖をつきながら店にやってきたりというシーンが撮影されていました。ちゃんと放送されるか楽しみにしております。

『あまちゃん』ヒストリー(時系列表)
『あまちゃん』 つづく

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コメント (1)

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