NHK『あさが来た』第16回

21時までに今日のまとめ記事を書くことを約束した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第16回めの放送を見ましたよ。


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第3週『新選組参上!』

あさ(波瑠)は大坂・堂島の米会所(米の取引所)の見物をした。男達の活況を見るにつけ、あさは心が踊った。自分も同じように働いてみたいと思った。

そこで、あさは見知らぬ洋装の男に声をかけられた。
その男は、以前に大坂の往来で衝突した薩摩藩士・五代才助(ディーン・フジオカ)だった。彼は、あさのことが忘れられず、あさの居所を探して京都の実家にイギリスから手紙を送りつけたこともある。数年ぶりに再開したあさが美しい女性になっていることに驚くとともに、喜んだ。

五代はしばらく米会所での取引の様子を説明して聞かせた。
そして、世の中はこれから大きく変わっていくだろうと予言した。大きな時代の渦に巻き込まれるが、元気に暮らせと言って去っていった。あさはもっとたくさんの話を聞きたかったが、彼は雑踏の中に消えていった。
ただ、彼の名前だけは知ることができた。

年が明けて、1867年(慶応3年)の春になった。
あさが嫁いでから半年、はつ(宮﨑あおい)が嫁いでからは1年の節目である。

ある日、はつの所へ実家の母・梨江(寺島しのぶ)が近くに用事があったと言って訪ねてきた。突然の来訪だったため、惣兵衛(柄本佑)や義母・菊(萬田久子)はいい顔をしなかった。それでも邪険に追い返すわけにもいかず、奥の座敷に案内した。

初め、はつと梨江はふたりきりで話をする機会があった。
梨江から見ると、はつは少し太って元気そうに見えた。はつも、とてもよくしてもらっているからだと答えた。ただ、子宝に恵まれないことだけが気がかりだと言う。梨江は、結婚して1年ならまだ焦ることはないと言って安心させた。

続いて梨江は、惣兵衛の家の商売について聞いた。世の中が騒がしくなって、京都も大変だが、大坂も同じように大変ではないかと聞くのだ。梨江はおおっぴらには言わなかったが、はつの嫁ぎ先の家勢が気になって様子を伺いに来たのだ。

はつが答える前に、義母・菊と惣兵衛が部屋に入ってきた。梨江の質問を盗み聞き、梨江が家の景気を探りに来たのだろうと察したのだ。菊の表情にも口調にも棘が見えた。菊は、はつを試すかのように、梨江の質問に答えるよう命じた。
はつは実母とふたりきりの時とは違って、緊張した。そして、自分は女なので商売の事は全くわからないと当たり障りのない答えをした。女が商売に首を突っ込むものではないということは、誰でもない梨江から教えこまれたものだと言うのだ。
それを聞いて、菊は満足した。そして、もう話は終わっただろうから帰るよう無遠慮に言うのだった。梨江は従うほかなかった。

その後、あさの所も訪問するつもりだったが、梨江はすっかり興が削がれてしまって、そのまま京都へ帰った。
その代わり、あさへお菓子を贈った。そこには、「風かはり 父はあらたな 風にのり」と書いた紙片を忍ばせておいた。
五代の予言を思い出し、京都の実家でも何かが変わろうとしているのではないかと想像はできたが、その真意はわからないままだった。

その頃、あさと新次郎(玉木宏)の仲は相変わらずだった。新次郎は今でも毎晩どこかへ出かけていく。

それでも、店や家の者たちとはすっかり打ち解けていた。「みんなのおかあちゃん」を自称し、誰にでも別け隔てなく接した。今日は、店の男達の衣類の繕いをしていた。大番頭の雁助(山内圭哉)などは、彼のお気に入りの襦袢に洒落た継当てをしてくれたと言って、ご機嫌だった。

それは、あさの策略の一つだった。
あさは商売や世の中の変化について興味津々だった。しかし、女は商売に口出しするものではないと言われ、それを知る機会がなかった。そこで、雁助を籠絡して商売のことを教えてもらおうと画策したのだ。
雁助は一杯食わされたことに気づいたが、あさの頼みを断るわけにはいかなくなった。あさは雁助から、長州藩や薩摩藩など多くの取引先に、合計で百万両近くの金を貸し付けていることを教えてもらった。その話はとても興味深かった。

金の話を聞きながら、あさは算盤を弾いた。雁助はあさが算盤のできることに驚いた。
また、その様子をのぞき見ていた新次郎は、化粧をして女らしくしているあさよりも、算盤を弾いているあさの方が活き活きとしていて素敵だと思った。

その日の夜も新次郎はどこかへ出かけていった。
あさはついに我慢の限界に達した。こっそりと新次郎の後をつけることにした。
すると新次郎が女の家に入っていくところをしっかりと目撃した。

頭に来たあさは、その家に乗り込んでいった。

* * *


惣兵衛(柄本佑)の家の中が映された時、どうも活気が無いように見えた。明示的に表現されていたわけではないが、あたりを見回して怪訝な顔をする梨江(寺島しのぶ)や、来訪を気まずく思っているかのように見える惣兵衛や菊(萬田久子)の表情から読み取れた。

これは、大坂一の両替商と言われていた山王寺屋(惣兵衛の家)の景気がものすごく悪くなってるってことだよね、きっと。
幕府側にたくさんの金を貸していて、その回収のめどが立たなくなってるのではないか。
以前、薩摩藩士・五代(ディーン・フジオカ)が金を借りに来た時、惣兵衛は適当にあしらって貸さなかった。多分、幕府側との付き合いが深いので、それと対立する薩摩を無視したのだろう。
この後きっと、幕府が倒れて、貸金も帰ってこなくなるね。

一方、あさ(波瑠)が嫁いだ加野屋では、薩長と取引があるということが、雁助(山内圭哉)の口から語られた。
これは多分、倒幕後でもちゃんとお金が返ってくるのだろう。それどころか、新政府からも優遇されたりするんだろう。

宮﨑あおいさんを応援する当方としては、はつが不幸になりそうで心が痛いです。

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