NHK『おかえりモネ』第85回

季節の変わり目のせいか、寝ても寝ても眠たい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第85回めの放送を見ましたよ。

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第17週『わたしたちに出来ること』

神野(今田美桜)は百音(清原果耶)のシェアハウスで愚痴っていた。
自分はこれまでの生涯で傷ついたことがないので人間性の深みがなく、それが弱点だと言うのだ。たとえば、百音は東日本大震災でつらい思いをしたことが強みになっていると話した。

それをそばで聞いていた菜津(マイコ)が神野をたしなめた。
奈津はシェアハウスで引きこもり生活を続ける宇田川を念頭に話しているのだと、百音にはすぐに分かった。世の中には、傷ついて動けなくなった人もいる。そういった辛い思いをしている人のことに思いを馳せ、いたわって欲しいと話した。
神野はその言葉に納得し、考えを改めた。

次の放送で、神野は天気のせいで苦しんでいる人へ向けてさりげなく優しい言葉をかけた。天候不順で難儀している農家へ翌週には良い方向へ向かうと励ましたり、季節の変わり目の服装のアドバイスを述べたりした。
百音は神野変化をすぐに感じ取った。視聴者のことをよく考えてくれていることが伝わってきて、まるで自愛に満ちた観音のようだと思った。

2017年3月26日(日)になった。菅波(坂口健太郎)の登米赴任まであと1週間である。仕事で引っ越しの準備がまったく手つかずの菅波に代わって、合鍵を持っている百音が部屋の片付けをしていた。電話で菅波は申し訳無さそうに謝った。

百音は仕事で忙しいものは仕方ないと言いながらも、口調にはトゲがあり、すこぶる機嫌が悪かった。
話したいことがたくさんあるのにまったく会えないのが不満だったのだ。特に、百音は自分のキャリアについて菅波に相談したかった。いつか地元に帰って、人々の役に立つことをしたいと思っている。しかし、何をすればいいか思いつかない。登米での地域医療に身を捧げる決意をした菅波に、地域の人々に貢献することについて相談したいとずっと思っているのだ。しかし、それがかなわない。

菅波は、仕事を抜け出して会いに行くと言った。けれども百音は、この後仕事に行かなければならないので時間がないと断った。それでも菅波は引き下がり、百音を会社まで送る15分間だけでも会うことを提案した。

そうしてふたりは、川沿いの道で落ち合った。

百音は菅波に不満をぶちまけた。
翌週には東京と登米に離れてしまうのに、近頃は会う時間が無い。離れ離れになることが不安になる。仕事だから仕方ないとわかっているが、少しでも時間を作ってくれるのではないかと待っていた。菅波が少しの時間でも顔を見れることはいいことだと言っていて、百音も同じように思っている。しかし、菅波はちっとも会ってくれなかった。
部屋の合鍵を渡してくれたのだから、会う時間が増えるだろうと期待していたのに、まったくそんなことはなかった。

少し離れたところに立っていた百音は、合鍵を菅波に向かって放り投げた。
普段は目測が苦手で、ドアを通り抜ける時に足をぶつけたり、自分に向かって飛んでくるものを掴むのが苦手な菅波である。しかし、百音から投げられた合鍵はちゃんと掴んで受け取ることができた。

菅波は、離れてしまっても大丈夫だと話した。今後、百音から投げられるもの(物理的であれ、心理的であれ)は全て受け止めると約束した。

百音は菅波に抱きついた。

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登米シリーズのときから、菅波(坂口健太郎)が飛んでくるものを受け取るのが苦手だという描写はされていました。地元で採れたカボチャを投げ渡された時に受け取るのを失敗していました。当時はたんなるくすぐりかと思っていたんだけれど、かなり長い伏線でしたね。
百音(清原果耶)から放り投げられた合鍵を掴んだ時、本編のセリフでは「あなたが投げるものなら、僕は全部取ります」のみでしたが、物理的な受け取りと心理的な受け止めのダブルミーニングであることは明らかでした。これは言いシーンだった。

【今日の蒔田彩珠
出番なし。

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