第1部が終わる時「最終回は50年後、百音は登米に戻る」と予想していた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第120回め(最終回)の放送を見ましたよ。
未知(蒔田彩珠)の大学合格祝いで幼なじみたちが百音(清原果耶)の家に集まった。みんなが笑っているのを見て、百音はとても嬉しくなった。
百音は、中学生の時以来一度も開けていなかったサックスケースをみんなの前で開けることにした。その中には、東日本大震災の翌日に行うはずだった卒業コンサートのチラシが入っていた。
百音はそのチラシの入っていることを知っていた。それを見るのが怖くて開けられなくなったのだ。地震の時にみんなと離れていて痛みを分かち合うことができなかったという事実と向き合うのが怖かったのだ。
加えて、そのチラシやサックスは、自分の無力さの象徴のようにも思われた。サックスケースを開けてしまうと、当時の無力な自分に戻ってしまうのではないかという恐ろしさもあった。だから開けられなかったのだという。
しかし、実際に開けてみたらそのような恐怖はなかった。むしろ、弱い自分に戻ってたまるものか、今の自分は何もできないわけではない、と思うことができたと話した。
こうしてやっと百音は過去と決別し、故郷に帰ってきたと思うことができた。
2020年2月になった。
ついに漁船を手に入れた亮(永瀬廉)が初めて漁に出る。地元の人々が集まり船出を祝福した。
新次(浅野忠信)はとても喜んだ。彼は亮にハッピを贈った。亡くなった美波(坂井真紀)は派手好きだったと言って、とびきり派手なハッピを用意した。亮も喜んで袖を通した。
ただし、耕治(内野聖陽)は見送りに行かなかった。耕治は亮と新次(浅野忠信)のことをずっと気にかけてきた。彼らの再スタートの象徴的な場面に立ち会うと気が抜けるに違いない。ふたりのことを応援し続けるために、今はまだ見届けたくないというのが耕治の考えだった。
耕治は自宅で出港の汽笛だけを聞き、龍己(藤竜也)とともにカキ養殖場へ出かけていった。
それからしばらくして、未知は東京へ行った。家で塾をはじめた亜哉子(鈴木京香)は子どもたちに囲まれていきいきとしていた。
2022年夏になった。
百音は気仙沼の漁船の8割に観測機器を搭載してもらい、海上の気象データを集めていた。漁船は世界中で操業しており、広範囲のデータを集めることができた。これまで海上の気象観測はあまり行われておらず、海上の気象予測にも役立つ貴重なデータである。本社の朝岡(西島秀俊)らにも褒められ、ゆくゆくは全国に展開することを勧められた。百音は未だ利益の出ていないことを心配したが、朝岡は信じて続けるよう助言した。
ある日、菅波(坂口健太郎)が島にやって来た。ふたりが会うのは2年半ぶりのことだった。
久しぶりに遠出し、海辺の太陽の光を浴びた菅波はバテてしまった。対する百音は元気いっぱいで笑顔だった。菅波は、自分と百音は違う時空で生きているのではないかと冗談を言った。
百音の答えは、自分たちの関係には距離も時間も関係ないというものだった。
最後のシーンについて。
まとめ記事では「2022年夏」としましたが、放送では具体的な年月は言われませんでした。「(2020年の)数年後」と曖昧に提示されるだけでした。
しかし、菅波(坂口健太郎)が百音(清原果耶)と会うのは2年半ぶりと言っており、彼が島に挨拶に来たのが2020年1月だったことから、最後のシーンは2022年の夏だと計算しました。
この時、人々は誰もマスクをしていませんでした。劇中は、新型コロナウィルスを完全に封じ込めった未来なんでしょうねぇ。
それでも、百音は菅波と抱擁するのを一瞬躊躇します。すっかり、ソーシャルディスタンスな生活に慣れてしまったんでしょうねぇ。菅波がもう大丈夫だと言って促し、きつく抱きしめ合うふたりでした。
めでたしめでたし。
【今日の蒔田彩珠】
船出のシーンで、亮(永瀬廉)はずっと未知(蒔田彩珠)の方を向いていました。永浦家からは未知と百音だけが見送りに来たのですが、亮はあからさまに未知を優先していました。
ふたりに声をかけるときも「みーちゃん、モネ」と呼びかけるなど、未知の名前が先でした。昔の亮なら、百音のことを第一にしていました。悩みごとがあっても、百音には話すけれど未知には何も言わないとか。そのことで未知が百音に八つ当たりすることもありました。
そんな亮が未知を大切にするようになったわけです。よかったねぇ。
めでたしめでたし。
【さいごに】
以上をもちまして『おかえりモネ』のまとめ記事を終了いたします。ご愛読ありがとうございました。
次は来週から始まる『カムカムエブリバディ』でお会いしましょう。