今週のマクラは一貫して永作博美さんのことしか書いてないわけだけれど、それは放送開始前から決めていたことであり、「俺が本作を見るモチベーションは永作ただ一人である」ということを言外に伝えることが目的だったのだけれど、蓋を開けてみれば人情の機微がうまく練り込まれた脚本であり、それを表現する役者たちもみんな素晴らしく、永作さん以外にもたくさん見所があると思えるようになってきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の5回めの放送を見ましたよ。
舞(浅田芭路)は校外学習で磯へ行った。海の生物をたくさん捕まえたり、めぐみ(永作博美)が早起きして作ってくれた美味しい弁当を食べたりして、とても楽しく過ごしていた。
同級生の耕平(奏音)は、その方がきもちいいといって裸足で海に入っていた。子どもたちはみんなそれを真似した。舞も気持ちよさを実感した。ところが、当の耕平が素足でオコゼを踏みつけてしまい、棘で刺された。大騒ぎになり、引率者は子どもたちに長靴を履くよう指示した。
慌てて長靴を履いて逃げようとした舞は、その拍子に転んでしまった。
舞を送り出しためぐみは、祥子(高畑淳子)が作ったいちごジャムの出荷を手伝っていた。島では若者を中心に人がいなくなり、たくさん収穫された果物も活用されずに腐らせることが増えてきたという。そこで祥子が売り物のジャムにして売っているのだという。
ふたりは瓶詰めしたジャムを車に積み込み、納品へ向かった。
納品に向かう道中、ふたりは舞たちの校外学習の磯を通りがかった。遠目に見ても様子のおかしいことがわかった。助手席に乗っていためぐみは、祥子に車を止めてもらい、大急ぎで磯へ降りていった。
海の中で転んだ舞は、全身がずぶ濡れであることに加え、膝まですりむいていた。ほんのかすり傷のようではあったが、ひどく心配しためぐみは自分の上着を舞に着させ、おろおろした。
祥子は車から降りることなく、その様子をじっと眺めていた。
幸い、舞は大事には至らず、その日の夕食も普通にとることができた。
食卓で、めぐみは舞に注意した。もっと慎重に考えて行動しなければならないと話した。舞は黙ってその言いなりになっていた。
はじめは黙って聞いていた祥子であるが、ついにめぐみは大袈裟だと口を挟んだ。そればかりか、舞を残してめぐみは東大阪へ帰れと言い出した。
祥子は、めぐみが過保護すぎるのだと話しはじめた。そればかりか、舞の方はめぐみの顔色ばかり伺っており、遠慮して自分の気持ちを言うことができない。不健全なので、ふたりは離れた方がいいと言うのだ。
めぐみは当然反発した。しかし、一人になって思い返してみると、確かに舞が口答えせずに自分の言いなりになっていたことばかり思い返された。それで自分だけ帰ることを決めた。
めぐみの決定を聞かされた時も、舞は冷静にそれを聞いていた。舞は特に何を言うわけでもなかったが、夜中に隣の布団で寝ているめぐみに無言で抱きついた。めぐみも何も答えず、その手をそっと握った。
翌朝、めぐみはフェリーに乗って島を去った。
めぐみの姿が船中に消えると、舞はそれまで我慢していた涙を流した。祥子に対して、これでいいのだと話した。自分と一緒にいるとめぐみが辛そうにしているのがわかるのだと言う。そして、めぐみが別離を望んでいるのだから、自分がどんなに寂しくてもそれを帰ることはできないと話した。
祥子は、舞が自分の気持ちを正直に言えたことを褒めた。少しずつであったも、いい兆候であると言った。
港からの帰り道、ばらもん凧が揚がっているのを見た。「ばらもん」とは元気者という意味だそうだ。
舞は、よく知らない島で、よく知らない祖母とふたりきりにされてしまったが、ばらもん凧を見ていると少し気が晴れるような気がした。
2回目の放送で、めぐみ(永作博美)から五島行きを提案された時、舞(浅田芭路)は妙にあっさり承諾したなと思って不可解に思っていました。やっと学校になじみはじめて、念願の飼育係になり、新しい友達もできてウキウキの絶頂の時に転校するよう言われて、普通ならすごくイヤだよなって思うじゃん。
その種明かしとして、舞がとにかくめぐみの顔色をうかがって言いなりだということが祥子(高畑淳子)の口から語られました。すぐに見抜くおばあちゃんカッコいいし、それよりも何よりも、ちゃんと構成されている脚本や演出で素晴らしいなと思いました。
最後の、舞がぐっと泣くのを我慢していたところもツボ。
少なくとも、第1週は非の打ち所がありません。すごくよかった。永作さん抜きにしても。
あと、内輪向けのネタとしては、海ではしゃぐお調子者の男児の名前が耕平で大笑いしました。
子役は奏音という人だそうです。不思議な名前。昨日の凛役の絢香さんとか、最近の子どもたちの名前は僕にはよーわからん。
明日も読んでアラモード。