NHK『舞いあがれ』第3回

永作博美さんの代表作といえば、月桂冠つきのはるか昔のCMを挙げてしまうし、その時のディレクターと結婚したと聞いて「ディレクターのやつ、うまくやりやがったな。つーか、まじ愛してないとあの夫婦ラブラブCMは作れなかったな」などと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の3回めの放送を見ましたよ。

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第1週『お母ちゃんとわたし』

病弱な舞(浅田芭路)は静養のため、母・めぐみ(永作博美)とともに長崎県の五島へ行くことになった。

飼育係として大好きなウサギの世話ができなくなったり、せっかく友達になれた久留美(大野さき)と離れてしまうのはさみしかったが、きっと元気になって帰ってくるのだと決意した。久留美には、別れは一時的なものであると手紙で伝えた。

舞とめぐみはフェリーで五島列島に到着した。
そこは長崎県の西に位置しており、大小150以上の島々がある地域である。美しい海や入江といった自然の景観に加え、古い教会などの建つ風光明媚な場所である。舞の住んでいた東大阪からは900kmも離れていた。

港には、めぐみの母であり、舞の祖母にあたる祥子(高畑淳子)が迎えに来ていた。そこからさらに、祥子の操縦する小型船に乗り換えて彼女の住む島へ向かった。
その間、会話らしい会話はほとんどなかった。

舞が祖母に会うのは初めてのことである。めぐみは帰省はおろか連絡もほとんどとっていなかったので、舞も祖母の存在を意識することはほとんどなかったのである。ほとんど喋らない祖母を見て、自分は歓迎されていないのではないかと不安になった。

それというのも、めぐみは大学進学で島を出た後、勝手に中退して夫となる浩太(高橋克典)と駆け落ちしてしまった。二度と島には戻らないと啖呵を切り、めぐみは祥子と縁を切っていたのだ。それにもかかわらず、急に戻ってきたことにめぐみは引け目を感じていた。

祥子は島で一人暮らしをしていた。夫はすでに亡くなっており、子どももめぐみ一人だった。
めぐみは祥子と二人きりで向き合うと、自分の身勝手な行動を謝った。そして、結婚してからの家族のことをぽつりぽつりと話し始めた。しかし、祥子はそれをすぐに遮ってしまった。実は、めぐみの夫・浩太がまめに年賀状を送っていたのだ。それで祥子はおよそのことは知っていた。

まだ祥子とのわだかまりが解消されたとは思わないが、めぐみはここで焦らすにゆっくりと暮らして、舞が元気になってくれさえすればいいと思うのだった。

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まさか、めぐみ(永作博美)が学生時代の駆け落ちだったとは。それによって後を引く、めぐみと祥子(高畑淳子)のピリピリした関係が見どころでしたね。

本文からは割愛しましたが、祥子は浩太(高橋克典)から受け取っていた年賀状をめぐみに見せるときなどもずっと仏頂面です。言葉もほとんど発しない。
ところが、めぐみの幼馴染で、現在は何かと祥子の面倒を見てくれている浦信吾(鈴木浩介)がやってくると急に表情が和らぎます。

その表情の変化の解釈は難しいのだけれど、要するに、祥子はめぐみの帰郷を嬉しく思っているってことなんでしょうね。けれども、素直にそれを表現できない。意地になってるのか、感情表出がそもそも苦手なタイプなのかは知らないけれど。しかし、(現在の娘以上に)気心の知れた浦信吾がやってきて緊張が解けて、つい素直な気持ちが表れたってことなんでしょうね。

あと、ナレーション・さだまさしによって、「バラモン凧」の解説がありました。五島の伝統的な凧で、子どもが元気に育つようにと願いを込めて揚げるものだそうです。
なるほど、舞(浅田芭路)の療養に掛けてあるし、後に彼女が空への憧れを抱くきっかけにもなるんですね。

明日も読んでアラモード。

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