NHK『舞いあがれ』第30回

松尾諭田口浩正はどっちがどっちかたまにわからなくなる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の30回めの放送を見ましたよ。

* * *
第6週『スワン号の奇跡』

2005年1月になった。
舞(福原遥)は航空機のパイロットになりたいという思いが日増しに強くなる一方だった。受験のための勉強に打ち込み、学費のためにバイトの時間も増やした。

しかし、両親にはまだ打ち明けられずにいた。浩太(高橋克典)の会社は取引先も増え好調だった。浩太は、今でも舞の夢は飛行機を作ることだと思っている。このまま工場の調子が続けば、舞の作った飛行機に部品を載せることもできると楽しそうに話した。
舞はますます両親に自分の進路変更を言い出しにくくなった。

一方、舞はなにわバードマンを休部することにした。
そのことを申し出ると、他の部員たちは一斉に苦情を述べた。ただでさえ3回生が引退して人手が少なくなったところで、次の人力飛行機の製作も正念場を迎えようとしている時期なのだ。舞のパイロットになりたいという希望を聞くと、反対の声がますます大きくなった。航空学校の入学倍率は高いことが知られており、ましてや日本に女性パイロットはほとんどいない。なにわバードマンの出身者の中にもパイロットになった者は存在しない。舞がパイロットになれる見込みはないと言うのだ。
そんな中、冬子(吉谷彩子)だけは見方をしてくれた。むしろ、出身者の中から航空機パイロットが出れば凄いことである。そのために応援すべきだとみんなを説得した。
その結果、他の部員たちの考えも変わり、舞を応援しつつ休部を認めてくれた。

その頃、貴司(赤楚衛二)は何もかもがうまくいかなかった。システムエンジニアの仕事には向いておらず、会社に居場所がなくなってしまった。馴染みの古本屋・デラシネで詩を書こうにも、何も言葉が浮かばなかった。
しかも、店主・八木(又吉直樹)は店を畳む準備を始めていた。八木は、朝になると睡蓮の花が開き、春になると白鳥が北へ飛んでいくのは得体の知れない何かに呼ばれるからであって、それと同じように自分も何かに呼ばれたのだとだけ説明した。今の貴司にはよくわからない話だった。
貴司は自分の拠り所であるデラシネがなくなることを不安だと伝えた。すると八木は、短歌を作るよう勧めた。今の貴司が詩を書けないのは言葉が詰まってしまっているからであり、文字数の制約があればむしろ言葉が出てくるものだと話した。
八木は即興で「嬉しさは 忘れんために 悲しさは 忘れるために 短歌にしてみ」と詠んだ。

3月になった。
舞はまだ両親に本当のことを言い出せずにいた。

看護学校に通っている久留美(山下美月)は成績優秀で、翌年度の学費免除が決まった。
夜、上機嫌で帰宅すると、警備員の仕事に出かけているはずの父・佳晴(松尾諭)が灯りもつけずに部屋に佇んでいた。非常階段で足を滑らせて捻挫し、そのまま仕事を辞めたのだと言う。もともと向いている仕事だとは思っておらず、せいせいしたと吐き捨てた。

ふたりは言い争いになった。
久留美は、アルバイトで家計を助けながら、努力して学費免除を獲得した。それでも生活は楽になっていない。佳晴が仕事を辞めてしまったことで、家賃の支払いの目処が立たなくなる。佳晴は、売り言葉に買い言葉で、久留美は本当は別れた妻のところに行きたかったのだろうと言った。そして、自分と一緒にいるのが嫌なら結婚して家を出ればよいと捨て台詞を吐いた。
久留美は、こんな父がいたら結婚できないと答え、家を飛び出した。

久留美は雨の中、傘もささずに舞の家へ向かった。ずぶ濡れの姿に驚いたものの、めぐみ(永作博美)は優しく迎え入れてくれた。その晩、久留美は舞の部屋に泊まることになった。久留美は、舞のことが羨ましいと話した。母は優しく、父は頼りになるからだ。
それから久留美は、もし舞が久留美の立場だったら、年に一度だけバースデーカードを送ってくる別れた母に連絡を取るかと尋ねた。舞は、わからないと正直に答えた。久留美も明確な回答を欲していたわけではなく、自分もわからないままだと話した。
続けて、久留美は父にひどいことを言ったと反省の弁を述べた。しかし、黙って我慢していたら何も変わらないから仕方なかったと話した。

久留美が最後に述べたことは、舞の心を動かした。
後日、ついに舞は両親にパイロットになりたいと打ち明けた。

* * *

舞(福原遥)、貴司(赤楚衛二)、久留美(山下美月)という幼馴染3人がそれぞれに悩みを抱え、それに立ち向かっていくという流れが展開し、来週以降しばらくはこれでいくんですね。

パイロットうんぬんはちょっと飽きてきたので、僕は久留美の親子関係に着目していきたいと思います。
久留美は「こんな父がいたら結婚できない」というようなことを言っていました。話の流れからすると、不甲斐ない佳晴(松尾諭)が相手に敬遠されてしまうから結婚できないという意味に取れます。一方で、だらしない父だからこそ放っておけず、家を出て結婚することなどできないと言っているとも取れる。うまくダブルミーニングにしてあるように思いました。

あと、学費免除になって上機嫌でバイト先に向かう時に久留美は鼻歌を歌っていました。そのメロディに聞き覚えがあるような、ないような感じで、もやもやしています。

来週も読んでアラモード。

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