NHK『ブギウギ』第111回

ギターの単音カッティングという奏法を身につけたい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の第111回めの放送を見ましたよ。

* * *
第23週『マミーのマミーや』

梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。

その葬式に、鈴子(趣里)の産みの母であるキヌ(中越典子)が姿を現した。鈴子が彼女の姿を見るのは15年ぶりで、これが二度目である。すっかり老け込んで杖をついていた。

葬儀の後、鈴子はキヌと話をする機会を作った。
キヌは相変わらず畑仕事をしており、そこで足に怪我をしてしまったのだという。それでも、立派に成長したふたりの息子(松谷圭悟中村凛太郎)たちが面倒を見てくれるから不自由はないという。キヌの息子たちも梅吉に何度も写真を撮ってもらったことがあり、どうしても弔問に来たかったのだと説明した。
鈴子もキヌも穏やかに言葉を交わし、再会できたことを喜びあった。

ふたりが話をしている間、息子たちが愛子(小野美音)の相手をしてくれていた。彼らは福来スズ子の大ファンであると述べ、自分の母が知り合いであることにたいそう驚いていた。実は15年前、幼かった彼らは鈴子にキヌを取られると思って口汚く罵った。そんなことは覚えていないようだった。

あまりゆっくりと話をする間もなく、キヌは息子たちに促されて帰ることとなった。今日はまだ畑仕事が残っており、早く帰らないとならないのだという。
去っていくキヌを見送りながら、愛子はあの老婆は何者なのかと尋ねた。鈴子は少々迷った末、「マミーのマミーや。愛子のおばあちゃんや」と説明した。
その声を聞いたキヌは、泣き笑いの表情で振り返り、軽く頭を下げた。しかし、何も喋らないまま、息子たちに促されて帰って行った。

まだ幼い愛子は、梅吉が死んだということがまだ理解できずにいた。梅吉が寝ていた部屋で彼の姿を探していた。鈴子は、梅吉の姿は見えなくなったが、いつもそばで愛子のことを見ているのだと説明した。
東京へ帰る段になると、愛子は梅吉の飼っていたカメと離れたくないと駄々をこねた。そのカメの代わりに、松吉(木内義一)は一枚の写真をくれた。それは、梅吉が生前最後に撮った愛子の写真であった。現像を頼んでいたのだが梅吉の最期には間に合わなかったという。その写真の中で、愛子は満面の笑みでカメを持っていた。写真に写るカメで満足して、愛子はおとなしくなった。

東京の自宅に戻った鈴子は、梅吉の遺影をツヤ(水川あさみ)の隣に飾った。梅吉が一番喜ぶ配置である。
安置を終え、いざお鈴を鳴らそうとしたが、りん棒が見当たらなかった。鈴子は大騒ぎしてあちこち探し回ったが見つからない。

りん棒を探す途中で、鈴子は海中時計を見つけた。それは鈴子の血のつながった父の形見であり、キヌから託されたものだった。
鈴子はその懐中時計を愛子に与えた。この前会ったお婆さんから貰ったものだと説明し、大切にもっていてほしいと話した。東京に帰ってきてからは梅吉のカメのことを思って元気のなかった愛子だったが、懐中時計を見せられると元気になった。とてもかわいいデザインで、すっかり気に入ったのだ。

* * *

昨日の放送は、鈴子(趣里)と梅吉(柳葉敏郎)が合唱するというシーンで終わって。今日の冒頭では梅吉の臨終シーンが描かれるのかと思ったら、あっさりと葬式から始まって。また、梅吉が最後に撮った愛子(小野美音)の写真の現像が臨終に間に合うかどうかギリギリだったと軽く触れられていたりして。
はっきりとはわからないんだけれど、ふたりの合唱から死ぬまでにどれくらいの時間があったのかとか、周囲の人々とどういうやりとりがあったのかとかをほのかに想像できる余地があって、いい演出だったなと思いました。

東京に戻った鈴子は「チーンがない」と言って騒いでいました。「チーン」というのはお鈴のことだと想像したのですが、見ながら「あんなデカいものどうやって失くすんだ?」と思っていたわけです。しかし、放送の最後のカットでは梅吉らの遺影とともにお鈴本体が写っていました。しかし、それを鳴らすためのりん棒だけが写っていませんでした。それで、鈴子の言う「チーン」というのは棒のほうなんだと理解しました。
あわてんぼうの鈴子のことだから、お鈴を鳴らした直後に誰かから声をかけられると、手にしたりん棒をそのまま持って他所に行き、無意識に変なところに置いてしまうということがすごくありそう。また、おてんば娘の愛子がおもちゃにしてどこかに置き忘れるということもありそう。
「チーン紛失問題」は形見の懐中時計を見つけるためのフックだったわけだけれど、登場人物たちの性格と照らして考えるとすごく腑に落ちる事件だし、これまたうまいなと思いました。

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