前作『虎に翼』はかなりの名作だったのに3回でまとめ記事を終了してしまったことを後悔している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の第1回めの放送を見ましたよ。
2004年(平成16年)4月。
福岡県糸島市で農業を営む米田家の次女・結(橋本環奈)は高校通学の初日を迎えていた。
真新しい制服の着こなしや髪型などの調整に余念がなく、朝食を食べる時間がなくなってしまった。家で採れた新鮮な野菜と、家族が農作業の昼食とするはずだったおむすびを手に取ると、そのまま家を出て学校へ向かった。
父・聖人(北村有起哉)は結のことが心配でならなかった。すでに家を出ている長女・歩(仲里依紗)は素行不良で問題を起こしてばかりだった。結が同じようにならないかと気を揉んでいたのだ。
結も姉の悪評は知っている。自分はそうならないようにしようと思っていたし、高校では姉のことがバレないように気をつけようとしていた。
新しいクラスで隣の席になったのは宮崎恵美(中村守里)だった。彼女は、自分のカバンにつけているのと同じお守りが結のカバンについているのを見つけた。それで声をかけてきた。彼女は福岡市から引っ越してきたばかりで知り合いもおらず、不安だっと言う。しかし、結との共通点を見つけて気が紛れたと言う。こうして二人は仲良くなった。
クラスには、幼馴染の古賀陽太(菅生新樹)もいた。彼は結のことを「おむすび」と呼んでいる。フルネームが米田結であり、「米を結ぶ」からおむすびなのだと説明した。
さらに陽太は、結の姉・歩のことを恵美の前で話そうとした。引っ越してきたばかりで何も知らない彼女には知られたくないと思い、結は慌てて陽太を遮った。
しかし、結が歩の妹であることはその後すぐに知れ渡ってしまった。
クラス担任・松原(長谷川忍)が結の名前から気づき、クラス全員の前で話してしまったからだ。結の姉・歩は入学してすぐに停学処分となる学校記録を持っていると面白おかしくしゃべってしまった。結は恥ずかしくて俯くばかりだった。
その話を聞いたクラスメイトの柚木理沙(田村芽実)は、机の陰でケータイをいじり、どこかにメールを送った。
糸島市は博多から20kmほどに位置し、山と海に囲まれた自然豊かな地域である。
姉のことがクラス中に知れ渡ったことで、結は落ち込んでしまった。学校の帰り道、一人で港に寄り道し、じっと海を眺めていた。
しばらくすると、そばで子どもの鳴き声が聞こえてきた。どうやら、帽子を海に落としてしまったらしい。兄が棒切れで一生懸命取ろうとするが届かず、弟は泣き続けている。
結は後先のことを考えず、制服のまま海に飛び込んだ。小さい頃からこの海で遊んでいるので泳ぎは得意で、難なく帽子を掴むことができた。
通りがかった野球部の四ツ木翔也(佐野勇斗)も海に飛び込んだ。彼は結が海に落ちて溺れていると勘違いしたのだ。海に浮かびながら冷静に大事はないと説明する結であったが、四ツ木は結を懸命に救助しようともがくのだった。
陸に上がってもふたりの押し問答は続いた。
結が子どもに帽子を返したが、それでもその子は泣き止まなかった。母から買ってもらった大切な帽子が台無しになったことが悲しくてたまらないのだった。結はカバンからトマトを取り出した。今朝、朝食がわりに家から持ってきたものである。
「美味しいものを食べたら、悲しいことを忘れられる」と説明して、その子に食べさせようとした。
しかし、その子はトマトは嫌いだと言って泣き続けるばかりである。
結は、自分も昔はトマトが嫌いだったと話した。しかし、自分の家で採れたトマトは格別に美味しいのだと説明し、実際に食べてみせた。泣いている子の兄にも試食させると、兄は美味いと話した。それで弟も食べてみる気になり、一口齧ると泣き止んだ。
お節介な四ツ木にもトマトを差し出したが、彼はそれを断り、走り去ってしまった。結は彼のことを変な人だと思った。
事件も落ち着き、結はその場を去ろうとした。
すると、向こうから派手な格好をした4人組のギャル(みりちゃむ、谷藤海咲、岡本夏美、およびクラスメイトの理沙)が近寄ってきて、結に声をかけた。