NHK『おかえりモネ』第58回

今劇場公開されている『東京リベンジャーズ』という映画には全く興味がなかったのだけれど、今田美桜さんが出てると知って、そこだけ見たいなと思うようになった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第58回めの放送を見ましたよ。

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第12週『あなたのおかげで』

東北地方に台風が上陸するという観測史上初の事態にあたり、百音(清原果耶)は地元の人々に事細かに対策を指示した。そのおかげで大きな被害を避けることができ、百音は大いに感謝された。人の役に立てたと思い、百音は大いに喜んだ。

しかし、その様子を見た神野(今田美桜)が冷水を浴びせるような言葉を発した。百音は常々人の役に立ちたいと言っているが、それは結局自分のための自己満足ではないかというのだ。
ただし、神野に悪気はなく、むしろ彼女自身も同じだと説明した。自分が認められたり、有名になりたいという欲求はシンプルで正直なことだと釈明した。実際、神野もそのような考えで行動している。彼女は報道キャスターになることを目指しており、気象コーナーの担当もそのためのステップだと割り切っている。マリアンナというミドルネームを付けているのも目立つためだと説明した。

神野は百音を責めるつもりは無かったものの、百音は一人で思い悩むようになってしまった。

ある日の午前、いつもなら朝の番組を終え帰宅する時間であったが、番組担当メンバーたちは朝岡(西島秀俊)に頼まれて会社に残った。
そこで鮫島祐希(菅原小春)という車いすマラソンの選手に引き合わされた。

鮫島は国際大会でも優勝経験のあるトップアスリートであるが、リオデジャネイロ・パラリンピックの出場権を逃してしまったという。代表選考のためのレースで天候を読み間違えたことが原因だという。雨が降ると思ったので防寒防水対策をして出場したが、実際には晴れ続けて熱中症になってしまったのだという。
4年後の東京パラリンピックにはどうしても出場し、優勝たいと思っている。そのために気象面からのサピポートをして欲しいというのだ。

百音や神野らは突然のことに言葉が出なかった。それに加えて、鮫島はきつい関西弁で、礼儀作法もおざなりで、見るからに勝ち気な性格だった。また、朝の番組のために昼夜逆転生活をしている彼女らにとっては日中の仕事が増えることになり、それも嫌がられた。
社長の安西(井上順)も反対だった。パラリンピックへの出場を逃したことで、現在は鮫島のスポンサーは皆無なのだ。そのため対価を支払う目処が立たない。本人は東京パラリンピックへの出場権を獲得すればスポンサーが付くのでその時にまとめて支払うなどと言っている。

全く良いところのない案件だったが、朝岡は大いに乗り気だった。彼はスポーツ気象班を立ち上げたいという野望も抱いているのだ。
鮫島が支払いできない分は朝岡が全て肩代わりするつもりだという。さらには、このプロジェクトを認めてくれないなら会社をやめて独立すると社長を脅した。社長は渋々折れるしかなかった。
神野らにテレビ局以外の仕事が増えることについては、残業手当をきちんと出すということで納得させた。

百音にはスポーツ気象を手掛ける本当の目的を話した。
今後、気候変動によって地球環境は過酷になることは間違いない。実際にそうなる前に、人々に気象の重要性を啓発したいと考えているのだという。そのことをわかりやすく伝えるためにスポーツが利用できるのだと言う。気象情報によって自分を守るばかりか、新たな成功を掴むことができるのだと実証して見せることが近道だと考えているのだ。
それを聞いて百音も協力することになった。

さらに朝岡は、近い将来、気象キャスターを辞めるつもりだと宣言した。

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NHK『おかえりモネ』第57回

最近ちょっとおもしろくなくなってきたなと感じていて、ここが正念場だと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第57回めの放送を見ましたよ。

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第12週『あなたのおかげで』

8月23日、翌日には東北地方に台風が上陸すると予想された。東北の太平洋側からの上陸は観測史上初のことであり、勢力も非常に強い。現地の人々にとっては経験のしたことのない事態であり、厳重な対策が必要だと考えられた。朝の情報番組『あさキラッ』でもトップで扱うことになった。

いつもは朝岡(西島秀俊)が自ら原稿を書いているが、今回ばかりは百音(清原果耶)も多くの意見を述べ、それが反映された。その結果、事細かに具体的な対策が番組で伝えられることになった。それは被害を未然に防ぎたいという百音の強い希望であった。

番組とは別に、百音は宮城の親しい人々にも連絡をした。山間部の登米には川の増水に特に注意するよう伝えた。

一方、実家には高潮に警戒するよう促した。台風の上陸予想時刻と満潮時刻が重なるため危険だという。地元の漁船を安全なところに避難させる必要があるという。
しかし、すでに風や波が強くなりだしていた。漁船の避難には危険がつきまとうと考えられた。

連絡を受けた耕治(内野聖陽)は、帰りの渡し船が欠航になるのを覚悟の上で気仙沼に渡った。嵐の中で巧みに船を操れるのは及川新次(浅野忠信)しかいないと思い、彼に協力を頼みに行った。
しかし、東日本大震災で漁船と妻(坂井真紀)を失った新次は仮設住宅で自暴自棄な生活を送っている。耕治の頼みも素直に受け入れようとはしなかった。百音が生まれる日も嵐で、耕治の頼みで新次が船を出した。その時のことを引き合いに出し、あざけ笑った。

けれども耕治は、新次も今回の台風を強く心配していることがわかった。部屋の中に新次の描いた天気図が落ちているのに気付いたのだ。
耕治は、新次は海が好きで漁船が無為に失われるのを見ていられないはずだと指摘した。その一言を聞くと、新次はついに決心し、海に向かった。
こうして、漁船は全て安全なところに避難させることができた。

翌日(8月24日)、台風は予想通り東北地方を襲ったが、大きな被害はもたらされなかった。

8月26日、無事に台風は通過し、百音たちにも日常が戻ってきた。台風情報で休止になっていた神野(今田美桜)の屋外中継コーナーも再開された。
しかし、そんな日に限って、神野は屋外で転んでしまって泥だらけになった。百音は神野を自分のシェアハウスに連れてきた。銭湯を改装した建物であり、立派な浴場があるからである。ずっとイライラしていた神野であったが、大きな風呂に入り、ビールを飲むとすっかり機嫌が良くなった。

神野と共に百音が愉快にビールと食事を摂っていると実家から電話がかかってきた。祖父・龍己(藤竜也)は、百音の適時的な助言のおかげで漁業設備に被害がなかったと深く感謝した。百音のおかげでみんなが助かったと言われ、百音は嬉しかった。
その様子を見ていた明日美(恒松祐里)も喜んだ。百音が東日本大震災の時に何もできなかったと悔やんでいたことにうすうす気づいており、やっと百音の念願が叶ったと思ったからだ。

しかし、神野はそんな百音に冷水を浴びせた。
百音は人の役に立ちたいと言っているが、それは結局自分のためであると指摘した。

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NHK『おかえりモネ』第56回

今週のあらすじを読んで、なんかちょっとビミョーな感じがするなと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第56回めの放送を見ましたよ。

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第12週『あなたのおかげで』

2016年8月20日。
台風が発生し、4日後に東北地方に上陸すると予想されていた。海水温などのデータから、この台風は大きく発達すると予測された。しかも、上陸地点が東北地方となることは観測史上例がなかった。現地の人々は台風に慣れておらず、何もしなければ大きな被害の出ることが心配された。『あさキラッ』の気象コーナーでは強めに注意を促すことにした。

百音(清原果耶)は実家のことが心配になり、放送後に電話をかけた。特に漁業設備への配慮を訴えた。簡易な作りの小屋は強風で倒壊するかもしれないし、漁船も転覆するおそれがある。漁業組合を通じて人々に周知するよう伝えた。これまでに無いことだから、より慎重になるよう重ねて強調した。

百音がテレビ局の仕事を終えてシェアハウスに戻ってくると、大家・菜津(マイコ)たちが大騒ぎしていた。彼女の祖父・肇(沼田爆)が熱中症でぐったりとしていたのだ。

救急車の到着をもどかしく思った百音は、機転を利かせてコインランドリーに駆け込んだ。はたしてそこには、いつものように洗濯をしている菅波(坂口健太郎)がいた。彼をシェアハウスに連れてきて、応急処置をしてもらった。
救急車が到着するまでの間、菅波は祖母・光子(大西多摩恵)にも軽い熱中症の兆しがあることを見抜いた。ふたりを救急車で病院に送り出し、大事には至らなかった。

その日、たまたまシェアハウスにいた明日美(恒松祐里)は、百音と菅波のただならぬ仲を怪しんだ。菅波が去った後、百音に探りを入れたが、百音は特別な仲ではないと大げさに否定した。

菜津の祖父母は、ほどなくして元気になって帰宅した。処置が適切で症状も軽かったので、点滴によってすぐに回復したのだ。

百音は、菅波にお礼の電話をかけた。菅波のおかげで助かったと感謝の言葉を述べた。しかし、菅波の反応がおかしかった。
それで、百音は以前に菅波に言われた言葉を思い出した。百音が遭難した小学生を助けたとき、その子の両親から、百音のおかげで助かったと感謝された。その時に、菅波は「あなたのおかげで助かりました」という言葉には注意するよう言われたのだ。

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NHK『おかえりモネ』第55回

今日はプレミアムフライデーだし、早速『パンケーキを毒味する』を見に行こうかと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第55回めの放送を見ましたよ。

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第11週『相手を知れば怖くない』

周囲のスタッフがたしなめるのも聞かず、百音(清原果耶)は番組で連日にわたって水難事故の危険を伝えていた。ついには視聴者から、子どもが怖がって海水浴に行けなくなってしまったとクレームのメールまで受け取った。
仕事に行き詰まりを感じた百音は親しい誰かと話をしたくなった。しかし、百音の自由時間は平日の昼間である。電話をかけることをためらった。

いつものコインランドリーでふさぎ込んでいると、菅波(坂口健太郎)が姿を表した。近所にある大きな大学病院が彼の勤務先で、夜勤明けによく洗濯に来るのだという。

百音は、隔週で登米に通っている菅波に懐かしい人々の様子を聞き、みなが相変わらずだと聞いて安心した。久しぶりにみんなに連絡して、菅波にばったり会ったことを報告したいと話した。一方の菅波は、会ったことは秘密にしておいて欲しいと頼んだ。百音との仲を登米の人々にしつこくからかわれることが目に見えているからだ。
秘密にする、しないの押し問答をしているうちに百音の表情が少し明るくなった。

それでも百音はどこか元気がない。菅波は悩みを打ち明けるように促した。ただし、洗濯が終わるまでとの条件をつけた。
百音は、海と山と空が水で繋がっていて、互いに恵みをもたらすということに感激し気象の道に進んだ。それにもかかわらず近頃は、水は命を奪う恐ろしいものだと伝えてばかりである。あんなに水に親しみを持っていたのに、どうして正反対になってしまったのか自分でもわからないと話した。

話を聞いた菅波は、2つのことを指摘した。
ひとつめは、何かと距離が離れるとそれのことを忘れてしまうということだった。百音が東京の環境に順応してしまい、大自然の恵みをもたらす水の存在を忘れてしまったのではないかと話した。
ふたつめは、百音がまだ新人だという点であった。念願の仕事に就いて、成果を上げたいと思って空回りしているのではないかと指摘した。百音は故郷の津波被害で何もできなかったことを悔やんでいる。そのことが自分を追い詰めて、無理をしているように見えるというのだ。

百音は半分納得して、半分納得しなかった。
自分が何もしないまま、誰かが危険な目に遭うことを恐ろしく思っていたのは指摘のとおりだと思った。まさに新人の空回りだったと反省した。
一方で、何かと離れたことで気持ちが薄れることはないと反論した。東京に来てからも海や山への気持ちが離れたことはないと主張した。

加えて、菅波との距離が開いたとも思わないと話した。
ずっと会いたいと思っていた、と言ったところで洗濯終了のブザーが鳴り、話は打ち切られた。

それからというもの、百音は目に見えて変化した。番組で扱う内容も、星空観察の楽しみ方など明るいものに変わった。周囲も百音の肩の力が抜けたことを喜び、頼もしく思った。

ある未明、仕事に出かけようとしていた百音は、いつものように宇田川が浴場の掃除をしている音を聞いた。いつもと違うことは、壁に宇田川からの貼り手紙があったことである。洗剤が切れそうだから補充をして欲しいと書かれていた。
彼の字は上手で、百音はしばし立ち止まって見惚れてしまった。すると、その気配が宇田川に伝わったようだった。相手の姿は見えないし、返事も期待しなかったが、百音は字を褒めた。
すると、中から一言だけ「どうも」と聞こえた。

最初は不気味に思っていた宇田川であるが、相手のことがわかれば怖くなくなるのだなと思った。

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NHK『おかえりモネ』第54回

劇中は2016年8月9日だと予測したので、その日自分は何をしていたのかとtwitterのログを調べてみたら、福原愛のことを考えていた事がわかり、5年経っても自分は変わらないなぁと思う一方、この5年の間に彼女は現役引退して結婚して子どもを産んで離婚したんだから目まぐるしいなぁと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第54回めの放送を見ましたよ。

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第11週『相手を知れば怖くない』

2016年8月。
放送直前に、一文字市でアンダーパスが冠水し車が立ち往生したという情報が入った。その地域で大雨が降るという予想はしておらず、気象班の面々にとっては寝耳に水だった。

各方面から情報を集めると、急な雨雲の発達があり、予報が難しかったということがわかった。近年は異常な雨雲の発達が頻発しており、5-10分先の天候の予想が重要だと思い知らされた。
また、事故のあったアンダーパスは1ヶ月前に開通したばかりなのだという。そのため、大雨に対する経験が蓄積されておらず、通行止めにする手配が遅れてしまったとわかった。車の同乗者は心肺停止で蘇生措置中だとも知らされた。

百音(清原果耶)と共に新たに番組に配属された内田(清水尋也)は弱音を吐いた。彼は風の専門家で、これまでは風力発電や花粉飛散に関わってきた。ところが、気象報道に携わると、広い範囲の不特定多数の人々の命に関わる予報を行い、それを的確に伝えていかなくてはならない。
内田には荷が重く感じられた。それは百音も同様だった。

この経験は百音を変えた。
その日以降、神野(今田美桜)の気象コーナーで取り上げる話題として水難事故への注意喚起ばかりを提案するようになった。最初はパペットを使って柔らかく伝えるならよいと受け入れられたが、提案が連日続くようになり、周囲からもたしなめられた。朝の情報番組で暗い話題ばかり続くのはよくないからだ。
しかし、百音は聞く耳を持たなくなっていた。人々の命を救うためには、身近な危険は全て知らせなくてはならないという使命感に囚われてしまっていた。高村デスク(高岡早紀)も百音が行き過ぎていると感じていたが、その週だけは百音に任せることにした。

ある日の放送終了後、百音は朝岡(西島秀俊)に呼び出された。朝岡は視聴者からの1通のメールを百音に見せた。
それは、海の街出身の母親からのものだった。彼女は海を知らない3歳の息子を連れて実家に里帰りしたという。そこで祖父母と一緒に初めて海水浴に行くことを楽しみにしていたという。しかし、水難事故に関する放送を見た息子が怖がってしまい、海水浴に行けなくなってしまったという。海で育った自分は危険性をよく知っていて、対処もできる。一方、海を知らない子供たちに対しては、楽しさを知るきっかけを与えて欲しいと書かれていた。

朝岡は、これまでの行動を肯定しつつも百音を諭した。自然を良く知っている人は危険を避けたり被害を軽減する術を知っている。一方、自然のことをよく知らない人は、初めから自然を恐ろしいものと決めつけ、ますます遠ざかる。そのような人々がたまたま危機に遭遇すると誤った対処をして被害を大きくしてしまう。そのようなことが起きないように、子供たちが自然を知る機会を与えて欲しいと話した。
百音は表面では朝岡に従ったが、内心では納得がいかなかった。

仕事を終えた百音は、いつものように昼間のコインランドリーにいた。
愚痴を聞いてほしくて、未知(蒔田彩珠)や菅波(坂口健太郎)に電話をしようとしたが、彼らは仕事中だろうと思い、留まった。誰かに話を聞いて欲しいと声に出してボヤいた。

その様子は、偶然コインランドリーにやって来た菅波が全て見ていた。
菅波は百音に「納得がいきませんね」と声をかけた。

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NHK『おかえりモネ』第53回

僕の行きつけのランチ店「ももふく」の店主さんは全身オーガニックコットンの装いで頭にバンダナ巻いてるし、普段は物静かなのに急に慌てふためいてしどろもどろになるところがあって、菜津(マイコ)に似てるっちゃ似てるなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第53回めの放送を見ましたよ。

ももふくの典型的ランチ

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第11週『相手を知れば怖くない』

夜中にシェアハウスの浴場から物音が聞こえてくる。それを調べに行った百音(清原果耶)と明日美(恒松祐里)は突然鳴った大きな音に驚いた。大慌てで大家・菜津(マイコ)の部屋に助けを求めたが、彼女は出てこなかった。それどころか、全く別の方向から姿を現した。

菜津によれば、今まで隠していたが、その部屋には別の住人・宇田川が住んでいるのだという。
その人物は、菜津の祖父母(沼田爆大西多摩恵)が昔世話になった人の孫で、30-40歳くらいの男性だという。とても優しくていい人だが、部屋から出てこようとはせず、誰とも顔を会わせないのだという。
唯一、みんなが寝ている間に浴場の掃除をしてくれている。隅々までピカピカに磨き上げ、翌朝には気持ちのいい清潔な浴場に仕上げてくれている。

しかし、菜津や祖父母たちは彼のことをいい人だと言うばかりで、素性については彼らもよくわかっていないようだった。説明もいまひとつ要領を得ず、百音と明日美は不気味で不安になった。ふたりの部屋は菜津の隣だと信じていたのに、そこには素性の知れない男が住んでいると知らされたのだ。
菜津はこれまで騙していたことを謝り、引越し費用や仲介手数料を肩代わりするのでシェアハウスを解約してもいいと提案した。

百音と明日美はふたりで相談することにした。
明日美はとにかく一刻も早く出て行きたがった。ただでさえ東京は恐ろしいところだと思っているのに、自分の住まいの隣に怪しい人物がいることに耐えきれなかった。
一方の百音は住み続けても良いと考えていた。会社に近いことと家賃の安さがとても魅力的だったからだ。それに、百音は菜津のことを好いていた。彼女が宇田川のことを良い人だと言うのなら、それを信じてよいと安心していた。

その日に結論は出ず、明日美も我慢してもうしばらく様子を見ることにした。
すると、数日後には明日美もケロッとした様子で住み続けることを決めた。風呂を掃除してくれているとわかれば深夜の物音も気にならなくなったし、それ以外の時間は全く気配がないので慣れてしまったのだという。
こうしてふたりの生活は平穏に過ぎていった。

2016年8月、猛暑の季節を迎えた。
百音は東京の暑さは独特だと思った。気仙沼や登米の夏とは違う、早朝から気温と湿度の高い気候に辟易していた。午前4時に中継のリハーサルで外に出るだけで汗だくになるほどだった。
一方で、神野(今田美桜)と共に担当している気象中継コーナーは人気が出ていた。アサガオの開花実験について番組で紹介したところ、それを試した視聴者から子供の写真付きで報告メールが届いた。ふたりはそれを読みながらとても嬉しくなった。

そこへ朝岡(西島秀俊)が飛び込んできた。大雨でアンダーパスが冠水し、知らずに突っ込んだ車が水没しているという。
それは一同にとって驚きの報せだった。なぜなら、大雨が降るような予報や兆候が全く無かったからだ。慌てて雨雲レーダを調べると確かにそれらしいものが見つかった。

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NHK『おかえりモネ』第52回

神野マリアンナ莉子(今田美桜)は男性に求める条件のうち年齢上限は40歳だと言っており、それを20%近くも上回っている自分にショックを受けた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第52回めの放送を見ましたよ。

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第11週『相手を知れば怖くない』

朝の報道番組『あさキラッ』の担当チームに配属された百音(清原果耶)は午前3時半にテレビ局に行かなければならない。20時に就寝し、深夜2時に起床して身支度を整えた。

シェアハウスを出ようとした時、浴場の照明がついていて、中からブラシで床を擦るような音が聞こえてきた。百音は大家・菜津(マイコ)が掃除をしているのだろうと思い、声をかけた。しかし返事がないばかりか、突然明かりが消え、誰かの立ち去る影だけが見えた。
百音は恐ろしくなり、逃げるようにシェアハウスを出た。

百音が正式に『あさキラッ』チームに配属されて初めてのミーティングが始まった。
百音は、神野(今田美桜)とペアになって、屋外からの中継コーナーを担当することになった。神野とパペットの掛け合いが人気になりつつあり、パペットの操作をするためである。

ただし、それだけに留まらず、中継コーナーで扱う話題の選定も行うよう命じられた。
翌日、杉の話題を取り上げることを提案した。春先の杉は花粉によって人々に嫌われている。しかし、杉の香や森林浴にはリラックス効果があることを紹介したいのだと言う。それは、登米の森林組合で働いていた百音の得意分野であると同時に、空と山と海は互いに関連しているという百音の気象観に基づくものでもあった。
朝岡(西島秀俊)や高村デスク(高岡早紀)は百音の着眼点に感心し、その話題は採用されることとなった。

こうして、百音の東京での最初の週が終わった。
週末には、同じシェアハウスに住むことになった明日美(恒松祐里)と共に本格的な引っ越し作業を進めた。せっかく同じ所に住むことになったのだが、百音は昼夜逆転生活になってしまし、ふたりが顔を合わせるのは週末くらいしかなかった。

夜までに大方の作業を終え、ふたりはビールを飲みながら久しぶりにゆっくりと話した。未知(蒔田彩珠)と及川亮(永瀬廉)の恋の行方、明日美はもう亮に未練がないことなどを話した。明日美は百音の好きな人を聞き出そうとしたが、そもそも百音は誰かを好きになったことがなく、上手く答えられなかった。

すっかり酔っ払ってしまった百音は眠り込んでしまった。
しかし、明日美に揺り起こされた。奇妙な物音が聞こえてくるから一緒に調べてほしいというのだ。ふたりで浴場へ向かうと、中から突然大きな音が聞こえてきた。

びっくりして菜津に助けを求めると、彼女は深く謝った。
ふたりには話していなかったが、このシェアハウスには他の住人がいるのだという。菜津の祖父母に加えて、もうひとり別の住人がいるという。

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NHK『おかえりモネ』第51回

最近暑くて、ひっつめ髪にしているので “In the Closet” の Michael Jackson みたいな頭になっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第51回めの放送を見ましたよ。

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第11週『相手を知れば怖くない』

東京2日目の夜。
気象会社のアルバイト採用が決まった百音(清原果耶)は翌日から早速働き始めることになった。

上京や就職のことを親しい人々に報告した。
特に、気象予報士の勉強で世話になった菅波(坂口健太郎)には事細かな長文メールで連絡をした。しかし、なかなか返事が来ず、夜遅くに「がんばってください」という素っ気ない一文だけが送られてきた。百音は自分だけが舞い上がっていたように感じて恥ずかしくなった。

翌朝、スーツを着用した百音は9時ちょっと前に出社した。
百音は予報業務部・報道気象班に配属となった。前日と前々日にひょんなことで携わったテレビ放送を引き続き手伝うことになったのだ。
朝岡(西島秀俊)、内田(清水尋也)、神野(今田美桜)とチームになり、朝の情報番組『あさキラッ』の担当になった。神野と百音の機転で行ったパペットとの掛け合いが好評だったので、百音は生放送中にパペット操作を行う係とされた。社長の安西(井上順)はそのキャラクターののグッズ展開による収益を目論んでおり、百音の働きに期待をかけた。

その日は午前中で帰された。
朝の情報番組の担当者は、午前3時にテレビ局に集合し、放送を終えて9時過ぎにオフィスに出社する。いくつかの仕事をして11時半には退社するのだという。これからは百音も昼夜逆転生活を送ることになる。

翌未明、百音はきちんと午前2時に起きた。身支度を整え、テレビ局に向けて出発しようとした。
しかし、目を覚ましてからシェアハウスを出るまでの間、浴場から物音が聞こえていた。深夜なのにもかかわらずブラシで床を磨いているような音だった。中は見えないが、浴場の明かりも付いているようである。

百音は、大家の菜津(マイコ)が掃除をしているのだろうと思い、声をかけた。
すると、急に明かりが消え、誰かが逃げるように立ち去る影だけが見えた。

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NHK『おかえりモネ』第50回

坂口健太郎と同い年で名前はそっくりなのに、容貌は全く違う坂口涼太郎という人がいることを最近知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第50回めの放送を見ましたよ。

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第10週『気象予報は誰のため?』

朝の情報バラエティ放送前、仙台で暴風のおそれがある事をいち早く察知した。朝岡(西島秀俊)ら気象班は気象コーナーで大きく報じることを希望した。
しかし、高村(高岡早紀)デスクは気象庁からの発表もない不確かな情報を扱うことはできないと断った。当初の予定通り、黄砂の飛来について報じるよう命じた。

同時に、直前で番組内容に変更があり、神野(今田美桜)の屋外中継の時間が2分延長となった。そこで気象班は一計を案じ、延長時間の中で独断で仙台の防風について注意を促すことにした。

さらに、番組開始5分前になって、百音(清原果耶)の元に1枚の写真が届いた。徹夜で飲み明かしている幼なじみの後藤三生(前田航基)と早坂悠人(高田彪我)が、仙台の商店街で大きな看板が強風によって落下したと知らせてきたのだ。
百音はすぐさま朝岡に知らせた。そして、全国の大勢の人々を守るための気象予報も大事だが、自分は身近な大切な人を守りたいと話した。だから仙台の暴風のことはどうしても伝えたいというのだ。朝岡はそんな百音を否定しなかった。不特定多数の人々と自分の身近な人のどちらをとるかは、つねにある葛藤であり、そのことを忘れないようにと諭した。
その上で朝岡から命じられた百音は、災害担当記者の沢渡(玉置玲央)に伝えた。沢渡はすぐさま現地の職員に連絡し、取材の手配を行った。

そうして、6時20分ころから神野の屋外中継が始まった。
神野の脇には百音が控え、両手にパペットをはめて操作した。パペットと神野掛け合いをするという趣向である。神野は世間話のようにパペットに話しかけた。その内容は連想ゲームのようなものだった。花粉が飛ぶ季節である → 花粉は風によって運ばれる → 仙台では強風が吹くかもしれないから気をつけて欲しい、と巧妙に仙台の暴風に繋げた。

その頃、スタジオには仙台で風速26mが観測されたという情報がもたらされた。さらに、気象庁からこの後すぐに警報が発せられることもわかった。高村デスクも許可を出し、急遽スタジオから朝岡が伝えることになった。

神野の屋外中継は、風による落下物に注意をするよう伝えて終わった。
スタジオに切り替わると、朝岡が仙台の暴風を伝えた。さらに、沢渡が手配した現地映像も流すことができた。仙台の商店街の看板落下は特ダネだった。

8時半、放送は無事に終わった。
仙台では交通などに大きな影響が出ていた。事前に注意を促すことができてよかったと一同は安堵した。また、今日が初登場だったパペット(サメの「コサメ」とイルカの「傘イルカ」)や神野の名前がSNSのトレンドに挙がっていた。にわかに人気が出たことにもみんなは喜んだ。

そこへ、安西社長(井上順)から朝岡に電話がかってきた。百音をアルバイトとして採用することを決めたという。
面接もなく電話経由の伝言で急に伝えられた百音はキョトンとしてしまった。

仕事を終えた百音は、無事に採用されたことを電話で親しい人々に伝えた。
ただし、菅波(坂口健太郎)にだけはメッセンジャーによる文章で伝えた。まだ日中の早い時間なので仕事中だと思ったのだ。

百音は東京に来てまだ2日めである。
シェアハウスのオーナー菜津(マイコ)に教えてもらったコインランドリーで洗濯中に疲れて居眠りしてしまった。

そのコインランドリーに菅波がやって来た。しかし、洗濯機が全て埋まっているのを見てすぐに帰ってしまった。百音はテーブルに突っ伏して寝ており、顔が隠れていた。そのため菅波は百音に気づかなかった。

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NHK『おかえりモネ』第49回

10月のツアーを最後にDrop’sが活動休止することに意気消沈している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第49回めの放送を見ましたよ。

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第10週『気象予報は誰のため?』

朝岡(西島秀俊)ら気象班は仙台で強風が吹くと予想した。それを朝の情報番組で伝えたいと考えた。仙台の人々に備える時間を与えたいからだ。
しかし、高村デスク(高岡早紀)に却下された。強風について気象庁からの警報は出ておらず、不確かな情報を流すわけにはいかないからだ。

放送開始45分前(5時15分)、番組の放送内容が変更になった。大きな事件を伝える予定だったが裏取りができず、そのニュースを減らすのだという。その分の穴埋めは、神野(今田美桜)の気象中継に回されることになった。
神野は毎日、屋外から自身の体感や時候の話題などを伝えている。いつもは30秒ほどの出番であるが、今日は2分30秒に延長された。神野の出番まで残り1時間しかない中で、延長分の話題を練りあげなくてはならなくなった。

何を話そうか考えあぐねていると、気象班全員が朝岡に呼ばれた。浅岡は他の職員たちに聞かれないよう、個室でこっそりと話し始めた。
会社が独自に観測している風力データを調べたところ、仙台に強風が吹く確信を得たという。そのため、現地の人々に注意をうながす必要がある。
一方で朝岡は、伝える情報の優先順位への配慮も必要だと話した。今日の放送は全国的に影響を与える黄砂についてである。約1億人が影響を受ける黄砂と、たかだか10万人程度にしか影響のない仙台の強風では、どうしても前者を主として伝えなければならない。それは高村デスクの意向でもあり、朝岡にはどうすることもできない。

そこで朝岡は、神野の屋外中継を利用することを提案した。屋外中継は神野の体感を伝える場である。そこならば角を立てず、巧妙に伝えられると言うのだ。
神野は二つ返事で承諾した。そもそも神野は屋外中継の必要性に疑問を感じていた。毒にも薬にもならないようなことを毎日しゃべることに辟易していたのだ。ついに自分の腕の見せ所を得て、大きなやりがいを感じた。

6時20分すぎ、ついに神野の屋外中継が始まった。前半こそはいつもどおりに当たり障りのない話題を伝えた。
ところが、コーナーの後半になるとスタッフにも伝えていない演出を始めた。気象会社のパペットを登場させ、人形劇を始めたのだ。
陰からパペットを操作する係は百音(清原果耶)だった。

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