『麗しのサブリナ』を観た

サブリナパンツってのがあるっていうじゃない。ふくらはぎ丈のほっそりとした女性用ズボン。
基本的にフェミニンな女性ファッションを見るのが好きだし、ロングヘアーもしくはポニーテールの女の子が大好きな当方なのだけれど。ところが、ショートカットにサブリナパンツのちょっとボーイッシュな感じの女子は、それはそれで好きだったり。

というわけで、一度『麗しのサブリナ』を観てみたいと思っていたわけですよ。サブリナパンツって名称もこの映画から来てるって言うじゃない。宣材写真を見る限り、ショートカットで目がくりくりしたオードリー・ヘップバーンも激烈に可愛いし。
そんなわけで、観てみたわけです。
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『地獄の黙示録』を観た

小学校低学年の頃、プレイボーイのロゴのついた軍用ヘリコプターの写真を見た。蝶ネクタイをつけたウサギのアレ。そのロゴがプレイボーイのものであり、プレイボーイがどういう雑誌なのかということはずっと後になってから知ったのだけれど。
後というのはどれくらい後かというと、大学生くらいだったかと。一人暮らしで自分用のパソコンを入手し、インターネットプロバイダの Bekkoame と契約し(当時、使い放題で1万円/月は破格の安さだった)、テレホーダイ(深夜の電話代が定額料金になるサービス。2000-3000円くらいだっけ?)を使って夜な夜なウェッブサーフィン(死語)していた頃だと思う。Playboyのサイトにアクセスしたら、金髪美人のエロ写真が見放題だという噂を聞きつけて画像のダウンロードをしようとしてた頃ですね。結局、当時は回線が細くて、30分待ってやっと顔と胸が見えるか見えないかくらいしかいかなくて、ふて寝したんだけど。

それはさておき、プレイボーイロゴのヘリコプターは何年もずっと気になってて。その写真には、『地獄の黙示録』という映画のタイトルも書かれていたのを覚えていた。戦争映画らしいということはおぼろげに理解していた。「地獄」というおどろおどしいタイトルの戦争映画なのに、プレイボーイのヘリコプターなわけで、僕にはどういう映画なのかよくわからなかった。
よくわからなかったので40年近くそのままにしておいたんだけれど、一方で40年の記憶のしこりにそろそろケリをつけるべき時期だろうと思って。
そんなわけで、観てみたわけです。
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『戦場のメリークリスマス』を観た

一生に一度は観ておかないといけない映画だと思って。
デビット・ボウイにも坂本龍一にもトム・コンティにも北野武にもそれほど興味があるわけではないけれど。事前には、男色っぽい話だという噂を信じていて、それにもあまり興味はなかったんだけれど。

監督の大島渚にはちょっと興味があって、なぜなら恩師にちょっと風貌が似ていたり、野坂昭如とマイクで殴り合ったりしたりしたから(このセンテンス、全員死んでるな)。あと、みうらじゅんらがやってたバンドの名称が大島渚だったりするので、なんとなく親近感あるし。
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『パルプ・フィクション』を観た

連休だし、Chromecast with Google TVも買ったし、ということで何か名作映画でも観ようかと。

『パルプ・フィクション』はタイトルとジャケット写真だけ知ってるみたいな状態で。写っている女性がユマ・サーマンであることもよく知らなかったし、ていうかユマ・サーマン自体よく知らなくて。『キル・ビル』はずっと前に観たはずだけれど、栗山千明様くらいしか覚えてなくて(あと、布袋寅泰のテーマ曲)。本作のジャケット写真と『キル・ビル』の主人公が同じ俳優だとはいまいちわかってなかった。どちらも監督がクエンティン・タランティーノであり、彼が本作で名を挙げたらしいということまではかろうじて知っていたけれど。
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映画『私をくいとめて』を見た

去年の1月5日、僕は橋本愛さんの夢を見た。それからというもの、橋本愛さんのことが気になって仕方がない。
一方、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』に激ハマりし、当ブログでまとめ記事を完走して以来、のん(a.k.a 能年玲奈)ちゃんさんのことも大好物である。

この2人が『あまちゃん』以来となる共演で親友役を演じたという話を聞いて、映画『私をくいとめて』を見てきた。映画自体には特に期待していなかったのだけれど、とにかくこの2人が同じ画面に収まるところを見たかった。近所では上映されていなくて、大阪市内まで出かけなければ見ることができなかった。しかも、一番行きやすい難波の映画館では1日1回しか上映されていなかった。
新型コロナウィルスの感染拡大が留まるところを知らず、こんな時に大阪まで行くのもどうかなぁとは思ったものの、とにかくのん&橋本愛を見るために大阪まで行く私を食い止めることはできなかった。緊急事態宣言が発出され、外出が原則すべて禁止になったとしても、きっと僕は大阪まで見に行ったことだろう。とはいえ、緊急事態宣言下では映画館も休業すると思うケド。
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NHK『おちょやん』第15回

昨日はマクラを書き忘れた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第15回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

待ち合わせ場所に佇むシズ(篠原涼子)の所へやっと延四郎(片岡松十郎)が現れた。延四郎はシズが来ないものと思っており、彼にとっては嬉しい驚きだった。

シズは、20年前に自分が待ち合わせ場所に行かなかったことを恨んでいるか尋ねた。延四郎は全く恨んでおらず、むしろホッとしたと答えた。当時、延四郎は別れ話をするつもりでいたので、むしろ助かったと言うのだ。シズにはそれが延四郎の優しい嘘だとすぐに指摘した。昔から、延四郎は舞台以外では芝居が下手だと言ってからかった。
シズは、延四郎と別れて女将となったことを少しも後悔していないし、今の自分があるのも修行時代に延四郎の支えがあったからだと述べて感謝した。

こうしてシズと延四郎は禍根を残すことなく別れた。

その日、岡安は大きな団体客の応対をせねばならなかったが、シズ不在のままでうまくやり遂げた。
その最中、女優・高城百合子(井川遥)が岡安を尋ねた。彼女は映画女優に転向するため、奇しくも同じ日に道頓堀を去る。転向が嫌で逃げた時、岡安と千代(杉咲花)に匿ってもらった礼を言いに現れたのだ。皆は忙しくたち振る舞っており、千代に会うことは叶わなかった。百合子は、先代女将・ハナ(宮田圭子)にだけ挨拶をして街を去った。

シズが帰宅すると、千代に礼を述べた。千代がシズの背中を押してくれたから悔いを残さずに延四郎と別れることができると感謝した。

それから1ヶ月後の12月28日、延四郎が亡くなったとの報せがあった。彼は重い病であることを隠して舞台に立ち続け、それが引退の理由であったのだ。
舞台以外では芝居が下手な延四郎にすっかり騙されたと言って、シズは一人密かに泣くのだった。

そして年が明けて大正14年(1925年)になった。
千代の奉公の年季が明けた。千代は、自ら願い出て岡安で働き続けることになった。

朝、まだ岡安が動き出す前、激しく戸を叩く者がいた。
千代が出てみると、それは父・テルヲ(トータス松本)だった。

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NHK『おちょやん』第14回

当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第14回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

千代(杉咲花)は歌舞伎役者・早川延四郎(片岡松十郎)から、女将・シズ(篠原涼子)へ手紙を届けるよう頼まれた。ふたりの仲が道頓堀で悪い噂になり、岡安の商売に影響が出ている。当初、千代はきっぱりと断った。延四郎も諦めざるを得なかった。
しかし、延四郎としばらく話しているうちに情が移ってしまった千代は考えを改め、自ら手紙を引き受けた。

千代は手紙を差し出したが、シズは頑として受け取ろうとしなかった。押し問答の末、シズは手紙を受け取らない理由を説明した。
若い頃のシズは女将修行がうまくいかず、跡継ぎを諦めようとしていた。そんな時、延四郎に「どんくさい子が一生懸命努力し、一人前になっていく姿を見ていると自分の励みにもなる」と言って応援されたという。彼の励ましがなければ、今の自分はなかったと思うほどの恩人である。そのような人物の手紙を読めば会いたくなるに違いない。会いに行けば、岡安も家族も破綻してしまう。だから会いに行かないし、手紙も読まないと述べた。

シズは話を切り上げるため、千代の年季明けの身の振り方に水を向けた。自分の将来すら考えていない千代が、他人の心配などする筋合いはないと叱った。
ぐうの音も出なくなった千代は、ヤケになって手紙をシズの机に置いて立ち去った。物陰から盗み見すると、シズは即座にその手紙を破り捨ててしまった。

いよいよ、延四郎の引退公演の千秋楽の日を迎えた。
その日は別の理由で岡安も大忙しだった。翌日に重要な団体客を迎え入れる準備があったのだ。いつもはのんびりしている夫・宗助(名倉潤)ですら仕事に集中しなければならなかった。娘・みつえ(東野絢香)の舞の稽古にはいつも宗助が付き添っていたが、それもできず、千代が付き添うことになった。

みつえは母の跡を継ぐことを心に決めている。加えて、父から甘やかされたお嬢様育ちであるため勝ち気である。同い年の千代にもきつく当たる。
みつえの気性の激しさは、外の人間にも同様である。ライバル茶屋・福富の一人息子であり幼馴染でもある福助(井上拓哉)の姿を見つけるや否や、シズの悪評を流したことで食ってかかった。また、彼が跡継ぎ修行をせずに下手くそなトランペットで生計を立てようとしていることをバカにした。

福助は、家業の跡継ぎをしたくないのには理由があると話しはじめた。道頓堀での芝居興行は減少傾向にあるという。以前は一日中芝居が行われていたが、今では昼と夜の2回しかない。客の性質も変わり、芝居だけを見て、茶屋に寄らずにサッと帰る人が増えているという。実際、この10年間で多くの芝居茶屋が廃業した。福助から見れば、芝居茶屋に将来性はないのだ。
一方のみつえは、岡安を引き継いでもり立てることを夢見ており、福助の話は気に入らなかった。怒って、福助のトランペットを川に投げ捨てた。
千代にとっては、初めて聞く話で少なからず驚いた。

みつえの稽古の送迎を終えて戻ると、団体客対応の大詰めで岡安はさらに騒がしかった。店の要であるシズはてんてこ舞いである。

そんな中、千代はシズに向かって、団体客のことは自分たちに任せて延四郎に会いに行ってほしいと言い出した。それは、団体客の対応を全て放棄するのと同じことだった。
千代は自分の身の振り方に関してシズから言われた言葉を引用した。曰く、自分がどうしたいかよく考え、それに従って行動しなければ後悔するというものである。千代は、その言葉は千代に向けたのと同時に、シズが自分自身に向けた言葉ではないかと指摘した。会いに行かないことで、シズに後悔してほしくないと言うのである。

千代は、芝居茶屋の将来が暗いという話を聞いて考えたと話した。確かに自分は芝居が好きだし、岡安のことも好きである。だからここにいたい。
しかし、それよりも自分がもっとも優先したいことは、シズに恩返しすることだと述べた。実家が夜逃げして、自分には行き先がなくなった。そんな時に助けてくれたのはシズである。シズがいなければ、今の自分はいなかったに違いない。
自分にとってシズが恩人であることを思えば、シズにとっての恩人である延四郎のことをどう思うかは容易に想像できる。会いに行かなければどれほどの後悔をするかわかると述べた。

話を聞いていた女中連中も千代に同意した。先代女将・ハナ(宮田圭子)も承諾した。夫・宗助は、妻が昔の男に会いに行くなど承知し難かったが、それでは格好がつかないので平静を装って承諾した。

こうして翌朝、シズは延四郎との待ち合わせ場所へ向かった。

その頃、延四郎は興行主の大山鶴蔵(中村雁治郎)と別れの挨拶をしていた。延四郎が妙に早く出発するので訝しく思う大山であったが、気持ちよく送り出そうとした。

その矢先、延四郎が突然倒れた。

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NHK『おちょやん』第13回

2021年2月から放送の始まるNHK大河ドラマ『青天を衝け』に橋本愛さんが主人公・渋沢栄一の妻役で出演するわけだけれど、その役名も千代だと知ったし、みんなの予想に反して杉咲花よりも橋本愛さんの方が好きな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第13回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

夜店見物の途中、シズ(篠原涼子)は歌舞伎俳優・早川延四郎(片岡松十郎)に偶然出くわした。今回の公演を最後に廃業しようとしている延四郎は、千秋楽の翌朝にもう一度会いたいと願うのだった。
直後、シズの夫・宗助(名倉潤)と娘・みつえ(東野絢香)が迎えに来た。シズは何も答えず立ち去った。

その一部始終は、ライバル芝居茶屋・福富の女中たち(丹下真寿美沢暉蓮藤本くるみ)が盗み見していた。彼女らは尾ひれをつけて、シズが延四郎と逢い引きしていたと街中に噂を流した。
道頓堀では、芝居茶屋の女中と役者の色恋はご法度である。特定の役者や芝居小屋を贔屓している見られ、信用を失うからである。福富の女中らの目論見は見事にあたり、シズの芝居茶屋の客がみるみる減った。

シズへの誹謗が大きな結果を生んだのには遠因があった。当時を知る岡安の女中頭・かめ(楠見薫)によれば、20年前にもシズと延四郎との間には一悶着あったという。

シズが岡安を引き継ぐために女中修行をしていた時分、延四郎と恋仲になった。延四郎は東京に進出することになり、駆け落ち同然でシズを連れて行こうとした。シズもその気になり、道頓堀での興行の千秋楽の翌朝に待ち合わせをしていた。
しかし、すんでのところで先代女将・ハナ(宮田圭子)に止められ、それきりになったのだという。

家中の騒ぎを鎮めるために、シズは自ら皆に語った。
過去にしきたりを破って延四郎と恋仲になりかけたのは事実であると認めた。そのせいで現在、岡安の看板に泥を塗る形になって申し訳ないと深く謝った。
そしてシズは、今まで隠し持っていた延四郎からの手紙を全て焼いてしまい、未練を断ち切った。

岡安への客足が遠のいたとはいえ、皆無ではなかった。千代(杉咲花)は残った客のために芝居小屋の座席を整えていた。そこで、噂の出どころである福富の女中たちと出くわした。
千代は、街の事情通である乞食・小次郎(蟷螂襲)から仕入れた情報を語った。曰く、福富の女中たちも二枚目俳優などとこっそり会っているのだ。それを聞かされた福富の女中たちは大いに慌てた。

仕返しをして気の晴れた千代は岡安に戻ろうとした。その道中、延四郎に捕まった。彼は、これが最後だと言ってシズへの手紙を千代に託そうとした。しかし、千代は頑として受け取らなかった。
その代わり、延四郎に請われ、現在のシズの様子を話してやった。シズが夫と娘に囲まれ、幸せに暮らしていると聞いて延四郎は満足した。

逆に千代は、延四郎が廃業する理由を尋ねた。
延四郎によれば、歌舞伎界は名のある家に生まれないと出世できないという。自分は生まれが悪いため、大阪ではうまくいかなかった。それで東京に行ったが、そこでも苦労が多かった。もう潮時なのだと話した。

そうして寂しそうに立ち去ろうとした延四郎を千代が呼び止めた。

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NHK『おちょやん』第12回

今朝はコンタクトレンズを付けずに裸眼で書いてるので誤字脱字がたくさんあったらごめんなさいと先に謝る当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第12回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

千代(杉咲花)は、街で見つけた高城百合子(井川遥)を岡安に匿った。彼女は何かから逃げている様子であり、また、千代が演劇に憧れるきっかけとなった女優だったからだ。

千代は知らないことだったが、百合子は会社と揉めて飛び出したのだった。
会社は、百合子に映画女優に転向するよう説得していた。しかし、映画は舞台よりも格下だと考えられており、百合子のプライドがそれを許さなかったのである。

岡安で安心した百合子は、千代にお茶子になった理由を聞かれた。
しかし、千代は明確に答えられなかった。親に売られ、これ以外に道はなかったのである。他にやりたいことはないのかと聞かれたが、それも特に思いつかなかった。

逆に、千代は百合子が女優になった理由を尋ねた。
まず百合子は、男に負けたくなかったと答えた。血縁者に頼ることができない境遇であったので、自分ひとりの力で生き抜くために女優になったという。
そして、それよりも大きな理由として、自分自身の内なる声がそう告げたのだと話した。その答えは、千代には想像もつかないことで、よくわからなかった。

千代はよくわからなかったものの、今の百合子には女優を辞めろという内なる声が聞こえているのかお尋ねた。不躾な質問をする千代に対して、百合子は気分を害した。それ以上喋らなくなった。

困った千代は、「私は、ただ、しようと思うことは是非しなくてはならいと思っている」と言った。すると百合子は「神聖な義務を思い出した。私自身に対する義務です」と答えた。
それは、演劇『人形の家』の中のセリフであり、過去に百合子が演じたものだった。その台本を持っている千代はそれを読むために字を覚え、今ではすっかり全て暗記してしまったのだ。百合子も過去の出演作でありながら、セリフをしっかりと覚えていた。ふたりでしばし掛け合いをした。

そのやり取りを通じて百合子はすっかり立ち直り、帰ることにした。
百合子は、芝居が好きなら自分でやってみるべきであり、人は一生に一度は本当にやりたいことをやるべきだと言葉を残して去っていった。

その夜、女将・シズ(篠原涼子)は家族と夜店を覗いていた。髪飾りを探しに言った宗助(名倉潤)とみつえ(東野絢香)を待つ間、石段に座って休んでいた。

その時、同じく夜店見物に来ていた歌舞伎役者・早川延四郎(片岡松十郎)に声をかけられた。20年ぶりの再会であった。
延四郎は何度も手紙を書いたのだが、シズは一度も返事を書かなかった。シズは、今でもそれらを持っているが、延四郎には全て読まずに捨てたと嘘を言った。

延四郎は、自分の興行の千秋楽の翌朝、もう一度ここで会いたいと言った。

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NHK『おちょやん』第11回

スター・ウォーズのスピンオフ連続ドラマ『マンダロリアン』を一気観したせいか、自分がマンダロリアンの一員になる夢を見てしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』の第11回めの放送を見ましたよ。

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』

大正13年(1924年)秋。千代(杉咲花)は数え歳で17になり、岡安で奉公をはじめてから8年が経った。

千代はすっかり一人前のお茶子となっていた。得意客の好物をほとんど暗記しているなど、先輩お茶子よりも秀でているところもあった。岡安の本家ではあるが今や勢いの衰えつつある芝居茶屋・福富のお茶子たちに嫌味を言われることもあるが、千代は口先も達者で逆に言い負かすほどである。

岡安は、先代女将・ハナ(宮田圭子)が夫と共に開いた。その夫は早くに亡くなった。ハナは女手一つで店の切り盛りと一人娘・シズ(篠原涼子)の養育を行った。
店の得意客だった宗助(名倉潤)がシズに惚れ込み、婿養子となった。シズと宗助の間には一人娘・みつえ(東野絢香)が生まれた。千代と同い年のみつえは、岡安を継ぐつもりでいる。ハナと宗助はそれを喜んでいるが、シズはどこか面白くなかった。

千代は忙しい仕事の合間を縫って、芝居を盗み見するのが常だった。
今日は、早川延四郎(片岡松十郎)の芝居である。興行の中日を過ぎ、役者たちが疲れて精彩を欠いているのがわかった。そんな中、延四郎だけは張り切っているように見えた。聞けば、この興行は延四郎の最後の公演なのだという。彼は役者を辞めて故郷に帰るのだという。

その日の夜、千代はシズに呼ばれた。
岡安では数え歳で18になると年季明けという決まりになっているという。あと数ヶ月で年が明ければ、千代も年季明けである。身の振り方を考えろというのだ。千代は即座に女中として引き続き働きたいと申し出るが、シズは安易に決めるなと言って受け入れなかった。よく考えずに決めてしまうと後悔する結果になるというのだ。
それで千代はしばらく考えることにした。しかし、自分が本当は何がしたいのかなど考えたことがなかったので困ってしまった。これまではその日を生きることが精一杯で、将来の展望など考える暇もなかったのである。

千代は、道頓堀の乞食たちとも仲良くやっている。余った弁当を彼らに分け与えたりしているのだ。
その日も乞食たちの所へ行くと、頭からボロ布を被った見慣れない乞食がいた。その者は施しなど受けないと言って弁当を受け取ろうとしない。

不審に思って千代がしつこく声をかけると、それは千代の憧れの役者・高城百合子(井川遥)だった。

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