太ももの手術跡のせいでもう10日以上もガシガシとシャワーできなくて、太ももが痒くてたまらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第28回めの放送を見ましたよ。
2015年1月。
里帰りしていた百音(清原果耶)だったが、のんびりしていることはできなかった。すぐに仕事初めとなったので、とんぼ返りのように登米へ戻った。
そして、今月は気象予報士試験もある。菅波(坂口健太郎)のプランでは、今回の試験は練習のようなもので、次回8月に実施される試験で学科合格を目指している。それでも手を抜かずに勉強に打ち込んだ。
いよいよ気象予報士試験の日になった。試験会場は仙台で9:45から16:00まで、一般知識、専門知識、実技試験(2回)が行われる。
朝の出発時、慌ただしくしている百音に菅波からメールが届いた。ただしそれは温かく励ますような内容ではなく、効率的な解法方略を事細かに長々と指示するものだった。さすがの百音も鬱陶しくなった。
メールの文面では平静だった菅波だが、自分のことのように緊張して落ち着かなかった。約束したわけではなかったが、いつも勉強会を行っているカフェで百音の帰りを夜まで待っていた。百音も、約束がなかったにもかかわらず、カフェに顔を出した。その途端、菅波は何でもない風を装った。試験を終えた開放感で高揚しもしかしたら学科試験に合格する出来だったかもしれないと報告する百音に対して、菅波はいつものように冷たく、きっと無理だろうと答えるのだった。
試験の結果は3月に通知されることになっており、それまでは待つより仕方なかった。
ある日、森林組合に田中(塚本晋也)から連絡が入った。注文していたダイニングテーブルセットを一方的にキャンセルするという内容だった。すでに田中からデザイン案の了承を受け、木材の加工も始まっている。あまりのことに、職員たちは驚いた。
事情を聞こうと連絡をしても田中は一切電話に出なかった。また、最近は診療所にも通っていない様子だった。
気になった百音は、診療所で田中の様子を聞いてみた。その日、菅波は東京に帰っており、彼の指導医でもある中村医師(平山祐介)が当番だった。
しかし、中村は職務上、患者の病状については他言できないとして詳しいことは教えてくれなかった。ただし、中村がしっかりと訪問診療を行っていると説明した。また、菅波は訪問診療に対して協力的ではないということも聞いた。
埒が明かないと思った百音は、直接田中の家へ向かった。自宅併設の喫茶店は明かりが消え、営業していないようだった。ヤカンで湯を沸かしている様子はあるが、田中本人の姿は見えない。気になった百音が奥に進むと、呼吸器を着けた田中がベッドで苦しそうに寝ていた。ヤカンの湯で飲み物を飲ませると、田中は落ち着き、少し話ができるようになった。それでも、体を動かすのが辛く、ほとんど何もできないのだという。
田中のベッドの視線の先には蓮の花の写真があった。田中は、蓮は極楽浄土に咲く花であり、そんな所に行けるならもう思い残すことはないなどと話した。そして、このままでは次の夏の蓮のシーズンに撮影に行くこともできないと語った。もう動けないのだから、テーブルや椅子はいらなくなったと言って謝った。
次の勉強会の夜、百音は菅波に田中のことを尋ねた。満足に歩くことすらできない田中であり、中村医師は訪問診療を行っている。それに対して、菅波は訪問診療をしていない。それはなぜなのかと聞いたのだ。
菅波は、根本的な治療をすることが大事だと考えている。そのためには、医者だけではなく病院や治療設備、看護師などのスタッフがすべて揃っている必要がある。田中の病状では入院する他に方法はなく、本人がそれを拒否するなら、菅波には何もできることはないと答えるのだった。
家に帰ってからも、百音はどうにも納得ができなかった。
サヤカ(夏木マリ)の家にも大きなダイニングテーブルがある。サヤカが多くの客人をもてなし、一緒に食事ができるようにと揃えたものである。
百音は、人が大きなテーブルを買う理由はそれ以外に考えられないと思った。もちろん、田中も。