先日見た『先生、私の隣に座っていただけませんか?』をもう一回観に行きたいと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第89回めの放送を見ましたよ。
9月15日19時、かつてない大きさの台風12号が静岡県伊豆半島に上陸した。電柱の倒壊による夜間の停電や地下街の浸水など、百音(清原果耶)ら報道気象班には続々と被害状況が知らされてきた。報道気象班は右往左往した。
そんな一同を、テレビ局の高村デスク(高岡早紀)がたしなめた。被害の取りまとめと報道はニュースで取り扱う情報であり、気象班の役割は別にあるというのだ。つまり、過去に起きた被害ではなく、これから起きる可能性のある被害を防ぐよう働きかけることが本務だと思い出させた。
そうして気象班は冷静さを取り戻し、番組では被害を食い止める方法を繰り返し伝えた。
台風は関東を直撃し大雨を降らせたが、22時半ころには落ち着き、警報も解除された。深夜3時には事態が収まり、テレビ局の特別シフトも解除された。
百音たちにはやっと休息時間が与えられた。
百音が帰宅しようとしていたところ、長野在住の視聴者・五十嵐(大方斐紗子)からの電話が取り次がれた。彼女が言うには、裏山にある小川が増水しているという。普段、その川はどんなに雨が降ってもチョロチョロとしか水の流れない川だという。それが昨夜からの雨で水量が大幅に増えているという。村の言い伝えでは、その小川の水が増えると下流の番場川が氾濫するという。
その話を聞いた百音は、朝岡(西島秀俊)が運用中のスマホアプリのことを思い出した。そのアプリは全国のユーザーが身近な気象情報を共有するものである。その中の投稿に、長野にある枯れた川が増水すると下流で氾濫が起きるという言い伝えが書かれていた。それとまったく同じ話だ思われた。
その頃、会社でアプリの情報を見ていた朝岡も続々と同じ情報が投稿されていることに気づいた。観測データを確認すると、確かに長野県の番場川の上流で大量の雨が降っていた。朝岡は危険を感じた。
視聴者・五十嵐との通話を終えた頃、朝岡からテレビ局の報道気象班に連絡があった。長野の番場川が氾濫するおそれを放送で伝えるべきだというのだ。
しかし、高村デスクは同意しかねた。一般の人々による言い伝えでは根拠が薄弱であり、デマの可能性もある。確固とした根拠がなければ放送しないというのが高村のポリシーであった。
朝岡は、異なる大勢の人々が投稿しているわけだから、嘘である可能性は極めて低いと説得した。また、付近で大雨が降ったことは事実であるし、以前に野坂(森田望智)が行った山の調査でもこの付近は保水量が低いことがわかっている。
百音も、昔からの言い伝えは過去の災害を踏まえているものであり、人々を守りたいという思いが込められているものだと訴えた。ゆえに安易に切り捨てるべきではないと主張した。
高村は、確固とした裏付けをとることを条件に放送することに同意した。