『ハリー・ポッターと死の秘宝』(7巻) / J. K. ローリング

2000年代初頭を生きたものの基礎的な教養として、ハリー・ポッターシリーズは一通り押さえておかなくてはいけないと思っているような、いないような。

そんなわけで、最新刊にしてシリーズ最終巻となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』を読んだ。

もちろん、これまでに既刊は全て目を通している。
しかし、前巻(6巻)を読んだのは2年近く前だし、それ以前の物語を読んだのはもっとずっと前だし、登場人物や小道具、エピソードの数が尋常ではないので、以前の内容は実はあまりよく覚えていない。いずれも1回読んだだけで、再読とかはしていないし。
4巻の「炎のゴブレット」までは映画でも見たのでいくぶんかマシなのだが、5-6巻あたりはかなり記憶があやふや。ていうか、内容はおろか、タイトルすら忘却のかなた。

そんな僕が、復習なしで7巻を読み始めたところ、最初の数章はなんの話だかさっぱりわからなかった。
言われてみれば、6巻でダンブルドア校長が死んだことは思い出したけれど、それを受けて主要登場人物たちがどういう方針を立てたのかとか、あまり説明されていないので、本当にちんぷんかんぷんだった。どっかで見た気はするけれど、ぜんぜん覚えていないような登場人物が、当然のように次から次へと出てくるもんだから、もう手に負えない。
本当に、なんど本を投げ出そうと思ったことか。

しかし、なんとか我慢して字面を追っていけば、次第になんとなく話が飲み込めてきた。

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美少年~ダニエル・ラドクリフ~男前

話は大学の学部3年生ころにさかのぼる。
場所は札幌北区の”カネサビル”(飲食店が多数営業している雑居ビル。ていうか、安酒を出す店がメインで貧乏な北大生の溜まり場)だったと思う。

こんなの美少年の味じゃないわ!

とは、当時「悪くないじゃん、この子」と、当方がちょっぴり心を寄せていた女の子の言。
ちなみに、僕の女の子遍歴を知っている人からは「うぞっ。マジ!?」と声が上がること間違いなしのクールな美女系(山瀬まみの対極にある)。
一度、酔っ払っての帰り際に「抱っこ~」と甘えてみたところ、一度だけハグしてもらった甘酸っぱい思い出。冬だったので、分厚いコートに阻まれて、感触がよくわからなかったのが悔やまれるところ。

閑話休題。
そんな彼女が飲んでいたのが、美少年という名を冠した日本酒

美少年(ヒト)の味がどんなものか知らない当方なので、「ふ~ん、そんなもんなのか」と訳のわからない納得をしつつ、「なんなら、俺の味を試してみるか?」とは口が裂けても言えなかった、年齢は20代前半なのに見た目は30代前半だった僕の淡い思い出。

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