「太陽の塔」(森見登美彦)

太陽の塔

もう一度、もう二度、もう三度、太陽の塔のもとへ立ち帰りたまえ。
バスや電車で万博公園に近づくにつれて、何か言葉に尽くせぬ気配が迫ってくるだろう。「ああ、もうすぐ現れる」と思い、心の底で怖がっている自分に気づきはしまいか。そして視界に太陽の塔が現れた途端、自分がちっとも太陽の塔に慣れることができないことに気づくだろう。
「つねに新鮮だ」
そんな優雅な言葉では足りない。つねに異様で、つねに恐ろしく、つねに偉大で、つねに何かがおかしい。何度も訪れるたびに、慣れるどころか、ますます怖くなる。太陽の塔が視界に入ってくるまで待つことが、たまらなく不安になる。その不安が裏切られることはない。いざ見れば、きっと前回より大きな違和感があなたを襲うからだ。太陽の塔は、見るたびに大きくなるだろう。決して小さくはならないのである。

(森見登美彦 『太陽の塔』 p.116)

太陽の塔を前にした時に我々が感じる畏敬の念を、これほど見事に捕らえた文章は、僕が知る限り他にはない。

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21世紀メルヘん青年

小池田マヤ著「バーバーハーバー」や浦沢直樹著「20世紀少年」をお読みの方にとって,万博公園は生涯に一度は巡礼すべき聖地であるし,太陽の塔にいたっては崇拝の対象となる偶像そのものでしょう.

そんな読者諸氏に成り代わって,僭越ながら巡礼の旅に行ってまいりました.
太陽の塔と俺

みなさん,太陽の塔の正面はなじみがあると思いますが,背中がどうなっているかご存知ですか?
正面の顔もかなり独特なキバった顔をしていますが,後ろもかなり邪悪な人相です.

太陽の塔の背中
    【その他の写真】

  1. 邪悪な人相のアップ
  2. 真下から見上げる
  3. 太陽の塔の説明パネル

しかし,万博公園はデカイ.1時間半歩いて,4分の1くらいしか見れなかった.何回かに分けて探索する必要がありますな.
今日は,バーバーハーバーで東子さんが散歩していたソラードと,2月21日から始まる「梅まつり」の舞台となる梅林の見学で終わってしまいました.

    【参考写真】

  1. ソラードは「空の道」.(写真)
  2. 森の集音器.普段は聞こえない木々のざわめきや,鳥の鳴き声が聞こえます.
  3. 森の万華鏡.木の枝が不思議な映像の世界を作り出します

梅まつりは2週間後ですが,すでにちらほら梅が咲いており,いい匂いもしました.
梅