NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』第4回

今朝はcron で twitter に自動投稿を仕掛けておいたすぐ横で、当方はNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第4回めの放送を見ましたよ。

盆踊り大会への出場を渋る布美枝(佐藤未来)であったが、祖母(野際陽子)から一生懸命踊れば良いのだ、そうすれば先祖が喜んでくれるだろうと言われ、思い切って踊ることに決めた。

盆踊り会場では、彼女の背の高さに対して、やはりガキ大将達から「電信柱」とはやし立てられた。しかし、盆踊りの大好きな先祖に喜んでもらうためにはここで挫けるわけにはいかないと、気丈に踊り続ける。入賞は逃してしまったが、先祖の霊は布美枝の踊りにとても満足した様子だった。

翌年、昭和18年になった。
戦局の悪化に伴い、国内の食料供給も欠乏し始めた。それを見越した布美枝の家では、ミツバチを飼育して蜂蜜を採取することを生業としていた。そのおかげもあり、彼女の家の食糧事情は悪くなかった。

姉のユキエ(足立梨花)は、父(大杉漣)の言いつけに従って教師になった。しかし、父の勧める農家との見合い話は断固拒否し続けている。ユキエは、父の言いなりになって田舎町で一生を過ごすのはまっぴらゴメンだと思っていることを布美枝にだけ打ち明ける。『モロッコ』のディートリッヒのようにここではないどこか遠くに行きたいという希望をもっているのだ。

この頃、後の水木しげること村井茂(向井理)は戦地へ出征した。
また、布美枝は見知らぬ若い軍人とぶつかり、お使いの卵を落として割ってしまう。ところが、彼も偶然卵を持っており、それを譲ってもらって事なきを得た。


卵のくだりで出てきた軍人は、特に深く掘り下げられるわけでも無く、いまいち意味の分からない登場。布美枝がお使いで卵を運搬していることについて特に文脈があるわけではなかった。そして、道端で衝突した相手が偶然に卵を持っており、しかもそれを布美枝に与えてしまっても一向に構わないという状況も不自然。何らかの伏線の可能性もあるけれど、どうも収まりの悪いシーンだった。

前半の盆踊りパートに関して。
からかわれるのがイヤで、頑なに盆踊り出場を拒んでいた布美枝なのに、「ご先祖様を喜ばせよう」という動機だけで迷いを払拭してしまうのも、ちょっと強引な展開に感じられてしまった。まぁ、それは良しとしよう。
もっとトホホな感じがしたのは、ご先祖さまの幽霊が人型の白い霧として現れたシーン。前向きになった布美枝が踊る背後に白いモヤが現れ、それが布美枝の背後で調子を合わせて踊る。そして、最後には吸い込まれるように布美枝の体の中に入っていく。
そこまでならまぁ我慢ができるのだが、その霊の存在を目撃したのが、布美枝自身や祖母ではなく、血縁の無いガキ大将であったことにはズッコケた。ガキ大将が布美枝のことを馬鹿にしながら眺めていると、彼の目に布美枝の先祖の霊が見えるのだ。

第2回の放送では、妖怪の気配を感じる布美枝と共感できるのは、後に夫となる茂だけだった(祖母は耳を傾けるけど、存在を感じているわけではなさそうだった)。妖怪や霊を感じることができるのは彼女ら2人だけで、その事実が2人の絆を強めるという、そういう設定で話が進むのだとばかり信じていた。
ところが、今日になって、脇役のガキ大将にまで霊が見えちゃったんだ。いくらお盆で、ご先祖様が里帰りであたりをウヨウヨしているシーズンだからといって、彼にまで存在が明らかになるというのは、ちょっとどうなんだろうなぁ、と。「子供は純粋な心を持っているから、妖怪や霊が見える」というトトロ的な設定なのかもしれないけれど、その路線で行くなら布美枝の兄弟姉妹にも見えているとか、そういう丹念な描写がないと、ちょっと納得が行かないなぁ。

そんなわけで、ちょっと妖怪・霊がらみの描写にブレが感じられました。これらの扱いは、水木しげるを題材にする以上、もうちょっと丁寧にやってくれないと興醒めです。

一方、後半で扱われた姉ユキエの跳ねっ返りぶりは、水木しげる/妖怪うんぬんを超えて、父娘の対立(もしくは、保守と革新の対立)という、わりと普遍的なテーマに沿うので興味の持てるところであります。

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