12日13:30よりBShiで『鬼太郎が見た玉砕: 水木しげるの戦争』が再放送されると知った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第112回めの放送を見ましたよ。
浦木(杉浦太陽)の情報によれば、大手の成田出版が『ゼタ』ごと雄玄社を買収して合併するという。深沢(村上弘明)はそのまま編集長として残り、多くの予算を得て充実した誌面ができるだろうと予想されている。成田出版の目論見は、『ゼタ』を支持する大学生などの青年層の取り込みである。
儲けのチャンスがあると睨んだ浦木は、深沢と親しい茂(向井理)から詳しく話を聞こうとするが、茂は知らぬふりをするのだった。
浦木の情報通り、合併計画は順調に進んでいた。深沢の部下・加納(桜田聖子)はこれまで規模の小さな仕事しかできずにくすぶっていた。しかし、大手との合併を見越して新規企画を次々に立ち上げるなど、やる気を取り戻してバリバリと働いていた。
ある日の夜、倉田(窪田正孝)は茂に自分の漫画原稿を見せて相談していた。新人漫画賞の締切りが3日後に控えていて焦っていた。自分でも駄作であることは自覚しているのだが、根本的な修正ではなく、小手先の体裁を整える方法を聞きたがった。
しかし、茂はもっとじっくりと作品に取り込むよう作家の心構えを話すだけで、作品へのアドバイスはしなかった。付け焼刃でデビューしても長続きしない、若いうちに実力を蓄えておかないと、すぐに才能が枯渇してしまうと諭すのだった。
久しぶりに茂とゆっくり話をしようとしていた布美枝(松下奈緒)であったが、彼らの様子を垣間見て、声をかけそびれてしまった。同時に、どんなに忙しくなっても漫画への情熱だけは昔と変わらない茂の態度を頼もしくも思うのだった。
布美枝から倉田の様子を聞いたいずみ(朝倉えりか)は仕事部屋を盗み見るが、苦悩する倉田に対してどうすることもできないのだった。
その夜、茂がひょっこりとダイニングに現れた。鬼太郎のテーマ曲の詞が完成したので、布美枝に真っ先に見せたかったのだという。布美枝はどんなに怖くて勇ましい歌になるのかと思っていたが、「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ」で始まる歌詞は愉快で面白いものであった。布美枝はいっぺんに気に入ってしまった。
同時に、久しぶりにゆっくりと話ができたことも嬉しかった。
しばらくして、茂の詞に曲が付けられ、主題歌が完成した。豊川(眞島秀和)と船山(風間トオル)はその主題歌をもってテレビ局を回ったところ、歌の面白さも相まってテレビ化の企画が順調に進みだした。しかし、『墓場鬼太郎』という縁起の悪いタイトルがネックになり、スポンサーの獲得でつまずいた。
3人で新たにタイトル案を練り、豊川の提案した『ゲゲゲの鬼太郎』が満場一致で採択された。
その夜、全身傷だらけになった深沢が村井家に現れた。彼は何も言わず、玄関に倒れこんでしまった。
「ゲゲゲ」とは、『墓場鬼太郎』でよく出てくるフレーズだったそうです。鬼太郎が田舎道をあるいているとカエルが「ゲゲ」と鳴いている。「ゲゲ」はカエルたちが鬼太郎と称える歌だそうです。
そもそも「ゲゲ」とは、幼少期の茂が自分の名前をちゃんと発音できずに「げげる」と言っていた。幼なじみ(e.g. 浦木)からも「ゲゲ」と呼ばれている。
つまり、「ゲゲゲ」は鬼太郎を賛賞するとともに、作者・水木しげる自身への応援歌にもなっているとか。「しげるの鬼太郎」なわけです。
実はこのことを知らなかった僕。