NHK『ゲゲゲの女房』第134回

 某美人人妻のblogを読んで「えぇー!『ゲゲゲの女房』は YouTube で見れるのぉ!」と驚きの声をあげつつ、決して彼女を非難するわけではなく、「自分はNHKオンデマンドで正直に見よう。たった105円で良心の呵責と戦いたくはない」となんとなく弱々しい声を吐いた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第134回めの放送を見ましたよ。

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「妖怪はどこへ消えた?」

 布美枝(松下奈緒)は、商店街の喫茶店で戌井の妻(馬渕英俚可)に会った。今日はテレビの取材で自宅は慌ただしいので、外で会うことにしたのだ。
 現在、戌井(梶原善)とその妻は千葉に住んでおり、4年ぶりの再会だった。戌井が手がけていた漫画出版事業は失敗した。今は名刺やチラシなどの印刷で生計を立てている。漫画出版でうまくいかなかったことに大ショックを受け、一時は漫画を全く読まないほど気落ちしていたという。しかし、最近は元気を取り戻し、少しずつ漫画も読んでいるという。やはり、漫画を読んでいる時の戌井が一番生々していると、妻は言う。

 戌井の妻は、戌井が気になることを言っていたという。最近の水木漫画は何かが物足りないという。布美枝は、確かに原稿の注文が減っていることを認めたが、特に変わった様子はないと告げた。

 その頃茂は、(向井理)は自宅でテレビ取材を受けていた。漫画の注文はなくなってしまったが、妖怪の専門家としてマスコミに取り上げられているのだ。
 取材では、人々に利益をもたらす妖怪について話すよう頼まれる。しかし茂は、それは妖怪の本来の姿ではないと言い切る。妖怪とはそこにある気配のようなもので、必ずしも利益の象徴ではないのだという。

 取材を終えたテレビスタッフは、帰りの道中で茂の考え方が時代遅れだと、ひとしきり愚痴った。視聴者は、自分の得になる情報を求めているのに、茂の談話はそれから外れており、ほとんど使い物にならないと言い切ったのだ。
 布美枝は、自宅に帰る途中で、彼らの陰口を偶然聞いてしまった。

 布美枝が家に帰ると、茂は今日の取材について話し始めた。布美枝は世間の人々は妖怪のことを誤解している、正しい情報を伝えるべきだ、と主張した。しかし、茂は、人々の求めるものに迎合する必要もあるのだと力なく答えた。

 そして、茂への漫画の注文は完全になくなった。

 何もすることがない茂は、自宅の民芸品を整理していた。ところが突然、大切にしていた民芸品をさして、それらは全て何の価値もないガラクタだと言い始めるのだった。
 家族は困惑した。
* * *





 時代は昭和56年なので、僕が小学2年生くらいの頃か。確かに当時の自分のことを思い返すと、藤子不二雄(「ドラえもん」)や長谷川町子(「サザエさん」)のことは知っていたが、水木しげるのことはよく知らなかったように思う。その後、数年経って、アニメの「ゲゲゲの鬼太郎」が放送されて、水木しげるのことは知るようになったが、どこか古臭い、昔の人という印象しかなかった。
 藤子不二雄や長谷川町子だって、水木しげるに負けないくらい古い漫画家なのに、彼らに対してはそんなことは思わなかった。昭和後期、水木しげるが時代遅れになり始めたという今日の内容は、自分自身の過去の記憶にとてもよく合致していた(今日の放送で松田聖子の「青い珊瑚礁」やクリスタルキングの「大都会」が喫茶店のBGMに流れたのも、僕の幼少時体験とよく合致してた)。

 そんなわけで、「ああ、俺の知ってる水木しげるの話になってきたな」と思いました。

 なお、本ドラマを見てから、初めて水木しげるの漫画に興味を持って、先週末は「総員玉砕せよ!」と「敗走記」を読みました。とても面白かったです。
 子供の頃に読んでいたら、きっと水木しげるのことを嫌いになっていたと思う。この年になって読んで、むしろ良かったと思う。

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