「朝ドラ評論家として日本でもっとも著名な社会心理学者」(@asarin)などというビミョーな紹介をされた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第53回目の放送を見ましたよ。
子供たちと気さくに付き合う和成(高良健吾)の様子を見て、陽子(井上真央)は彼のことをどんどん好きになっていった。一人でいると和成のことばかり考えてしまうのだった。しかし、出征を理由に結婚を断られたことをどうすることもできなかった。
そんな折、春樹(田中圭)が帰省した。大学で学んだ医学を活かすため、軍医に志願するのだと打ち明けた。海軍軍医学校に進学し、半年学んだ後、戦地に向かうという。
父・良一(寺脇康文)も自分の今後に関する密かな悩みがあった。航空技師としての経歴を買われ、名古屋の飛行機工場に招聘されたのだ。春樹の決断に触発され、要請を受けることに決め、その場で家族に発表した。新型飛行機の開発に携わることは、間接的に息子たちの助けにもなるというのだった。
名古屋に戻る道中、春樹は郵便配達中の真知子(マイコ)と出会った。ふたりは互いへの思いを秘めたままだった。自分の境遇を考えると、打ち明けることもできなかった。
二言三言交わすと、春樹は足早に去ろうとした。「どうかお幸せに」と背中で搾り出すように言うと、歩き去った。
ある日、良一は陽子を松本に誘った。新しい仕事の本を探しに行くのに付き合って欲しいと言うのだ。
ところが、それは良一の計略だった。空腹だと言って良一が向かった先は丸庵だった。躊躇する陽子を強引に店に押し込んだ。
予期しない客に徳子(樋口可南子)は驚きつつも、ふたりを大歓迎した。店を閉め、一家でもてなした。
和成の父(串田和美)は取っておきの日本酒を出してきて振舞った。和成を目の前に緊張していた陽子だが、勧められるままに生まれて初めて酒を飲んだ。意外に美味しく、陽子はつい飲み過ぎてしまった。
一同は楽しい雰囲気に包まれた。しかし、いつしか陽子は黙り込んでいた。目に涙をためながら、何かを話し始めるのだった。
良一が飛行機工場から招聘されたという話は、伏線もなかったと思います。唐突に話が出て、驚く視聴者(つーか、俺)を置いてきぼりにして、そのまま勢いに乗って名古屋行きを決めてしまいました。
これはあれですか?安曇野から家族全員がいなくなり、陽子は孤独になる。それで松本に引っ越して、丸庵に世話になる(なし崩し的に和成と結婚)という流れでしょうか?
春樹と真知子はなんだかよくわからないうちに、悲しい別れを経験したということになってしまいました。あまりにあっさりとした描かれ方で、このふたりが本当に相手に惚れていたのかどうか、正直よくわからない感じでした。