今朝、新幹線の中でワンセグを起動したが電波を拾うことができず、12:45-13:00の放送を大阪大学のキャンパスで受信した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第56回目の放送を見ましたよ。
陽子は次兄・茂樹(永山絢斗)にも結婚の知らせを送ったが、返事はなかったという。
一方、長兄の春樹(田中圭)は喜んで帰ってきていた。最愛の妹の結婚が嬉しいのはもちろんだが、陽子が良一(寺脇康文)に嫁入り前の最後の挨拶をするのを見たくてたまらなかったのだ。父が感涙にむせぶところを見逃すまいとしているのだ。
春樹はこっそりと父に様子を聞いてみた。すると、まだ挨拶はされていないという。
そこで、今度は陽子が一人のところに声をかけて、いつ挨拶をするのか聞き出そうとした。しかし、陽子は特に考えを持っていなかった。
春樹が父娘を焚きつけたことで、家の中は微妙な空気に支配された。
夕食を終え、ふと沈黙と緊張が場を支配した。
ところが、陽子が何かを言おうとした時、玄関に来客があった。祖母・富士子(渡辺美佐子)の運転手・神蔵(中原丈雄)だった。彼は富士子から、陽子へ白無垢の花嫁衣装を送り届けるよう命じられていた。その白無垢は、富士子が紘子(原田知世)のために誂えたものである。紘子が良一と駆け落ちしてしまったので着ることのなかった衣装である。陽子から知らせを受け、富士子はすぐに届けさせたのだ。
それはとても豪華で美しい花嫁衣裳であった。
しかし、あまりに豪奢すぎるため、戦時下の結婚式で着るには相応しくないのではないかと心配もした。そこで、家族には義理の母となる徳子(樋口可南子)に相談して決めると言った。そのことばを聞いて、春樹は陽子が他家の嫁になるのだと初めて実感した。
その時、良一も深く感じ入っていた。亡き妻に着せてやれなかった花嫁衣裳。それを愛娘が明日着るかもしれない。そして、それを着てしまったら、陽子が少し遠い存在になってしまう。そう思うと、良一は我慢できなくなってしまった。
「長い間、世話になったな。ありがとう。21年間娘でいてくれてありがとう。」
良一は、嫁入りの挨拶をあべこべに自分から言い出した。母亡き後、一家を切り盛りするばかりか、太陽の陽子として家中を明るくしてくれていた。その思いが一気に去来し、良一は涙を止めることができなくなったのだ。
「明日からは、丸山家の太陽の陽子になるんだ」
それが、父から娘への餞の言葉だった。
ふたりを冷やかすつもりでいた春樹も、思わず言葉を失うのだった。
そして、結婚式の朝を迎えた。
陽子は花嫁衣裳を徳子(樋口可南子)に見せて、着て良いか相談した。徳子は迷うことなく着ることを勧めた。
「こんなに良い着物を着ないなんて、オンナじゃない!」
徳子は気風が良かった。
そして、和成の準備などそっちのけで、実の母娘のように嬉々として陽子の着替えの手伝いをするのだった。
準備を整えた陽子はとてもきれいだった。列席者はみな、息を飲んで陽子を見つめた。
陽子が花嫁の席につき、いよいよ式が始まろうとした。
その時、誰かが障子を乱暴に開け放った。人々の視線の先には、厳しい顔をした育子(満島ひかり)が仁王立ちになっていた。陽子とは4年半ぶりの再会であった。
「お父さん、お母さん、長い間お世話になりました」っつー、定番の挨拶をギャグ仕立てで攻めて来ました。春樹が裏で暗躍し、陽子と良一を焚きつけるくだりは、なかなか面白かった。
で、娘ではなく、父の方から言い出すというのは、コロンブスの卵でちょっと舌を巻いた。考えれば単純なプロットで、もしかしたら他の物語でも類似ネタはあったのかもしれないが、僕は初めて見る流れでした。
そして、不覚にもうるっと来た。
なんだろうな。自分に娘(どころか、子供)はいないけれど、良一と同性の身なのでてなんとなく共感してしまったのだろうか。そういえば、山口百恵の「秋桜」(母娘の視点)はうるっと来ないけれど、芦屋雁之助の「娘よ」(父娘の視点)は好きだもんな。
それはそうと、ちょっと今日は展開が早すぎた感じもする。せっかく良いネタがいっぱい有ったのだから、もっと膨らませればよかったのに、と思う。父娘のやりとりだけで1日もちそうだし、義理の母のサバけた女っぷりは見てて小気味良かったよ。もっと陽子&徳子のやりとりを見たかったですね。
でもって、ラストになんだか様子のオカシイ育子が登場とか。盛り込みすぎー。