NHK『カーネーション』第22回

俺がミシンを完璧に使いこなせたとしても、意中の女の子にいきなり手作りのワンピースなんかをプレゼントしたら、喜ばれるどころか変態扱いされるかもしれないよなと心配し始めた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第22回目の放送を見ましたよ。

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第4週「誇り」

善作(小林薫)は心斎橋へ根岸(財前直見)を訪ねた。
カフェで生まれて初めてのコーヒーを飲みながら、根岸が糸子(尾野真千子)に洋裁を教えるよう頼みこんだ。しかし、根岸は会社に雇われて初心者向けのミシン講習を担当しているのであり、それは簡単に応じられないと断った。

けれども、そんなことで引き下がる善作ではなかった。自分は捨て身の覚悟で糸子に洋裁を学ばせたいと話し始めた。自分は呉服屋だが、これからは洋服の時代だと認めざるをえない。糸子は後先考えずに行動するタイプだが、洋服に関してだけは10年近くも全身全霊で打ち込んできた。自分はもう第一線から身を引き、糸子を引き立てる役に立ちたい。家財道具一式を売り払ってでも、根岸に謝礼を支払う覚悟があるとまくし立てた。そして、洒落たカフェの真ん中で、善作は土下座をはじめた。

東京で洗練された生活をしている根岸は、土下座されて自分の方が恥ずかしくなった。また、善作の熱意に圧され、ある条件と引き換えに糸子への指南役を引き受けることとした。

その夜遅く、善作はひどく酔って、岸和田に帰宅した。寝ている娘たちを全員叩き起こし、要領を得ないまま、コーヒーの話をひたすら続けるのだった。糸子たちはいったい何が起きているのか想像も付かなかった。

幼なじみの勘助(尾上寛之)が、不況のせいで務めていた紡績工場をクビになった。糸子はからかい半分、心配半分で彼を訪ねた。しかし、ちょうど和菓子屋の主人が身体を壊し、それを助けるために働き始めたという。その店は、勘助が小さい頃、何度もだんごを盗んでいた(第4回参照)和菓子屋だった。
働き始める時、勘助は主人に過去の罪を全て謝ったという。すると、主人は怒るどころかとても喜んだそうだ。それで勘助もたいそうやる気を出し、工場に務めていた時とは違って、活き活きと楽しそうに仕事をしていた。

糸子は悔しくなった。勘助が心配した以上に元気で肩透かしだったことや、彼はすぐに次の仕事が見つかったのに自分は何もせずに時間だけが過ぎていくことに腹立たしかった。
家に帰ると、善作が二階で謡を教えていた。その呑気さにも腹が立った。さらに、祖母(正司照枝)は訳もわからずイライラしており、雰囲気が悪かった。
母(麻生祐未)には、謡の弟子に挨拶をするよう促された。どうして自分がそんな者に挨拶せねばならないのかと、不承不承部屋を覗いた。

すると、そこでは根岸が一対一で稽古を受けていた。
根岸は今月いっぱいで東京に帰ってしまう。その前に1週間の休暇を取り、糸子の家に寝泊まりして洋裁を教えるのだという。その謝礼として、善作から謡を習うことになったのだという。
全て善作の根回しの結果なのだが、善作は根岸にその事は伏せておくように願い出てあった。そんなことを知らない糸子は、根岸に感謝してもしきれない程大喜びした。

いよいよ根岸が岸和田にやってきた。かっこ良く、颯爽と歩いてきた。

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根岸の受け入れに関しては、祖母だけが反対。元々、根岸のような女性が気に入らない祖母は、なにかとブツブツ言っている。大喜びする糸子とは正反対の状態として描写されています。たとえば、根岸のために洋食の練習をしているのを苦々しく眺めていたり、新しく打ちなおした布団にわざと先に寝てしまうなど。

今週の放送はあと2日。この2日の間で、根岸の洋裁レッスンは全て終了するものと思われる。
その間、嫉妬した祖母が色々と妨害 → 何かをきっかけに祖母も洋服の良さを知る → 和解 という展開があれば深みが出るような気がする。しかし、あと2日でそこまで描く余裕はなさそうだよな。

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