NHK『カーネーション』第69回

昨日のまとめ記事はマクラとラストを綾瀬はるかで結んでいたのと同様、実は小野小町の「いとせめて・・・」が糸の掛詞にになっていたわけで、誰か褒めてくれるかと期待していたのだが、誰も言ってくれなかったので自分で言ってしまう当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第69回目の放送を見ましたよ。

* * *

第12週「薄れゆく希望」

糸子(尾野真千子)は自分の傲慢が、町の人々から爪弾きにされる原因を作ったのだと反省した。町の人々に対してにこやかに接し、下手に出るよう心がけた。
おしゃれモンペ教室を再開したところ、心配したほどには客足は減らなかった。以前と同じように食料を代金替わりにした女性たちがやって来た。糸子は一安心した。

その矢先、婦人会の澤田(三島ゆり子)らが店にやって来た。以前なら澤田の顔を見ただけで腹を立てていた糸子であったが、自分を落ち着かせて穏便に対応した。
しかし、澤田の要求は糸子には到底受け入れられないものだった。国が戦時体制にある時期に、お洒落をしようなどというのは言語道断だというのだ。ボロ布以外でモンペを作ることを禁じられてしまった。

さらに、お洒落にうつつを抜かしているようならば、店にミシンは必要ないと言われてしまった。鉄を溶かして武器にした方がよほど国の役に立つ。そこで、翌日回収に来るから準備をしておけと言うのだった。
その命令に、ついに糸子は堪忍袋の緒が切れた。澤田らを怒鳴って追い返した。

澤田らを追い返したのはいいものの、明日にはミシンをとられてしまう。糸子は悩み始めた。
ミシンは一家の重要な生活の糧であるばかりか、善作(小林薫)の形見でもあるのだ。彼が一大決心をし、自分の商売を諦め、店の反物全てと引き換えに買ってくれたものなのである。絶対に手放すわけにはいかなかった。

困った糸子は、善作の仏前で手を合わせ、心のなかで相談した。もちろん、善作の遺影は何も答えてはくれなかった。

ふと見ると、優子(花田優里音)が隣に来て、一緒に手を合わせていた。
糸子は優子の髪を切ることを決めた。優子をかわいがる善作は、優子の髪を伸ばしておさげにすることを命じていた。糸子はそれが気に入らなかった。善作が口出しできなくなったのをいいことに、優子をオカッパにしてしまった。

優子自身は、自分の髪型を少しも気に入らなかった。そのため、むくれてしまった。
糸子は優子をなだめるために、みんなに意見を聞いて来いと追いやった。
家の者は、異口同音に新しい髪型が似合っていると褒めてくれた。しかし、それでは納得できなかった。

家を飛び出した優子は、隣の履物屋に飛び込んだ。
そこには偶然、木岡の弟・靖(多々納斉)が来ていた。靖は優子の新しい髪型を褒めつつ、糸子によろしく伝えるよう優子に頼んだ。軍の仕事を請け負っていて商売が順調な靖は、オハラ洋裁店に困ったことがあったら仕事を回すと約束していたのだ。いつでも糸子を助ける準備のあることを、優子に託して伝えた。

優子は家に帰って糸子に靖のことをすぐに伝えた。
それで閃いた糸子は、すぐに隣に駆け込んで靖に仕事を卸してくれるよう頼んだ。軍服の縫製を行えば、ミシンを供出しなくてもいいと考えたのだ。

その日のうちに軍服の仕事に取り掛かった。
翌日、澤田らがミシンを回収に来たが、糸子らは胸を張って軍に協力していると言い放った。軍服を作るためにはミシンが必要だから供出には応じられないと突っぱねるのだった。そう言われてしまっては、澤田も手ぶらで帰るしかなかった。
糸子は大切なミシンを守ることができた。

昨日と同じように善作の仏前に座った糸子は、事の顛末を善作に報告した。自分がいかに巧妙にミシン供出を免れたかを説明するのだった。

ふと見ると、優子が隣に来て、一緒に手を合わせていた。
そこで、あっと思った。全ては善作の差配だったと気づいたのだ。善作が優子を使ってことをまとめてくれたのだ。
糸子は、まだまだ善作にはかなわないと思った。

* * *

ラスト2分の演出が面白かったですね。その日の出来事を、糸子が逆回し再生で思いだすという演出。すーっとプレイバックして行って、善作が裏で手を引いていたのだと気づくくだり。
朝ドラにしては斬新な映像で面白かったです。あの映像表現は文章にできなかった。

コメント (2)

  1. nekobasan

    もちろん昨日のマク・ラ・ストが掛かっているのは気づいていました。
    むしろ、オノノコマチ~糸~糸子~オノマチコに一人ほくそ笑んでいた次第です。。あんまりチャチャいれるのもどうかと思ってコメしませんでした。

    • 木公

      面倒でなければ、どんどんチャチャを入れて下さい。コメント等の反応がないと、寂しくてウサギのように死んでしまいそうです。

      小野小町→尾野真千子は自分でも気づいてませんでした。確かにその通りですね。
      で、尾野真千子といえば、オープニング映像の冒頭で人形が「まち針」をプスッと刺すのは「まちこ」繋がりだと勝手に思っている僕がいます。

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