NHK『カーネーション』第68回

小野小町の「いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る」という歌があることを知り、寝間着を裏返しにして寝ると恋しい人の夢を見る事ができるというのでユニクロのスウェットを裏返して試してみたら、自分の結婚式の夢を見ることができて、花嫁はミニスカートのウェディングドレスで絶対領域も白く眩しい綾瀬はるかだったのだが、「俺的にはなんか違う。山瀬まみ、もしくはそれに準じる女の子じゃないと納得できん」とプリプリしながら目を覚ました当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第68回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

善作(小林薫)の葬式の翌朝、糸子(尾野真千子)は寝床でうつらうつらしていた。娘たちの健やかな寝顔を眺めつつ、善作がいなくなったことをしみじみと考えていた。

そこへ、いつも食事作りをしている清子(坂口あずさ)と光子(杉岡詩織)が騒ぎながらやって来た。家の食料がすっかりなくなっているというのだ。葬儀の参列者に立派な食事を振舞ったため、底をついてしまったのだ。

国内の物資が窮乏していて、今ではみな最低限の簡素な葬式しか行なっていない。静子(柳生みゆ)が反対するのも聞かず、糸子が後先考えずに立派な葬式を出してしまったことが招いた結果だった。糸子の右腕である昌子(玄覺悠子)はすぐにでも店を開けて商売をしなければ飢えてしまうと訴えた。しかし糸子は、善作の喪が開けるまで絶対に店を開かないと言って聞かなかった。葬式の香典をかき集め、店の者(高田真衣吉澤沙那)に買い物に行かせた。

ところが、買い物に行かせたふたりが泣きながら手ぶらで帰ってきた。市場では、小原家に食料は売らないと言われたという。小原家は非合法の闇商売をしているという噂があるといって門前払いされてしまったのだ。葬式を手伝いに来てくれた町内会の奥さん連中が、台所にあった大量の食料を見て不審に思って流した噂だと思われた。
善作を失ってただでさえ落ち込んでいる一家に、さらなる衝撃であった。

結局、背に腹は代えられないので、喪が開ける前に店を開くことになった。しかし、店に対する嫌がらせも始まった。植木鉢が壊されていたり、「非国民」と書いた紙が貼り付けられたりしていた。客足も鈍っていて、開店休業状態であった。

この時、糸子は初めて世間の冷たさや怖さを知った。
同時に、自分の意地を引っ込めるべき時が来たことを悟った。これまで家の者を配給所に行かせなかったのは、国からの施しを受けなくても、才能で家族を養うという自分の甲斐性を誇りに思っていたからだ。配給所の無様な行列に並ばないことで、自分たちの一家が特別な存在であるかのように思いたかったのだ。
けれども、そういった思い上がりが人々の反感を買ってしまったのだと思い知ることになった。

糸子が落ち込んでいる所へ、電器店・木之元の妻(西村亜矢子)が回覧板を持ってきた。それは野菜の配給を知らせるものだった。
どこかぎくしゃくするふたりだったが、木之元の妻が一緒に配給所に行こうと誘ってくれた。糸子は素直にそれを受け入れた。配給の当日、履物屋・木岡の妻(飯島順子)も合流して3人で配給所へ向かった。

赤の他人から店への嫌がらせは相変わらずだが、昔から親しい隣近所の人々は自分のことを信じてくれている。そのことで糸子は勇気づけられた。そして、近所にそういった親切な人々がいるのも、まさに善作の遺産だとしみじみ思うのだった。

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まさに善作の遺産だとしみじみ思うのだった。

善作の幽霊と唯一会話し、糸子の将来を託された木岡の妻がちゃんと面倒を見てくれているのが泣けてくる。
木之元の妻も初登場以来、終始ぶっきらぼうで冷たい性格と描かれていたのだが、やっぱりちゃんと糸子のことを気にかけてくれていた。泣けてくる。

ちゃんとキャラが立ってて、話に深みがある。
木之元と木岡は名前が似ていて、ややこしいけど。なんでもっとわかり易い名前にしなかったんだ。

ところで。
善作の戒名には「綾」の字が入ってましたね。繊維関係者ということで、糸偏の字ですね。糸子の名前も、糸の商売で食いっぱぐれないようにという神戸の祖父が付けたものだし善作の願いが込められているし(注:12/22の放送で祖父に付けてもらったと説明がありました)。
「綾」は、本作のモデルとなっている小篠綾子の字でもありますね。

綾という字のちゃんとした意味を僕は知らないのですが、縦糸と横糸を特殊なやり方で交差させる織り方の意でしょうか。善作が人と人との強固な結びつきを作ったというメタファーにもなってるのかな。

ちなみに。
昨夜見た夢は本当に単なる偶然だけれど、綾瀬はるかにも「綾」の字が。

なお、ここから某人妻の名前に繋げてもいいんだけれど、それはまた別の機会に。

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