NHK『スタジオパークからこんにちは』 ゲスト尾野真千子

未明からの降雪に関して、「危機管理上安全策として危険を冒さない」ことが肝要だと思ったため自宅待機(ていうか有給休暇)している当方がNHK『スタジオパークからこんにちは』の2012年2月29日放送分を見ましたよ。

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ゲスト: 尾野真千子

【オープニング】
司会の近田雄一塚原愛が並んで画面に登場。ふたりが左右にサッと分かれると、その後ろでミシンを操作している尾野真千子が現れるという趣向。

尾野真千子の衣装(イメージ図)

尾野真千子の衣装は、白地に朱色の格子模様の生地を使い、襟のない丸首の古風なワンピース。腰の部分にベージュのベルト。髪は後ろに下ろしていたが、中央部分だけをくくるヘアスタイル(僕はそれを表現する言葉を知らない)。耳が露出していて、直径2cm弱ほどの球状のイヤリングをつけていた。イヤリングの色は朱色で、ワンピースの柄の色と合わせていた。

本人は、糸子のイメージを損なわないように着物のほうで来た方が良かったか?などと冗談を言ってもいた。けれども、着用しているワンピースで十分に糸子のイメージをかき立てていたように思う。

朝からの雪にもかかわらず、ガラス張りのスタジオには多くの観覧客が集まっていた。中には雪の中で2時間以上待った人もいるという。観覧客に挨拶すると一斉に声が上がった。尾野真千子は「きゃー、アイドルみたい」と言ってはしゃいでいた。

トーク用の座席に座ると、尾野真千子の背後には緑色のカーネーションが飾られていた。コシノジュンコからの贈られたものだという。

尾野真千子が『スタジオパークからこんにちは』に出演するのは今日が2回目。前回は2009年11月19日だった。その時の映像が流れ、当時緊張している様子がよく伝わった。その時と同じく、尾野真千子は今日も緊張しているという。緊張すると手が冷たくなると言って、塚原アナウンサーに手を触らせていた。

【尾野真千子の経歴の紹介】
1981年、奈良県西吉野村(現・五條市)生まれ。4姉妹の末っ子。中学3年生の時に河瀬直美監督に見出され、映画『萌の朱雀』でデビュー。高校卒業後に上京し、本格的に女優業を始める。
代表作はNHKでは『義経』、『芋たこなんきん』、『外事警察』、『火の魚』(『カーネーションと同じく、渡辺あや脚本)。民放では『名前をなくした女神』など。

視聴者からは「他のドラマと『カーネーション』ではイメージがぜんぜん違うから驚く」というメッセージが多数寄せられた。その例として、『外事警察』(2009年)で糸子と違うクールな役を演じている映像が紹介される。
また、尾野真千子のテレビドラマ初出演は17歳の時で、NHK『余命半年: 生前給付3000万円の夢』だった。空手少女を演じていた模様が映し出される。映像が終わると、尾野真千子本人が17歳の自分の物まねをした。その直後に、もう古い映像は見せないで欲しいと照れていた。

【カーネーションのヒロインについて】
終わって思うこと:
出演者、スタッフが一つの家族のようになれたと思うと語った。

ヒロインに決まって:
NHKに出演すると地元の人々に喜んでもらえる。地元は田舎なので、映画を見に行くにも一苦労。だから映画だと見てもらえない。一方、NHKならいつでも見てもらえる。家でチャンネル権を持っているのは父親。その父はNHKが好きだし、自分もNHKを見て育った。

演じるにあたって:
ヒロインに決まった後、稽古したのは ミシンと手縫いのみ。脚本やセリフ等は共演者と合わせて形になるものだから、特に準備はしなかった。
今までは陰のある暗い役が多かったので、糸子のように快活な役ができるか不安があった。巻き舌や舌打ちも初めての経験だった。けれども、なぜか上手くできた。(糸子が)自分に降りてきたのだと思う。
一方、番難しかったのは岸和田弁。同じ関西弁といっても、出身地の奈良と岸和田では言葉が違う。方言指導で直されてばかりだった。しかし、一度言葉が頭に入ると役になりきることができた。

糸子と尾野真千子本人との共通点:
家族構成とがちゃがちゃした性格。自分は本来がちゃがちゃした性格なのだが、役として演じるのは初めての経験だった。
逆に糸子と違う部分は、人見知りなこと。糸子は誰とでも気さくに話をするタイプ。糸子になりきるために、共演者やスタッフには自分から積極的に話しかけるよう心がけた。スタッフの方も、朝ドラヒロインを受け入れることに慣れていたので、入り込みやすかった。

【スタッフに聞いた尾野真千子】
・崖から這い上がってきたライオン
・猫のような、リスのような
・関西のおっさん、大阪のおっちゃん、だたのおっさん
・女座長、次世代のGODねぇちゃん
・糸子のそのもの
・台本以上の小原糸子
・人を巻き込むのがうまい
・強さと優しさを兼ね備える
・見ていてがんばろうと思えた

これらの言葉を見て、尾野真千子は涙を流す。近田アナにハンカチを差し出され、しきりに涙を拭った。

【三姉妹の母を演じたことについて】
自分は母親になったことがないので、姉や母など身近な人を参考に演じた。また、子役たちに「お母ちゃん」と呼ばれることで、自然に母親になれた。厳しく叱る演技も同様。子役たちが実際にやんちゃだったので、自然に叱ることができた。また、自分が小さい頃に父親に叱られたことを思い出しながら演じた。
ヒロイン役の自分は出番が多くて、子役たちとゆっくり話す時間がなかったのが残念。それでも、撮影現場で一緒になったら、時間が許す限りじゃれあっていた。

【千代役、麻生祐未について】
千代について一番の思い出は、彼女が頻繁に糸子の顔や頭を触ってくること。その手の感触に優しさを感じ取った。
千代は自分の母にそっくりだと思う。父に怒られていた時に守ってくれる存在として。
また、麻生祐未とは共演期間が一番長かったため、もっとも世話になったと思っている。彼女からは子供を生むときの痛みの度合いやタイミング、気持ちの持ちよう、子供への対処の仕方など、実際に子を持つ親として演技のアドバイスもしてもらった。

麻生祐未からのビデオメッセージ:
尾野真千子のことが本当の娘としか思えない。
ヒロインは一日中スタジオにいて、終わったら寝て、セリフを覚えて、またスタジオに来るという日々の繰り返し。よほどの体力と精神力がないと務まらない。尾野真千子はよくぞやりきったと思い、尊敬している。弱音を吐くところも見たことがない。いい経験をしたことだろうと思う。
一方で 急に役割を終えると、風邪をひいたりストレスを感じたりするかもしれないことが心配だ。尾野真千子ならきっと大丈夫だとは思うが。
共演できたことは幸せだった。これからも気を落とさず、病気もしないで、みんなに面白い顔を見せ続けて欲しい。

メッセージの最後で、麻生祐未の目が潤んでいた。その様子を見た尾野真千子が再び涙を流す。

尾野真千子と麻生祐未は、撮影以外でも「お母ちゃん」「糸子」と呼び合っていた。大変な時でも、いつも麻生祐未が見守ってくれていた。そして、いつも一緒にしゃべっていた。尾野真千子の話すことにちゃんとのってくれる人であり、本当のお母さんのようであった。良い人にめぐり合ったと思う。


【ヒロインのバトンタッチについて】
「尾野真千子がいなくなるのが寂しい」という意見がNHKに多数寄せられていることが紹介された。

尾野真千子本人も、とても寂しいとハッキリと正直に語った。糸子が死ぬまで演じきりたいという気持ちは強かった。しかし、自分が老婆を演じるには力不足であることを思い知らされている。自分が演じると視聴者にも混乱を招きかねないと危惧する。

夏木マリのことを女優として尊敬している。彼女が引き継いでくれるなら、むしろ嬉しい。
率直に言って、関西出身でない夏木マリの方言は下手くそだ。しかし、彼女は気持ちを伝えるのが上手い女優だ。このドラマで伝えたい事は演技や方言ではなく、「気持ち」だ。方言が下手な夏木マリであっても、一番重要な「気持ち」はきちんと伝わるはずだ。安心している。


【ヒロインを演じ終わって】
宝だ。
糸子や『カーネーション』はずっと宝物になる。ただし、箱の中にしまわれてしまう宝物ではなく、みんなの心の中に伝え続けられていく宝物だ。

【視聴者からの質問、コメント】
Q. 美しさの秘訣は?
よく笑うこと。笑ってないと自分ではない。

Q. 尾野真千子本人がカーネーションの中で好きな男性キャラクターは?
北村達雄(ほっしゃん。)。理由はよく笑わせてくれるから。実際に、ほっしゃん。とは仲がいい。
きょうだいとして好きなのは、勘助役の尾上寛之

Q. 元気の源は何か?
家族。
クランクアップの翌日に実家に里帰りした。今日の出演用に家族の集合写真を撮った。ひと通り撮影が終わったら、家から体よく追い出された。しばらく時間を潰して帰ったら、家が飾り立てられていて、撮影終了のサプライズパーティーを開いてくれた。

寄せられたコメント:
・糸子役が決まるまで、何度もオーディションに落ちてくれてありがとう。尾野真千子だからこその糸子。
・こんなにすぐにキレて、言いたいことを言いまくるヒロインは初めて見た。その姿に、自分は自分らしくあっていいのだと勇気づけられた。
・震災で家が全壊した。がんばろうと思ってもどうしても元気が出ない時がある。そんな時でも糸子には元気づけられた。
* * *


トーク全体のテーマとしては「家族、母性」という点に集約されていました。
そもそも、カーネーションの花言葉が「母の愛」であり、ドラマの主題でもあるので、それに沿った流れでしょう。
ちゃんと、尾野真千子本人が実の家族を大切にし、また家族からも大切にされているというのがわかるオチが付いていました。

クライマックスは麻生祐未のビデオメッセージでした。仕事上の関係であったはずなのに、実の母子のようになったかのようでした。女優さんは、そもそも自由に涙を流したりすることでメシを食っているのだから、麻生祐未や尾野真千子の涙をどこまで信用して良いものか疑心暗鬼になってしまいますが、それはそれとしてとてもジーンと来るメッセージでした。

そして、一番の注目は尾野真千子がヒロインバトンタッチについて語るくだりです。
ズケズケと「夏木マリは岸和田弁が下手」と具体的に言い切ったところに驚きました。視聴者に、そこは割り引いて見るようにと注意を促していました。

一方で、夏木マリのいい所は「『気持ち』を伝えることができる」点だと言っています。
正直、抽象的すぎて、僕にはその長所の意味がわかりませんでした。女優さんたちのジャーゴンとして「気持ちを伝える」という言葉に何か特別な意味があるのかもしれませんが、僕にはよくわかりませんでした。
その言葉の意味が、バトンタッチ後(3月3日以降)に明らかになることを期待したいと思います。


明日のゲストは『カーネーション』で周防龍一を演じた綾野剛。当然、尾野真千子との共演の話になるだろうけれど、日テレの『Mother』に話が及ぶかどうか気になるところですね。

国会中継のため、翌日の放送はキャンセルになりました。

コメント (6)

    • 夏木マリに関するコメントに強い衝撃を受け、そこだけでも記録して残しておこうと思ったのですが、なんとなく興が乗って全編まとめてみました。
      逆に長すぎたかも。もう少しエッセンスを抽出しても良かったかもしれないですね。

  1. スタパ1回目の出演、多分見ていますね。プー時代だったので見れたのでしょう。河瀬監督にスカウトされた時のエピソードや家族のことなど話していました。

    • スタパ1回目は2009年11月と言っていたので、『外事警察』や『火の魚』の絡みの出演だったんでしょうか。
      実はその2作とも見たことのない僕です。今週の土曜日の『火の魚』再放送は絶対見ようと思っています。

  2. ピンバック: [alm-ore] NHK『カーネーション』第127回

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