NHK『カーネーション』第133回

いつも見ているわけではないし、いつもながら見しかしていないのだが、渋い番組として面白いと思うNHKの週刊ブックレビューは1991年に放送を開始し来週で954回目を迎えるが、それが最終回になるそうで、なんかしみじみと残念だなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第133回目の放送を見ましたよ。

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第23週「まどわせないで」

里香(小島藤子)が不良少女達とトラブルを起こし、オハラ洋装店のショーウィンドウが破壊された。
糸子(夏木マリ)は、里香の装いがこの事態を招いたのだと指摘した。人は、自分の着ている服に応じた出来事を引き起こす。里香の髪型とジャージ姿に原因があると言うのだ。逆に、どういう服装をすればトラブルに巻き込まれないか反省を促した。

翌朝、里香はついにジャージ姿をやめた。しかし、12月も末だというのに、半袖のTシャツにハーフパンツという夏服を着てしまった。驚いた糸子が訳を聞くと、優子(新山千春)が買って送りつけてきた服は着たくないのだという。それらを避けたら、夏服しかなかったのだ。
糸子は家中から古い衣類を見つけてきた。何年前に誰が着ていたのかもわからないようなドテラや、聡子(安田美沙子)が学生時代に着ていた体操着などだ。それを渡された里香は嫌がるでもなく着用し、その姿で平気で人にあった。

里香の更生を電話で知らされた優子は、すぐに里香を東京に帰すか、自分が岸和田に会いに行くことを許して欲しいと主張した。しかし、糸子はまだ時期が早いと言って応じなかった。糸子は、自分が里香を手放す前に、きちんと彼女の心境と向かい合う必要があると考えていた。

里香はいくぶん明るい表情になってきたし、人との会話も楽しむようになってきた。
そこである日、糸子は里香の核心に迫った。優子には上等な服をたくさん買ってもらっているし、良い高校にも入学させてもらった。何が気に入らないのか説明を求めた。
里香は混乱してた。自分でもどうして優子を避けているのかわからないのだという。理由はわからないが、優子の全てが嫌になったという。今は思い出すことすら嫌なのだという。目に涙を浮かべる里香を見て、糸子はそれ以上問い詰めることをしなかった。その代わり、そう思うのは里香が大人になるためにもがいている事の証拠だと指摘するのだった。

1986年(昭和61年)1月、オハラ洋装店の初売前日。
糸子は吉岡(茂山逸平)と河瀬(川岡大次郎)を呼びつけた。そして、新しくデザインしたスーツを見せ、それを吉岡が売る許可を与えた。そのスーツは和服と同じように腰のあたりを紐で結ぶようになっているので、体型が変わっても簡単に調節できる工夫が施されていた。吉岡の仕入れた高級生地もいいものなので、買った人は長く着れるだろうとコメントした。
糸子が河瀬の曽祖父を助けたことを50年以上経っても引き合いに出された。そこまでされては、助けないことには格好がつかない。それが糸子が吉岡に協力する理由だと説明した。

それからしばらくして、吉岡らがやって来た。糸子のデザインしたスーツの売れいきが驚くほど良いと言う。1着18万円の値付けをしたにもかかわらず、生地100反のうち95反分が予約注文だけで売りさばけたという。
これで成功を確信した吉岡らは、糸子のブランドを正式に立ち上げたいと切り出した。

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夏木マリの糸子になって1週間。つまらない。ただし、それは夏木マリのせいではないだろう。
脚本に問題がある。とにかく展開がつまらないことこの上ない。特に、このドラマの最大の魅力だった「だんじり風」スピード感が完全に失われた。もうダメかもしらん。

第1週の展開を思い出そう。
糸子(二宮星)はだんじりが大好きな男勝りの女の子であることが紹介され、呉服屋を営むがうだつの上がらない父・善作のいることが自然に描かれた。糸子はたまたま目にした外国人のドレスに魅了され、それに夢中になる。見様見真似でアッパッパを縫い上げ、家族に褒められると共に、自分の生きがいを見つける。その間、男の子と取っ組み合いのケンカをして、集金した金を川で失くしてしまう。父には女が男に歯向かったことを叱られ、幼いながらも性差別の現実に直面する。
洋服を一生の仕事として見つけるという華やかな表のテーマが提示されたのはもちろん、成長後の糸子を苦しめる性差別というほの暗い裏のテーマにも触れられていた。非常に良いスタートを切った。
とても良い流れだったので、これだけのことを僕は全く資料を見ずに、スラスラと思い出せる。

それに対して、今週の放送はどうだ?
ほとんど何も印象に残っていない。グレてた里香が更生しかけていることと、あほぼん連中が成功を掴みそうで良かったね、くらいしかない。糸子が急に年をとって、役者も変更になるというターニングポイントだったのに、ほとんどこれといった重要な話がなかったように思う。糸子がばばぁになって、湿っぽくなり、亡くなった人のことをウジウジ考えたり、情にほだされてあほぼんを助けたりする。一方で、昔ながらに男勝りで直情的だ。そういう二面性を持った糸子がどういう過程で生まれたのか、僕にはよくわからなかった。どうなってんだ、これ?

なお、第2週で尾野真千子にヒロイン交代したときは、ミシンとの出会い、学校を辞めて洋裁のために働きたいと言って父と激しく対立するという、これまた印象深い展開だった。

もう、本当に面白くなくて、どう擁護していいのかもわからない。

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